末ズのBL小説です。
苦手な方はご遠慮ください  m(_ _)m










あ。





視線が交差した瞬間、後ずさる。


振り返り 走り出そうとした その手を 掴み…
引き寄せた。


その反動で  俺よりも ひと回り小さな体は
腕の中に すっぽりと収まる。



「何で…?
もう 待ってないと思ったのに…」

消え入りそうな声で  そう呟く。




「俺…諦め悪いんだよね」


下から見上げる  ニノの瞳。

そこには 月明かりとともに
確かに 俺が…映っていた。

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「あの、離してよ…」

「逃げない?」

「…逃げない」


手を緩めると
スルリ、と  俺の横をすり抜けて

ニノは  小さな水飛沫をあげ…
俺の視界から消えた。






………



上がって来ない。



え?

何で?!



1分…2分?



「ニノっ?!」

飛び込もうとして…
水への恐怖に 一瞬、躊躇した。


けれど  

恐怖よりも  俺を突き動かす
何か があった。


バシャッ!!


天から降り注ぐ  淡い光と…

校舎の周りに設置された
数台の照明。


でも、それだけで
このプール全体を照らすには とても足りない。


まるで、波の無い…夜の海に
投げ出されたかのようで

ゾクリ、と 背筋が凍りついた。


水を含んだ服は  鉛のように重みを増して

下へ 下へと …
闇の彼方へいざなう。



鼻から  水が 入ってきて
ツーン とした痛みが 刺し

ゴボッ  っと 

口から出た 大きな泡が
水面へと…登っていく。



あ…ヤバい…


そう思った 瞬間
俺の体は 何かに引かれ、浮上した。




ゲホッ、ゴホッ…


プールサイドに上がり
息を整える。



「…何で  泳げないのに 飛び込むのよ…」

「いや、泳げないワケじゃ…。
服着たままだったし、こんな暗い所で泳いだコトなかったから…」


こんな言い訳をしたところで…

ニノの この瞳には
俺の全てが 映し出されているような気がして

思わず 視線を逸らした。



「…いや、違うよね。
ゴメン…オレの所為なのに…」


ポタポタと ニノの頬を伝う 水が
涙なのか…

暗くて  よく見えない。



頬を両手で挟み  俺に 向かせると
口元は 微かに震えていた。


わななく  その 唇に

そっと…指を這わせると

ビクッ  と  身体が跳ね
視線が絡み合った。



俺…

一体  どうしたんだろう。



月明かりの下で 出逢った時は 
男だとは思わなかった。


…でも、女とも…


そんなものを 全部飛び越えて



こいつを。


…ほかの誰にも 触らせたくない


そう  思ったんだ。





つづく


*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

展開が遅くて  スイマセン。

今週は土日と出かけてまして…
お話、中々 進まないのね(^▽^;)

今月も出張と研修が…。

お引越しが メインで、新しいお話は のんびり更新かもしれません。

待っててくれると嬉しいです。



アメンバー募集は、お知らせ通り

本日、6月5日 (日)  0時まで
  
と、させていただきます。m(_ _)m



申請いただいた方 ありがとうございました。
今回は、優秀♡  
概ね承認できてます!

あ!アメとも?? 申請されても、限定記事は読めません。お心当たりの方!アメンバー申請をしてくださいね。
(個別には 連絡しませんので…)



それでは\(^o^)/

miu