吾輩は現在、菜食主義
ベジタリアンってやつだす
去年の末くらいから
肉を食べなくなっただけど
元々は大変な肉好きでして
肉食が身体や環境に与える
悪影響は知っていたし
肉を一切食べなくても
健康に生きられることも
知っていただけど
『やっぱ美味しいしなぁ』
と、唐揚げやら焼き肉やらを
モグモグしておっただす
そんなある日のこと
何となく手に取った本に
とある獣医さんの体験談が
載っておったんだす
少しばかりご紹介しるだすよ
ブログに載せやすいよう
少し文章を変えてあるので
ご了承下さいだす
クリスティアーネさんが
新米の獣医だった頃
実習の為に“とある施設”を
訪れたんだそうだす
急に膝の後ろを突かれて
振り返ってみると
ひとなつっこい
いたずらっ子の瞳をした豚が
見上げていたそうだす
吾輩の足元をうろうろし
頭や尻をぶつけてくる
あの いたずらっ子
そして実習が始まると…
その豚は追い立てられ
血を抜かれ、毛を焼かれ
ノコギリで切られ
虚ろな瞳で血まみれの床に
横たわっていたそうだす
それでも身体はピクピク動き
小さな尻尾を振っていただとか
そうなんだすよ
“とある施設”というのは
屠殺場のことだす
あれほど好きだった肉が
食べ物に見えなくなったのだす
吾輩が30年以上に渡る
肉食生活をポッと止めたのは
たった1〜2ページの文章が
きっかけだったわけだすな
いや、それだけではないだす
真白先輩やきいろとの生活が
吾輩の何かを変えていたのだす
それ以前の吾輩だったら
『う〜ん、可哀想な話だなぁ』
くらいで終わっておるし
一ヶ月も経てば忘れて
カツ丼でも食べてるだから
猫も、牛も、豚も、鶏も
食べ切れないほどに殺し
捨てておるのだす
それはあまりに酷いだすし
とても悲しいことだす
毎日、我が家のモフたちに
肉類の含まれているフードや
鶏肉をあげておるだけど
大量に流通しておるからこそ
いつでも買うことができる
そこは理解できるだけど
なんとも…やり切れんだす
てか、あれだすな
モフがきっかけで肉食をやめ
モフの為に肉を買っておる
“もっと殺して下さい”と
お金を払っておるのだす
なんと中途半端なやつ
まだ吾輩には肉食がどうの
言う資格は無いのだす
でも…絶対に無駄には
しないつもりだす
半端者は半端者なりに
できることをやるだすよ