コーヒーが好き。
以前は断然、お煎茶、紅茶派。
出産をしてからというもの、2~3時間おきの授乳、連日の夜泣きなど慣れない育児のストレスか、嗜好がすっかり変わってしまった。
ストレスは知らず知らずのうちに、思考を狂わせる。
コーヒーの香りを嗅ぐたび、溜息と共に嫌なことも吐き出される気がして生き返った。
コーヒーを頂きながら、大好きな読書をするのが今一番の楽しみ。
先日、外出先のカフェでのこと。
景色が見渡せる窓際の席に座る。
本をめくっていたら、視界に影が重なった。
ふと見るとその黒い影は動いた。
一匹の黒猫だった。
外のテラス席に溢れ落ちた肉、パンを食べていた。
何だか無性に泣きたくなる。
特別、コーヒーにこだわりがある訳でもなく、缶コーヒーでも、コンビニエンスストアのものでも、ファーストフードのものでも美味しく頂く。
黒猫を前にして飲むコーヒー。
全く何でこんなにまずいのだろう、と思った。
黒猫2匹の里親になったのは子供たちの希望で、元々黒猫に対し、私は特に思い入れもなかった。
今、ご近所や私がTNRをしている猫屋敷のおばあちゃんちには黒猫はいない。
TNRの際、病院に夜18時にお迎えに行った時、積み重ねられた捕獲器に一匹の黒猫がいて、目が合った。
やはりその時も涙が込み上げ、ぐっとこらえた。
我が家の黒猫と重なって重なってしまったのだろう。
ここにいる仔は、手術後に不妊手術の証として、耳をサクラカットされ、サクラ猫として一代限りの命を全うするべく、リリースされる。
一方、猫を放つボランティアさんは、ひたすらその仔の幸せを願いながら扉を開ける。
この仔たちは、人に見守られ、手を差し伸べられ、幸せであると信じたい。
どんな高級な食事も、どんなリーズナブルな食事も、その時々の環境と、人により大きく影響される。
大好きな人とおしゃべりしながら、山の頂上で食べるカップラーメンやおにぎりは最高に美味しいだろうし、反対に高級な食事も、気分が落ち込んで
いたり、悲しみを背負っていたら美味しいとは思えないだろうから。
目の前の痩せこけた黒猫は、なおも地面に落ちている食べかすを、砂、ゴミ混じりのまま口に入れていた。
コーヒーどころか、ランチも不味くなり、残してしまった。
隣の方に気づかれぬよう、顔を両手で覆いながら静かに泣いた。
あなたは生まれてきて幸せだった?
シッシッと追い払われながら、空腹で、
暖かな寝床もなくて、本当に幸せ?
私には言えない。
野良猫が可愛いだなんて。
気楽で自由でいいな、、なんて。
決して言えないんだ。
気分の晴れぬまま、数日。
お花屋さんでミモザを見かけた。
もう春なんだな、、とちょっぴり救われる。
ミモザのリースを作った。
あらあら、フランソワさん、、
狙ってます
ヒヤシンスも購入した。
何色かな?
フランソワ、チョコも元は外で暮らしていた仔。
センターで窒息、殺処分される運命だった仔。
君たちは幸せ?