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「うしおととら」変則3クールで全39話、観終わりました。

ある日自宅倉庫でバケモノとらと出会った少年。バケモノキラーの「獣の槍」を携えたとらが、怨敵白面の者を倒すべく旅に出る。
しつこいようだがこの「うしとら」は、俺の中で漫画の最高傑作なので。そのアニメ化にはウキウキ以上に不安が勝って臨んだけど、結果は想像以上にガッカリだった。

まず一番はカットされたエピソードの多さ。「うしとら」は白面との最終決戦が最大の見どころだけど、その演出を輝かせるのはキャラクターたちで。旅で出会ってきた人やバケモノが集う様がグランドフィナーレを盛り上げまくるんだけど、そんなキャラクターたちの存在が多分にカットされていれば、そりゃあそれだけマイナス要因になりますわな。ほんの1カットだけ比べてみても、原作の神シーン
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の感動半減。
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「ブランコをこいだ日」は「うしとら」でも屈指のエピソードだが、全カット。お陰で登場の機会を得なかったさとりとか、徳野さんも削られたのにシュムナは出たり。
凶羅設楽ちゃんもカムイコタンの皆も完封されたことの違和感が凄くて、「あれ?」って最終決戦に集中できなかったわ。

次に日常パートの少なさ。これも割愛パッシングになるけど、原作の「うしとら」は巻末の四コマも珠玉の面白さだったのに一切触れず。運命に翻弄されるの息を吐く暇もない怒涛のストーリーは、ああいうユーモアがあって更に輝きを増すと思うんだけどなあ。「ヒーローババーン」とか「ジェットサンダーラーメン」とか、原作ファンへのサービス精神が少なすぎたんじゃね?

あとは作画。これは致命的で、アニメ化そのものを否定することにもなるよなあ。特に戦闘シーンで感じたけど、動くアニメーションの方が漫画よりスピード感が無いってどういうことよ!静止画なんかもっと酷くて、特にキャラクターが泣く表情はお粗末。最終戦で十郎の亡霊が出てきた時のかがりの表情なんかパーティ中に思い出してもつられ泣きしちゃうほど素晴らしかったのに、アニメ版では全く再現できていなかった。全体的に女の子があんまり可愛く描けてなかったよ。

あとはEDテーマに感じた微妙さとか細かいところもあるけど、総じて原作ファンとしては「無し」だった。せめて4クールやってたらだいぶマシだったろうけど。原作を知らない人は楽しんでいた評も散見されたので、そこは大きな分岐点だったと思う。70点だな。