末ズのお話です。
軽くBL含みますので、ご注意下さい。


潤くん視点に戻ります…










あ…



ニノは 勢い良く
濡れたシャツを脱ぎ捨てると

白く 丸まった背中が 露わになった。



滑らかで …きめ細やかな肌。


その肌に 吸い寄せられるように…
思わず 手が伸びる。


指先が 背中に触れる…その寸前

窓の外に閃光が走り
数秒後、ガラガラと大きな音を立てた。


…驚いて 手を引くと

雨粒が 窓を打ち付け始め
次第にその音を大きくしてゆく。

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「うわ、すげっ…」

「…さっきまで 全然だったのに」


引っ込めた手の置き所が見つからず、仕方なく自分の頭に乗せ、ぽりぽりと掻いた。


こちらを向いた ニノ。


何も纏っていない胸元に
視線が 釘付けになる。

その白い肌には 
薄い色素の 小さな蕾が 二つ…並んでいて


俺の 喉が…ゴクリ、と  鳴った。



「潤…まだ濡れてる。髪 拭いた方が良いよ」


ニノは 足元のタオルを拾い上げ
俺の頭に被せると 

ゴシゴシと…

小さな手を 伸ばし 
まだ湿ったままの 俺の髪を 拭った。



…触れたい。


その躰を 押し倒し、口付けて…
俺だけを感じさせたい。



「…ニ、ノ…」


髪に触れていた ニノの手をグッと掴むと
その手を引き寄せた。

ハラリ…と  タオルが 落ち

伏せられていた ニノの 瞳が
俺に向けられた。


と、同時に

次の 瞬間、木を引き裂くような轟音が響き
辺りを 漆黒の闇が支配した。



「え?!  何っ!」

「…停電か?」

「まいったな…懐中電灯とかないし」

「んー…とりあえず…」


ケツからスマホを取り出し
ライトを点けてみる。

部屋の中全てを照らすには 足りないけれど

それでも…
ワンルームの 狭い空間で

向かい合った 二人の 身体を包む程度には
充分だった。




「…潤のスマホ、残り何パー?」

「あと…5パー」

「何だよ、ダメじゃん!!消しとけよ…」


俺の手に握られた スマホに
ニノが手を重ね…

フフフっ  と 笑いながら 
電源ボタンを押した。



スマホの 主電源が落とされ

部屋は再び 闇に包まれる。


ニノの表情は見えなくて…
声は 笑ってるのに


なのに…何故だろう?


微かに 震えている空気に

ニノが  泣いているような気がしたんだ。



「…怖いんだろ?」

「え?」

「…雷、さ。  ニノ、震えてんじゃん」

「 違っ! 」


俺は

ニノを抱き寄せ…
その背中へと  手を回していた。



つづく



miu