生まれながらにして超幸運を授かった主人公市子は、実は周囲の幸運すら吸収する体質だったりも。それでは世界の幸運バランスが崩壊すると市子の「幸運エナジー」を回収に来た貧乏神と織り成す、SFハイテンションギャグアニメ。
これは一言で表すなら、緩急がエグい！
肝心のギャグパートについては、原作ブランドに倣い「ジャンプ」ネタ、というかパクリ演出が多過ぎて鬱。ストレートに「つまんねえ」及び「寒い」という3流のテクニックに満ちていたが、一方ジーンとさせるハートウォーミングなシーンは上手かったのよね。本来その二つのクォリティが高ければ良き相乗効果も狙えたのだろうが、いかんせんギャグパートの手抜きなのかセンスの無さなのかの御粗末加減が惜しかった。
主人公市子を演じた花澤香菜ちゃん。毎度この手のキャラに対しては感じるんだけど、超勿体無い。放送時の2012年の段階で演技力は他のキャストさんと比べてもピカイチなのに、やはりその声質からキメ場とも言うべき「がなる」部分で残念を感じる。高い演技力でカバーしているからこそキャラも成立しているのだが、あのフェアリーボイスの罵詈雑言には、漏れなく違和感を伴うと言うか。今作はそんな「がなる」ギャグパートが痛くもあったので、一際際立ってしまったのかもね。
ざっくりと。この原作者って構成は上手いけど、演出が下手だったと言えば適当かも。あんな少年誌ネタで攻めるなら、主人公チームは男子キャラを置いた方が絶対に面白かった。アニメ制作のサンライズの得意ジャンルを考えても、「チャレンジ作品」以上の印象は無かったねえ。
とは言えしばしば泣かされたりもしたので、作品として一番重要だと思っている「何かを伝えたい」という創り手のソウルは賞賛したくもあって。応援したいからこその苦言ばかりになってしまい、申し訳ありません。
75点！