前略、田野優花さま。


かく私が、貴方を推すようになってより、早幾年。
貴方さまは、近年ご活躍目覚ましく、誇らしく思っております。


思い起こせば、私が貴方をはじめて認識したのは、私がオタとなってまだ日も浅い2012年の秋。
ファミリー劇場の番組「AKB48 ネ申テレビ」のシーズン11での事でした。
当時の9~13期生のメンバー達で巨大折り紙を折る企画だったと記憶しております。

前半、紙相撲対決での貴方は幾度か冷静で落ち着いたアイディアを出し、チームの折り紙進行を助けていましたね。
貴方の特質として取沙汰されやすいのは快活な性格や、定評のあるダンスパフォーマンスでしょう。しかし、そこ以外、意外と冷静で、物思う知性のある、という点において初めて貴方の事を認識したというのは、奇縁だったかもしれませんね。
ですが、それは私にとり最高の出会いであったと思っています。

後半、紙飛行機での貴方は、集中力が切れたのでしょうか。
同期の岩田華怜さんや、後輩の大島涼花さんと戯れ、先輩に注意されていましたね。
今思えば、気の置けない仲間と共にある時の飾らない貴方の魅力もまた、あの時に発揮されていたと言えましょうね。


それからひと月からひと月半ほど、貴方のことを頭の片隅に置きつつも、
“開けないほうがいい扉だよな”という意識の仕方をしていたことを覚えています。
つまり、深入りしてしまえば、きっと逃れられないほどにのめり込んでしまうだろう事を直感していたという事です。

その間に状況も変わりました。
当時、私が推していたメンバーが卒業発表をしたのです。
それまで私はあくまで在宅で、テレビ番組やDVD、ひかりTVでの公演鑑賞などでヲタ活を送っていたのですが、それを期に現場に出ることにしました。
少なくとも握手会に関しては。

丁度同じ頃、貴方はチーム4からチームAへと異動し、その活動を始めて居ました。
思い返せば、アレは貴方のチーム4としての最後の公演「僕の太陽」の千秋楽の放送だったかもしれません。
そこでの、悲しいような怒ったような、戸惑ったような貴方の姿を見て、いよいよ無視できないものだと気付いた事を覚えています。
“開けないほうがいい扉”をついつい開けた訳です。

それからは正に私の直感通り。
貴方が何処で何をしていても気になって仕方なくなりました。
ルックスや性質に好感を持てるだけでなく、パフォーマンスに定評のあることも知りました。
貴方のパフォーマンスの気持ちよさは、私のようにダンスやアイドルパフォーマンスに明るくない人間にも、十分に伝わるものでしたから、その評判にも得心がいったものです。

そして「永遠プレッシャー」の再販にて貴方の握手券を申し込んだ訳です。
……他にも何人か申し込んでいたのはご愛嬌としておいて下さい。
結局の所、貴方以外の券は落選致しました。
再販の前の受付では、当時の推しのみを申し込んでいたのですが、結局彼女は「永遠プレッシャー」の握手会には参加せず、手元には貴方の券だけが残る事となりました。

強風の中、貴方の券だけを数枚持って幕張へ向かったことを覚えています。
そして、その帰り、強風で電車が止まり、数時間立ち往生を余儀なくされたことも、今となっては良い思い出です。
その日私は、自分がその先のヲタとしての全てを賭けうる推しを見つけたのですから。


先ごろより、貴方は自分の能力や性質の出し方をしかと学び、実行する術を身に付けてきたように思われます。
そうなれば、貴方の才覚は200人を超える48Gの中でもトップクラスの物。
活躍と、それに纏わる評価も、自然とついてくるものと信じております。
社会人としての貴方が、さらなる躍進(“躍”という漢字が貴方ほどに似合う人もいないでしょう!)を、私は信じております。

また、貴方の太陽の如き笑顔をステージやテレビや握手会などで見れるだろう事を、私は嬉しく、誇らしく思います。
そのいずれかで、また、お会いいたしましょう。


草々