つづきです














「ンッ…」


ゆっくりと差し込まれた 先生の指先が、下腹の奥…
オレの体内を満たしていた濁を掻き出す。

すっかり中が綺麗になると、シャワーで全身を洗い流されて湯船に浸かった。
沈むふたり分の体積は、張ったばかりの湯をザーッという音とともに押し流していく。

それは…

今まで胸の奥に 閉じ込めていた 不安や寂しさが
溶け出し、湯と一緒に流れ落ちていくようだった。


先生の顔を見たくて…
小さく身体を丸めて、向かい合わせに座った。


「先生」

「うん?」

「…好き」

「おれも愛してるけど…」


でも
と 付け加えられた言葉に 何か含むものを感じ、オレは顔を上げた。


「また先生に戻ってるし 笑」

「あ…」

「智、だろ?」


そういえば。
この腕に抱かれている間ずっと…先生と呼んでいた気がする。
///だってしょうがないじゃない。オレも夢中だったのよ。呼び方を直す余裕がなかったのは、ある意味…先生の所為でもあるんだからね?
…と、少しばかり抗議の視線を向けてみようかとも思ったけど、やめた。
だって先生の目が期待に満ちてるんだもの。
そんなに名前で呼んで欲しいの?
すぅ、と息を吸い込んだ。


「////// えっと…さ、とし」


そう名を呼ぶと、智はふにゃりと笑い 目尻を下げた。
…それは、今まで教室で見せていた表情とも少し違くて。
なんていうか…可愛くすらある///

ふたりの年齢差は決して縮まることは無いけど、こんなにも近く感じるのは、今、目の前にいる智が"先生"じゃないから。

オレの。
オレだけの智。

濡れた前髪を指先で遊び、吸い寄せられるように近づいた。
両手で頬を挟み、キスを落とす。


「智、智…愛してる」

「和也…」


背中に回された手が、強くオレの躰を抱きしめる。股間当たっている智のモノが力を取り戻していることに気づいて…


「智の、元気だね」

「…おれのせいじゃない」

「え、待って。オレのせい?!」


ぷっ
クスクス

ふたり、顔を見合わせて笑った。


オレはゆっくりと腰を落としていく。


「ハァ…アッ…ん」


ぱちゃ、ぱちゃん

金魚が跳ねるように 水面を揺らす。


そして、夢中になって腰を振り、求め続けたオレは…

いつのまにか、智の腕の中で
意識を手放していた。





つづく




miu