末ズのお話…ですが、過去に戻ります。
流れとしては  9話の続き(OvO)









side : 王子




ゲホッ! ゴホッ…

…苦しくて  胸が焼けつくように 熱い。


激しく咳き込み 薄っすらと目を開けると

薄茶色の澄んだ瞳が
俺を心配そうに、覗き込んでいた。

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その肌は 透き通るほど白く
磁器のように滑らかで…

頬は 桜貝をのせたように
ほんのりと 紅い。


(うわ…キレイだな…)

今まで出会った
どこの国の姫よりも愛らしくて 美しくて


これは天使…?

俺の魂を 迎えに来たのか?


嵐の中、俺は海に投げ出され…
闇の彼方へと沈んだ筈。


それが今

こうして… 天使に見守られながら
海辺で  波に揺られている。



力の入らない手を、彼女の頬に 伸ばそうとしてみたけれど…届かなかった。

俺の手の動きに
ビクっと 一瞬 たじろぎ、見つめる。


「あり、が…と…」

絞り出すように そう告げると

そっと…俺の手を取り
安心したように 微笑んだ。


「……」


彼女が 何かを言いかけた、その時
ザワザワと 人の声がした。


その 気配に驚き、俺の手を離した彼女は
数回 振り返りながら…
海の彼方へと消えていった。


空ではなく海へ…?
海に住む天使ってのも 居るのかな。

それとも、これは やっぱり…夢?



俺は 再び  意識を手放した。






気付いた時には
俺は…ベッドの上だった。


海辺で倒れていた所を発見されて
城へと 運ばれたらしい。

自分でも 死んだと思ったのに…

…結構 しぶといな。笑


眠っている間に
幸せな夢を見ていた気がするのに…

どんな夢だったのかすら思い出せない。


忘れちゃいけない

そう 思うのに


日が経つにつれ
その記憶は 色濃く塗り潰されて…
深い海の底へ沈んでいった。


あれから、時折 海辺を訪れる。


波の音を聞きながら
水平線と空との境目を 眺めていた。


「ここから見れば 繋がっているのに。
空と海は、決して交わること無いんだよな…」


王子としての人生に 不満なんて 無い。


来月に迫った、顔も知らない 隣国の姫との結婚も …元々 決まっていたこと。


食べる物に困らず

贅沢な着物を着て

大勢の臣下に 傅かれながら
何の不自由もなく 生きてきた。


だけど…死の淵から還って

自分が 何のために生きているのか
その意味を 考えずにはいられなかった。



つづく


*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

やっと 週末♡ 今週は 疲れたなぁ。

ドームツアーの申し込みも始まったし
(まだ申し込みしてないけど。笑)

来週には DVD発売\(^o^)/

うふふっ…楽しみ♪


そして、今更ですが。
人魚姫のお話を元にしてますが、色々と設定は変えてます。
元のお話だと、王子は人魚姫に恋しないのよね。別の物語として読んで貰えたら…嬉しいな。

それでは〜  ヾ( ´ー`)


スイマセン。誤字を見つけて…直しました。
恥ずかしいっ!


miu