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「ハイスクール・フリート」全12話、観ました。うん、この作品は一つ勉強になったな。

女子専海上自衛隊的ポジの「ブルーマーメイド」に憧れて入校した少女たちだったが、実習で出港してから異変が勃発。状況もわからぬままに襲い来る敵。大海原で孤立した少女らと彼女たちを乗せた「春風」は、困難を乗り越えやがて‥。

開始数話でとりあえずつまんねえなあという感想を抱いたが、全話終了してその答えが出た。分析するほどに、「少女」たちの存在意義が分からなかったんだ。

まずストーリーがガチの軍事路線だったから、女の子の可愛さに浸るべき日常パートが楽しくない。なんだか状況は分からないけど、「取り敢えず」なんつって水着になられても。根本的な不安が渦巻いているから、全然生温かい視線を送れない。またなまじ気合いの入ったCGの戦艦バトルも、女の子要素が邪魔をし緊張感を欠く結果にもなっていた。「戦場」は血が流れるから怖くて尊いものなんだ。そんな画が少女とはアンバランスだと思っちゃったのかな?「死」を覚悟した精神的な葛藤シーンに臨場感を得なかったのは、肉体的なダメージ描写が無かったからですよ。変な部分で女の子たちを擁護するんならさ、そもそも軍艦なんかに乗せるなよと憤りすら感じたもん。

もっとやり方はあったと思うんだよなあ。例えばまずは早々に彼女らの行動を宿命付けるとか。戦禍に巻き込まれることも納得していれば、「それはそれ」で魅せることができたキャラの魅力は多かったはず。また軍艦に人工知能を搭載し、クルーたちとコミュニケーションを交わせるというようなSFを入れるだけでも良かったと思う。不安だらけで取るべき行動の指針を曇らせたいなら、いっそ現実離れを強化する要素を強めたら良かったんだ。兎に角現実としても非現実としてもリアリティが無いから、「女の子」たちが起用された理由がサッパリ。いっそキャラが全員男だった方が、方向性は変われどドラマとしてはリアリティや爽快感に直結したはず。

同系作品「艦これ」は、「そういう設定!」という基本があったから、「なぜ女の子?」なんて疑問を抱く隙間も無かった。「ガルパン」は「スポーツ」だったから、戦車という兵器すら可愛くしてしまった女の子で無ければ成立しなかった。カオスという点では「がっこうぐらし」の方が秀でていて、「取り敢えず生き抜く」というボンヤリ目標すら絶対的な説得力があった。「はいふり」はそのどれもが中途半端だったというか、納得できず終いだったなあ。

脚本&構成が吉田玲子さん。音楽は小森茂雄さんが担当ということで、『けいおん!』厨としても期待していたんだけど。残念極まりないものだった。50点。