大宮さんの BL妄想小説です。
苦手な方は、このままお戻り下さいませ。


説明的セリフが続きます。
分かりにくくて スイマセン。

なんとなく察していただければ… ( ̄◇ ̄;)








「…共振」

「 何?  」「  へ? 」

二人揃って翔さんに向き直る。


「仮説、だけどさ。
カズヒコが発する振動数….まぁ、人間だと オーラとか、言い方は色々あるかもしれないけど。
その人が発する固有の振動。
カズヒコのそれと、ニノが持ってる振動数が近いから、増幅して共鳴が起きる訳だ。

特にその…セッ○ス の時の振動数が ニノに影響を与えてる。 今まではそうだった。…ここまで良い?」

「 あー、はい 」
「 うん? 」

「そこに、大野さんの振動数が加わり 共振点に達した。結果、より大きな共振を起こしたんじゃないかと思うんだ。
まあ…物理的に当てはめられるような事象ではないだろうけど…」

「 うん?何となく 」
「 ……分っかんねぇ!」

「要は、ニノの受信する感覚を増幅させてるのは、大野さんじゃないか?って事だよ」

「…何となく そんな気したんですよね」

「えっ!カズとカズヒコは分かるよ?双子だし。何で おれが?」

「うーん、何とも言えないけど。
ニノと何か…共通点があるとか…?
まぁ 相性が良いって事なんじゃないのかな」

「共通点…相性…?
そんで、おれは どうしたら良い?」

「どうって 言われてもなぁ。
物理的な回答なら、共振は 震動源を止めるとか、固有振動数を変化させる事で防げる筈だけど」

「…振動数の変化?」


もう一度 昨日の事を 思い出す。

カズヒコから伝わってきた
大きな波は一度だけ。

その後はもう…カズヒコからの感覚は伝わって来なかった。

その時  オレたちは?
…何をしてた?

抱き合って…求めあって…
アナタの事しか考えられなくて。

他の事が 入り込む隙間なんて、これっぽっちも無かった。

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「…大野さん、アナタが オレの振動数を変化させた?」

「うーん。
その可能性は…あるかも?」


オレと翔さんで 大野さんを見つめる。


「だから、何言ってるか分かんねぇって!」


何だか 泣きそうな顔になっている
大野さんの手に

オレは 自分の手を重ねた。



色褪せた写真が握られた
その手に、そっと。



「ゴホン!
あのさ…俺、お邪魔だよね?

ニノ、今日は 家に帰ってやってくれないか?
カズヒコ…待ってるから」


寂しそうな顔で 翔さんが 笑う。


「うん…そっか。
そうだね。帰るよ。

…ねぇ、翔さん。カズヒコの方の振動数も、もしかしたら 翔さんが変えられるんじゃないのかな?」

「…だと良いんだけど…」

「…なんだよそれ!!
あんた、カズヒコの事 好きなんじゃねぇのかよ!?」


黙って眺めていた大野さんが
声を荒げた。


「あんたが そんなんだから、カズヒコは…いつまでも カズに執着すんじゃねぇのか?!」
「ちょっ…大野さん!!」

「そうかもしれないな。
…………大野さん、もう少し良い?
 聞いて欲しい事があるんだ。
ニノ、大野さんと 二人で話したいんだけど…いいかな?」


その真剣な眼差しに
『何故?』と、聞けなくて。

オレは二人を残し…店を後にした。



つづく


2015.9.23   miu