末ズのBL妄想小説です。
苦手な方はご遠慮下さい。








LHRが終わり…
休み明けの大掃除が始まると

俺の周りには、好奇心に満ちた
級友達が 群がってきた。


「なあ、松潤。アイツ…二宮?
抱き心地どうだった?何かさ…小っちゃくて、触ったら 気持ち良さそうじゃん」


チリっと…
焼け付く音がする。



「……お前、よっぽど溜まってんだな。 男相手に…何考えてんだよ」

「でもさー俺…アイツなら 抱けるかも?!」



……止めろ。



「あ! 分かる。俺も思った! その辺の女より よっぽど可愛いよな」

「それなー。 俺も 思った!」



……………止めろよ!



「お前ら、止めろよ! !  気持ち悪い…。
冗談でもそういうの…聞きたくないから」


突然の大きな声に  シン…となる。


慌てたように 

「おいおい、本気にすんなよ」

と、笑い声と共に  フォローが入った。



俺は…

自分が 何故こんなにもイラついているのか分からずに、頭を振った。
 



掃除が終わる頃
ニノは 教室に戻ってきた。


掃除の後は、実力テストがあるから
早退…ってワケにもいかなかったんだろう。

青白かった 顔色は  大分良くなってるものの
何処か悲しげで…


俺と目が合うと

その キレイな飴色の瞳を 伏せた。


「あの…さ、さっきは ありがとう…」


そう言って 俯くニノを…


無性に 抱きしめたくて…
手を伸ばしかけ、慌てて 引っ込めた。


……握った拳を見つめる。


これじゃ、あいつらと同じだ。


大体、ニノ の 白い背中を見て

昨夜…欲の対象にしたのは 
他の誰でも無い、自分だった。


下卑た自分に 嫌気がさす。



…さっきの クラスメイトの反応。

ニノに興味を持ってる奴は 
少なからず いる。


俺の様に

そういう対象として ニノを見る奴だって…


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月下に咲いた  この花は
俺が 守らなくちゃ。


そう 心に決めた。







side:N



止めろよ!   気持ち悪い!



………教室に響く  王子の声。


体調は良くなり
保健室から戻ってきたのだけれど

転校早々 倒れるなんて…
そんな、醜態を晒したオレは
どうも 中に入り辛くて。

廊下で ウロウロしながら
中に入るタイミングを見計らっていた。


そこに  聞こえた言葉。



”キモチワルイ”



そう、だよね。

オレだってさ、王子じゃなければ
男なんて…そういう対象に考えもしない。



だけど。


だけど、さ。



このまま だと
オレが消えるまで あと…10か月足らず。

そんな 僅かな間
側にいたいと想う事さえ
許されなかったんだね。


これ以上 王子に…
潤に 関わるのはやめよう。



「あの…さ、さっきは ありがとう…」


俯き…

泣きそうになるのを 我慢して…続けた。


「やっぱ、今日 止めるよ。 行かない…」

「…え?」


何か言いたげな 潤の横を通り過ぎ
自分の席に着いた。





つづく


miu