素敵な企画をしてくださった

大宮食堂さま 
りみたん*さま

感謝♡ですm(_ _)m




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Summer  Splash!

きらめきの夏♪







「ねー  ニノ、行こうよっ!」

グイッと手を引きながら
まーくんが オレの顔を覗き込む。


「やだよ、暑いし めんどくさいし…
オレんちで良いじゃん。夏休みなんて、ゲームでもしてようよ」

「そんなの、いつも通りじゃんっ!
海で めいっぱい汗かいてさ。
気持ち良いよ? たまには太陽の下で若者らしく遊ぼうって!」


オレの返事など聞いていないかのように、手に持った浮き輪を膨らまし始めた幼馴染は、太陽のような笑顔でそう言った。

背中合わせに座ると、フンフンと鼻歌まで 歌い始める。

そんなこと言ったって…
昔から夏が苦手なことは、まーくんだって 知ってるじゃない。

太陽とか海って オレには似合わないし。


「遠慮しておきます…」

「…ニノ、行かないの?
じゃあ、松潤と二人で行くけど…」

「はぁ?なんでさ!潤くんとか聞いてないし」

「…あれ?言ってなかった?」


松潤っていうのは まーくんの高校からの友達で、何度か会ったから オレも顔見知りではある。まーくんの友達だけど…オレの知らないところで二人が会うというのは、正直 面白くなかった。

オレたちは幼馴染で…幼稚園から中学まで、何をするのもずっと一緒。
高校こそ 別々になってしまったけど、相変わらず互いの家を行き来している。

昔からまーくんが大好きなオレ。

でも、長いこと一緒に居すぎたせいか…
熟年夫婦のような 安定感で。
今では、完全に告白する機会を逸してしまっていた。


…それにしても。
まーくんを狙ってるんじゃないかと心配していたら、案の定。

夏の解放感?
アバンチュール?

これでオレが断れば、二人きりで海に行くことになる。

海なんて、ほぼほぼハダカ。
パンツ一枚でウロウロしてんのと同じで…
オイルを塗ってやる  とか言って、まーくんの身体に触ろうって魂胆がミエミエだ。 

それで、夏の浮かれた雰囲気に流されてのキス…とか!!
絶対そうに違いない。


「…オレも行く!」

不本意だけど、仕方ない。


「本当?!やったー!
あ、じゃあ…連絡しておくねっ」


まーくんの嬉しそうな声が、部屋に響いていた。






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ギラギラと 真夏の太陽が照りつける。

見れば、すでに準備万端と ばかり
水着に着替えている まーくん。


均整のとれた身体
サラサラの綺麗な髪
弾けるような笑顔…

眩しくて 思わず目を細めた。


「…潤くんは?
直で合流すんじゃないの?」

「それがね…来れなくなったって」

斜め上に 泳いだような 視線を投げる。

…ん?


「…へぇ、そうなんだ」

「せっかく ニノも来る気になったのに…
ゴメンね?」「それは…別に…全然良いよ!」

食い気味に そう言った。
オレとしては、まーくんと二人が良いに決まってる。


「うん。ニノ、ありがと!」

腕の中に抱きしめられ、心臓がドキンと跳ね上がった。ちょっと汗ばんだ二人の身体が 密着し、気温とともに 体温も上がる。

…オレに抱きつき、無邪気に喜んでいる まーくんを見ると、何だか 自分まで テンションが上がってきた。
こんなに喜ぶなら、最初から 素直に来れば良かったかな。

それに…ココまで来たんだから 
楽しまないと損、だよね?

オレ、夏は好きじゃないけど…太陽の下でキラキラ輝いてるまーくんを見るのは 大好き。


「せっかく海に来たんだもんね。泳ごうか」


夏らしい ミントグリーンの浮き輪を取ると、その手を握り、テントから一歩 足を踏み出そうとして、引っ張られた。

勢いで…まーくんの胸の中へと倒れこみ
そのまま ギュっと抱きしめられる。


「ダメだよ!  ニノは肌が弱いんだもん。
真っ赤になっちゃうでしょ?
ちゃんと 日焼け止め塗らなきゃ…」

「え?  う、うん…」


白い 液体を手のひらに のせると、熱を持ったオレの身体に 滑らせた。

首筋   肩   背中   胸…

太腿の内側まで
全身に触れる、まーくんの大きな手。

くすぐったくて  恥ずかしくて 
…顔が上げられなかった。


「ね、気持ち良い?」

「ん…」

「…オレにも塗ってくれる?」


オレの手には 日焼け止めではなく、サンオイルが乗せられた。
今でも充分 健康的でカッコいいけど、日に焼けた まーくんを想像するとドキドキが止まらない。

サラサラなオイルを手に取り、広い…その 背中に 触れた。
ゆっくりと全身に 伸ばしていく。

その 綺麗な躰に 見惚れて…

ジリジリと焦がされる オレの胸。
ボーッとして、目の前の まーくんしか見えなくなる。
太陽のせい?  それとも…


引き寄せられるように
その背中に口づけた。


「ニノ?」

「/////  …ゴメンっ」


慌てて身体を離す。
真っ赤な顔を隠すように、オレは太陽の下へと 走り出した。

でも、直ぐに 追いつかれ

波打ち際、バシャバシャと 水しぶきをあげながら、縺れ込むように海に飛び込んだ。


フフッ…
ウヒャヒャ!

顔を見合わせ、声を上げて笑う。


…抜けるような 青い空と白い雲。

飛び散る、汗。


超ーーハイテンションで、無駄に走り回り
子供のように はしゃぐオレたち。

めいっぱい 遊んで、食って
また騒いで…

全力で 夏の日を楽しんでいた。








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少し傾きかけた陽が 
オレたちの背中を 押している。

心地よい潮風に 頬を撫でられながら 
海岸線を二人で歩いていた。

空も海も
柔らかな オレンジ色のグラデーションに
ゆっくりと沈んでいく。

夢のような時間は 終わりを告げ

咲き誇っていた真夏のヒマワリも
その影を落としていた。

いつも通りの日常に
オレたちは 一歩ずつ 近づく。


このまま 家に帰ったら
また、幼馴染にもどるのかな。

いつか…

まーくんの隣には オレじゃない
別の誰かが居て

それを、受け入れる…
そんな日が くるとしたら。


…もう、動けなかった。


「…ニノ、疲れた?
え、何?! 何で泣いてるの?」


オレが立ち止まったことに気づいた まーくんが、慌てて走り寄って来る。
涙で…ぐにゃりと顔が歪んだ。

頬を撫でる  その手を振り解く。


好きなんだ。
キミが、好き。


…ごめん、オレを見ないでよ。
本当はこの場を走り去ってしまいたいのに、足が動かない。

進む勇気が 無いのに
だけど、後戻りすることも出来ず

オレは…



「ニノ。
怒らないで 聞いてくれる?」

顔を上げた まーくんに
ギュっと…抱きしめられ

お日さまみたいな  優しい香りに包まれる。


「あの…さ。
今日 本当は、松潤… 誘ってなかったんだ」

「…え?」

「 二人で来たかったから」


そして、耳元で囁かれる 言葉…

” ニノが 好きだよ  ”


一秒ごとに、オレンジが 濃くなる空の色。


道路に伸びていた影が
ゆっくりと 一つに重なった。



終わり

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

切るに切れなくて。
詰め込んだら 少し長くなってしまいました。

聞こえる、聞こえる。
「miuって、エロくない話も書くんだー」

…たまには書くよ( ̄∀ ̄)笑


夏歌もね…
もう、海しか思い浮かばないという
貧相な私の妄想力に 脱帽。笑

結果、ど定番の歌のチョイスとなりました。
私のイメージした情景が  皆さまに伝わると良いな♡


最後まで読んでくれて、ありがとう♪

では。


miu