共鳴のその後のお話、ラストです。
BL要素を含みますので、苦手な方はご遠慮下さいね。

カズヒコと翔さんのお話ですので、磁石orやまたろ に置き換えてお楽しみ下さいませ♡










翔ちゃんの唇が欲しくて 躰を捻ると
腰に…何か冷たいものが 当たった。


あれ?  翔ちゃんのスマホ…。

そういえば、見たかな…?


「ね、翔ちゃん。LINEきてない?」

「は?」


不思議そうに スマホの電源を入れると、目を見開いた。

画面をスクロールして
チェックする。


「…カズヒコ?
さっきの写真、大野さんに送ったの?」

「 ?うん。翔ちゃんのスマホに大野さん 登録してあったから」

「何も、よりによって…大野さんに送らなくても」

「だって…大野さんに見せたかったんだもん。オレと翔ちゃんの ラブラブな姿♡」


本当は、翔ちゃんの『これから初めて』って 誤字メールを笑ってた二人に ”それは 間違ってないんだ” って事を教えたくて。

…正確には、翔ちゃんは焦って打ち間違えたけど。オレ的には  決して間違ってない。


大野さんに送ったLINEには

『これから”初めて”するよ~♡
そっちも頑張って!

カズヒコv(^-^)v 』

の文字と、キスの写真。


…かずのスマホだと、抹殺されて 大野さんの目には触れない可能性の方が高いしね?


「…見る?」

翔ちゃんが 溜息を吐きながら
スマホを寄越した。


『こら!カズっぽい顔で チューすんな』

『?ちょっと待て』

『初めてって、何だ?』

『何してんだ?』

『おい!変なことすんなよ』


…かず 本人だけでなく
同じ顔のオレにも矛先が向くワケ?


「かずっぽい顔って…失礼だよね。
双子なんだから しょうがないじゃん!ね? 翔ちゃん!」

「カズヒコがあんな写真送るから。
わざわざ大野さん煽らなくてもさ…」

「… まさか、翔ちゃんは大野さんに妬いたり…しないよね?」

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「………」


あ。黙っちゃった。


「…大野さんに妬くってのとは 違うけど。

たまに、一瞬…お前が、自分じゃない…大野さんの隣にいるような 錯覚に陥ることがあるんだ。
ちゃんと カズヒコと ニノの見分けだってつくし、大野さんの隣にいるのは ニノの方だって…分かってるけど、な…」


笑ってるけど。

その笑顔は、少し…寂しげで。


「…翔ちゃん…
翔ちゃん、翔ちゃん…!」


伸ばした オレの手を 静かに受け入いれ
抱きしめてくれる。

たくさんの…
愛のシルシが付いた この躰。

オレの全部は 
翔ちゃんのもの。


でもね?

降ってきたキスも
背中に回った 力強い腕も

…たまにヘタレな所も。

翔ちゃんの全部だって…
オレだけのものだからね?


ちゅ、と

翔ちゃんの胸元に口付け、自分のシルシを刻む。



そうだ…
明日、髪を切って来ようかな。

かずと オレ。

ぱっと見…外見だけでも
重なる事が無いように。



髪を梳かれ、見上げると
優しく…唇が重なった。


これから積み上げていく
翔ちゃんとの 時間。

数え切れないほどの
”初めて” の 先には…
何が待っているんだろう。


かなり 遠回りしたオレ達だけど

一緒に、歩いて行こうね?


ずっと、ずっと…



終わり



2015.12.9  miu