食事・運動・休息を主に肉体的な健康と精神的な健康の双方を対象として行っていきます。健康の維持・増進や予防から回復後のケアに至る、全ての段階に対応することを目的としています。
複数の質の高い研究で健康に良い(=脳梗塞、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と言うことが科学的に証明されているのは、(1)オリーブオイル、(2)ナッツ類、(3)魚、(4)野菜と果物(フルーツジュースではダメ)、(5)食物繊維を多く含む雑穀類の5つです。逆に、赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は問題ない。特にハムやソーセージなどの加工肉は体に悪い。)と炭水化物・糖質の2つは体に悪いので控えた方が良いことが分かっています。ここで言う炭水化物とは、白米、パスタ、白いパン(全粒粉を使ったパンは問題ありません)のことを指します。糖質とは砂糖などの糖のことですが、フルーツジュースなどの果糖も含まれます。注意が必要なのは、新鮮な果物をそのまま食べれば体に良いのですが、精製されてフルーツジュースになると糖の塊になってしまうので逆に体に悪くなってしまいます。ちなみにジャガイモなどのイモ類は野菜には含まれず、炭水化物に分類されるのでこれにも注意しましょう。肉と炭水化物・糖質を控えると言っても、ただこれらの量を減らしたらお腹が空いてしまいます。日本でも以前は、食事の摂取量を減らしてがまんさせる「根性論的な栄養指導」が行われてきました。しかしながら、数多くの行動科学や行動経済学の研究から、がまんさせることが正しい戦略ではないことは明らかになってきました。がまんばかりさせてもストレスになって、いずれは爆発して食べ過ぎてしまうことが多いことはみなさんの経験からも明らかだと思います(ダイエットでリバウンドしてしまうのと同じ現象です)。このような理由から、現在ではがまんばかりさせる栄養指導よりも、食べる内容を「置き換える」栄養指導の方がより効果的であると考えられます。
医食同源って深いね。