ONE DAY第2話まで放送されましたね( ・∇・)
お話に張り巡らされた伏線は、これから繋がっていくのだと思いますが…

今のところ

逃亡編と地方テレビ局編
地方テレビ局編集とレストラン編

それぞれはなんとなく接点がありそうですが、逃亡編とレストラン編は?( ・∇・)?な感じ。
最初のあれだけ?

ってことで…
私の妄想がふつふつと湧き上がる。笑


勝手に最終回のその後をお届けします( ・∇・)

(2話までの多少のネタバレがありますが、それ以外は全くの妄想です。ご了承くださる方だけお楽しみください♡)

クリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリー






長い長いクリスマスが終わった。

複雑に絡み合った糸が解け
この聖夜に起こった事件は無事解決した。

静かな日常が戻ってきたのだが…
 
それでも戻らないものがあるのだ。

俺のこぼしてしまったデミグラスソース。
先代から継ぎ足しながらお客さまに提供してきた、大切な宝物。
それが、あの夜、ほんのちょっとバランスを崩したせいでダメにしてしまった。
絶対大丈夫だと思ったんだけどなぁ。
そういえば娘の運動会で親子リレーに出た時も、足がもつれて転んだっけ。
理想と現実。
もう若くないということなのかもしれない。

「はぁ…」

最終的にクリスマスディナーは、ホワイトソースに切り替えて料理を提供し何とか乗り切った。
予約客には店に泥棒が侵入したことを伝えると、同情の言葉をいただき、急なメニュー変更にも概ね応じていただけたことは大変ありがたい。

ただ…
これまで長い年月をかけ、育ててきたデミグラスソースは、一朝一夕でどうにかなるものではない。
この店の看板商品でもある。
納得できるものができるまでは、暫く店を閉めることになるだろう。

俺は空っぽになった寸胴に視線を投げた。


カタン

ドアの開く音に、驚いて振り返った。
そのシルエットにあの日の記憶が蘇る。

不思議なものだ。まだ一日しか経っていないのに、三ヶ月も前のような気さえするのは何故だろう。


「こんばんは」

「あ、あなたは…」


目の前にいたのは、今回の騒ぎの元凶 勝呂寺誠司。お前のせいで…と言いかけたが、みんなの言うとおり寸胴を倒したのは自分。
彼は華麗な体捌きで、軽々と寸胴を飛び越えたのだ。
そう考えると…
やはり、文句を言うのは筋違いというものだろう。
それでも面白くない。
ため息混じりに言い放つ。


「何の御用ですか?」

「あの、デミグラスソースをダメにしてしまったと聞きまして…」

「あぁ。それは良いんです。あなたが倒した訳じゃないですからね。自分が倒したんです」

「でも、あの時オレがこの店に入っていなければ…」


それはそう。
本当にそう。
どうしてくれるんだよ。
思い出したら腹が立ってきて、勝呂寺誠司の胸ぐらを掴んで…
いや、掴もうとしたが、ひらりと躱されてしまい、行き場のない手を腰にあてた。


「もう良いですよ。謝られても、もうどうにも…」

「いえ、あの…
実はオレ、特技がありまして。ちょっと厨房をお借りしても?」


シェフにとって厨房は戦場。
本来であれば部外者を中に入れることなど無いのだが、どうせ暫くは店を閉めるのだという想いが、自暴自棄にさせた。


「どうぞ?勝手にしてくださいよ」

「では、失礼して」



どこから取り出したのか、彼は真っ白く洗い上げられたコックコートを見に纏い、調理道具を取り出した。驚いたのは、どれもプロが使うようなものばかり。
呆気に取られていると、彼はものすごい手捌きで料理を始めた。

…すごい
これは素人ではない。

何度目かの味見の後、うん と頷き、勝呂寺誠司は深い茶色をしたソースらしきものを俺の前に差し出した。


「確認してください。この店のデミグラスソースの味になっているはずです」

「は?まさか。あのソースは先代から継ぎ足して作り続けているものなんだ。お前にその味が出せる訳が無いだろう!」

「オレは、絶対味覚…
一度食べた味を完璧に記憶し、再現できる麒麟の舌を持っているんです。実はこの店にも来たことがある。だから知ってるんです。この店のデミグラスソースの味を」

「何を…そんないい加減なことを!」

「これは、ご迷惑をかけたお詫びです。お気に召さなければ捨ててください」


そう言うと、勝呂寺誠司は静かに去っていった。


まさか。
しかもこんな短時間で。

作れるはずがないと思いながらも、漂う芳醇な香りに、ソースが注がれた皿を手に取った。
鼻を近づける。

香りは完璧。
いやいや、香りだけなら!

スプーンですくい、舌の上にのせると
先代の顔が頭に浮かんだ。


「これは…このソースは!」


間違いない。
ずっと守り続けてきたデミグラスソースだ。


慌ててドアを開け、外に出てみたが
もう…彼の姿はどこに無かった。


「一日遅れのサンタクロースだったのか…?」


見上げれば
ひと筋の流れ星が…夜空を横切っていった。







実は、勝呂寺誠司という人間は
いくつもの名を持っていて

その中の一つが、天才料理人と名高い 佐々木充 だと知ったのは、ずっと後のことだった。




おわり笑


こんな展開には…ならないよね笑( ・∇・)
お目汚し失礼しましたー笑笑


miu