{5E00D79E-8EF4-4287-86A2-D02E19629C05}「デュラララ‼︎ 結」全12話。というかコレでシリーズ完結なので、それまでの48話を加えた全60話の感想にもなってしまうけれど。
取り敢えずもう作品概要とかは省きますけどね。キタコレ!でしたよ。深夜枠で60話⁉︎という一本気を通す価値のあった、なんとも味わい深い作品でした。

5クールという長尺は伊達でなく、そこに登場してきたキャラクターの多さと言ったらパッと30人ほどが即浮かぶ。けれどこの一人一人がストーリーの「歯車」なのでは無くて、それぞれが主役としての物語をクロスオーバーさせた点が珠玉。キャラクターへのスポットライトの当て方によって、いくらでも違う作品に成り得るだろうという作り込みが素晴らしかった。
そんな濃厚な設定を自分の中でどう理解し位置付けておくのがベターであるのか困惑しながらシリーズに付き合ってきたが、エンディングでは実にシンプルなテーマが見えて安堵。それってヒトコトで言えば「情」かね。愛情、友情‥その逆のネガティヴなのも含めて、「情」が作品の核だったのだと感じた。イザヤ推しだった感化主観からは「人」がテーマかもと早とちりしたが、セルティアンリちゃんなどの人外を筆頭に続いたシズオなど「人間離れした人」が居たからこそ、テーマはもっと雄大且つシンプルなんだろうという結論へ行き着いた。

キャラクターの会話以外でも「セリフ」の多かった作品だが、それはきっと原作を忠実になぞったものだろう。そんな文章や単語のチョイスが気持ち良く、まず原作者のセンスには好感が高かった。またそれを視覚化へ落とし込んだ監督以下アニメーションスタッフの皆さんへもまた、同等の敬意を払いたくなったもの。ずうっと緊張感を溜めてきて、最後の最後に「ふわっ」と抜けて得られたこの感覚。実に爽快だった。

85点!褒めまくったようだが満点に満たなかった15点分は何かと言えば、「緻密過ぎた」という事かな。本当に良いアニメというのは作品から勝手にアナザーストーリーのイメージが膨らむもので、それってキャラクターであったり雰囲気であったりが確立していれば成立する。しかし「デュラララ‼︎」は細部にまで渡り完成度が高過ぎたが故、妄想を入り込ませる余地に乏し過ぎた。
「パンチラ」はロマンだが「マンチラ」は過剰サービスだということ。「デュラララ‼︎」に満点を付けるファンがいるなら、そいつはきっと実写ドラマの方が向いている。