末ズのお話です。
軽くBL含みますので、苦手な方はご注意下さい。









「そこ、右」「…重くない?」


時折…後ろから  かけられる声。

腰に回された 手と
背中の 体温。

ドキドキと 早鐘を打つこの胸は
こんなにも 苦しいのに…

(この時間が 永遠に続いたら良いのに)

なんて事を 思いながら
俺は ゆっくりと ペダルをこいでいた。



…男同士、なんだよな。

ついこの間まで  あり得ないと思ってた。

男子校だし… 
噂では 聞いたことがあるけど。


誰が 後輩に 告られた、とか。


でも、それは 全くの他人事で


こんな…

自分が 思い悩む日が来るなんて
全く  予想もしていなかった。


そう 思う一方で


ニノだから。

他の誰でもなくて
俺の心を捉えた相手が 男だった。

ただ  それだけの事だと

…素直に そう思える 自分が 確かにいる。


俺は  どうしたいんだろう?


分かっているのは
ニノに惹かれてるという事。

それだけは…間違いなかった。





「潤、ここ!」


慌てて ブレーキをかけると

自転車が 止まりきる前に  
ニノは 後ろから飛び降りた。

体温を失った背中が 
…なんだか 寂しい。


「自転車、そっちね」

そう言うと、ニノは 
アパートの階段を上がっていった。

自転車を止め、ニノの後について行く。


「…どうぞ?」

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中に入ると、ワンルームの小さな部屋で、隅っこの方には ダンボールが そのまま積まれている。


「…あれ? お前 独り暮らししてんの?」

「うん、親が海外転勤になってさ。オレは…残ったんだ。
でも、一人じゃ心配だからって 叔母さんの家の近くにアパート借りて…」

「そうなんだ…
メシとか ちゃんと食ってんの?」

「晩飯は、叔母さんの所で食ってるよ。
朝と昼は…適当にね

えーと…これで良い?」


ダンボール箱をゴソゴソと開け、中からTシャツとハーフパンツを取り出すと、俺の手に乗せた。


「コレは使ってないヤツだから、あげる。
サイズも大丈夫だよね」


タグの外されていない ボクサーパンツを 
ヒョイっと投げると

それは 俺の手の中に落ちた。


「…風邪ひいちゃうからさ、潤も着替えなよ」


クルッと 後ろを向いた ニノは

勢いよく 着ていたシャツを脱ぐと

磁気のように 
白く 滑らかな背中を晒した。


俺は…


見ちゃいけないと 思いながらも
その背中から 目を逸らす事が出来なかった。



つづく


*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

久々でスイマセン  m(_ _)m

同時進行下手くそなのに…
色々と手を出してしまっております。

少しずつ 書き進めてますので
続きは お待ちくださいね。


miu