末ズのお話です。
軽くBL含みますので、ご注意ください。

今回、次回と重めです。
お名前をお借りした ファンタジーとして書いてますが、この手の話 苦手な方は無理に読まないでね…(´-ω-`) 











side : N




……海が近い



電車に揺られて
ウトウトと していたようで

水の薫りに 気付いたオレは

潤の肩に預けていた頭を 
ゆっくりと 持ち上げた。


正面の車窓から見える 街並み。

流れゆく 建物の切れ間に

チラチラと 青い…景色が
見え隠れしていた。



優しくて… 懐かしい 色。



…心の奥に 温かい気持ちが 込み上げる。

生まれ育った海とは 違うけど

ココが…
故郷であることに間違いない。



ねぇ、帰ってきたよ?


もうさ、最期だから
アナタも出ておいで?


オレの中で ずっと 眠ったままの…


悲しいお姫様に 語りかけた。






小さな 改札を抜ける。


潮風に吹かれながら
潤と二人  手を繋いで 海へと歩いた。


雲の切れ間から
時折  薄日が差し込んで

水面が キラキラと 輝いている。


{9D8D2CCE-ACCF-43B9-A175-C99CFD4670F6}





砂浜


潮の香り






………ただいま。




頬を伝う涙は  次々と溢れ
止めることができなかった。






と 同時に 悲しい記憶が
色濃く フラッシュバックする。




王子の隣で  勝ち誇ったように笑う 
隣国の姫

ワタシから顔を背け  
苦悩の表情を隠す… 王子

王子を殺すため 手渡されたナイフ

手に感じる、その 重み



ババ様の声が響く

『王子を そのナイフで刺すんだよ。
…そうすればお前は再び人魚に戻れる。

さあ、何を悩むことがある?』




右手の冷たい 感覚。

視線をやると
あの時と同じ ナイフが 握られていた。



あ…




怖い

怖い 怖い…

怖い 怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!




「ニノ…どうした?」


!!?

心配そうに … 潤が覗き込む。


「スゲェ 震えてる…寒いのか?」


潤の温かい胸に 抱き寄せられたけど
震えは止まらなかった。


オレは…





冷たい右手を 背中に回した。





つづく




miu



昨日の限定が 喰われてない事に本人ビックリ。
前回 消されて、今回 大丈夫な理由って?!笑

末ズばっかでゴメンね〜(^▽^;)