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自転車の空気抵抗を考える場合、大半が人の抵抗であり、自転車自体の抵抗は2~3割と言われている。

その中でも抵抗が大きいのがホイールと言う事になる。

車輪は転がるもので、回転数は速度に比例する。タイヤの上方は車体の速度の2倍の速さで前方に進む。

つまり、スポークの外周付近は車体の速度の2倍近い速度で風を切っていると言う事で、回転してない状態の4倍近い空気抵抗になる。

地面と接している車輪下部の速度は常に0に近い訳だが、それを差し引いても回転状態のスポークの空気抵抗は、無回転状態の約2倍~3倍と言う事になる。

その対策として、以下が考えられる。

1)スポーク本数の削減

単純にスポークが半分になれば抵抗も半分になる。

2)エアロ形状のスポークへの交換

スポークを平たく潰す事によってスポークの前方投影面積とCD値を減らす。

3)高ハイトリムによってスポークを短くする

高ハイトリムの空力上の利点はスポークの外周付近の最速部を隠せることである。

4)スポークを全て覆う

いわゆるディスクホイールである。欠点は重量の増加と横風に対する脆弱性であるが、空力的には理想形と言える。


誰しも50mmを超えるディープリムの効果が気になるだろう。

しかし、クリンチャー用のディープリムは極度に重く、メリットが少ない。

小生は以前のタイヤ交換ホイール交換で、リムとタイヤの重量が如何に走行性能に影響するかを経験してるので、空力の改善の為とは言えわざわざ重いホイールにするのは抵抗があるし、ストップアンドゴーの繰り返しの街乗りではデメリットの方が大きいだろう。

ディープリムを活用するには比較的僅かな重量増で高ハイトにできるチューブラーホイールの方が適しているのだが、高い価格とあいまって敷居の高いアイテムとなっている。

「エアロホイールはどれほど効果があるのか?」

気になって夜も眠れない日々が続いた。

そこで、リムカバーと言うものを試そうと思ったが、どこも品切れ、どうやら「痛チャリ」の必須アイテムらしい。

ならば自作となるが、やった人のブログなんか見ると結構めんどくさい。

考えた挙句、カッティングシートで覆ってしまうことに。

上手く行くとは思っていなかったが、完成すると見た目は既製品レベル。自分の器用さが恐ろしい 。

スタンドでペダルをグイグイ回してもホイール側面は無風。回転している時間もかなり長く感じる。シート貼る前に測っとけば良かった。

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自転車を外に出すと、段差で音楽室にあったティンパニーみたいな音がする 笑。


早速試乗。うーん、これは速いわ。

30キロ過ぎてもペダルが軽いので、何度もフロントがアウターにかかっているか確認してしまった。

下り坂では更に凄い。僅かな勾配なのに、ペダルを止めても40以上で数字が動かない。

風はやや強かったが、ディスク化は後輪のみの為、あおられるような場面も無かった。まあ風が強けりゃ剥がせばいい話だ。

ただ、今回分かったのは、やはりクリンチャーの重いディープリムはいらないと言うこと。

少なくとも巡行が30km/hくらいならそこまでの加速で疲れてしまって、1、2キロ直線が続かなければ、メリットなど無いだろう。

頻繁に40km/h以上まで上げる人なら30km/hくらいからペダルの軽さを実感できるだろうが、リムの200~300gの重量アップは確実に体力を奪っていく。


やはり空力と重さを考えれば常にスペアタイヤを持ち歩いてもチューブラーが絶対優位と言える。

重くしてまでディープリムに変える必要は無い…と言うのが今回の結論である。

そういう意味では、ほとんど重量増の無いカッティングシートは革命的と言える(自画自賛)。








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