東スポプロレス大賞を思考 其の②ベストバウト | まつすぐな道でさみしい (改)

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ピーテル・パウル・ルーベンス作 1634年

 私が子供の頃に教わった世界史では、B.C.=Before Christ(紀元前)A.D.=Anno Domini(紀元後)で時代は大きく分けて語られていたのだが、この先10年、20年経った後の世界史では、B.C.= Before Corona(コロナ前)A.C.= After Corona(コロナ後)とで、全く別の世界として語られるのではないだろうか?




 そのように考えれば、賛否の分かれた本年度のMVP受賞者と殊勲賞受賞の男が残したこの2つの試合は、2020年という同じ年に開催されながらも全く別の時代に行われた試合という、まるでパラレルワールドのような世界観の中に有り、どちらが上だとか並列に対比出来るものでは無い。






 どうも最近、新日の試合を見ていると、なんだか全日っぽいなと感じる瞬間がある。


 内藤哲也や棚橋弘至の相手の技をしっかり受けてという丁寧な戦いぶりには好感が持てる一方、そのむかし四天王プロレスを見てチョットやり過ぎじゃ無いの? と不安を覚えた感覚を思い出す。


 私が子供の頃、既にジャイアント馬場はレスラーとしての盛りを過ぎ斜陽傾向にあったのだが、そんな馬場にアントニオ猪木は再三対戦を迫り『やれば必ず勝てる!馬場は対戦を避けて逃げ回っている』と、挑発を繰り返していた。


 当時の私は子供心に『馬場は逃げ回っちゃってずり〜な!』なんて思っていたのだが、大人になって調べてみると、猪木は馬場にシングルマッチで一度も勝ったことがないらしい。


 絶対的に優位な立場にある馬場が悠然と受け流し、ブレないプロレスを守っていてくれていたからこそ猪木が好き勝手に非常識な仕掛けを繰り出せていたという、要するに追い掛ける者の勢いがあったのだ。


 そんな馬場の流れを汲むNOAHは、私から見るとどちらかというと優等生的で退屈な団体というイメージだった。


 しかし時代はまわり、国内一強の様相を呈して来た新日本プロレスがかつてのジャイアント馬場のポジションにあり、現在のNOAHには追う者の勢いがある。

 現時点では随分と差が開いてしまっているが、コロナ禍という逆境をバネにかつての2大メジャーに返り咲いて欲しいと切に願っている。










【ジャイアント馬場対アントニオ猪木シングルマッチ全成績


1961年(昭和36年)

馬場23歳、猪木18

1:525日 富山市立体育館

◯馬場正平 [1030秒羽交い締め(フルネルソン)] 猪木寛至

2:527日 岐阜市民センター 

◯馬場正平 [530秒逆エビ固め] 猪木寛至


3:610日 徳島市民会館

◯馬場正平 [950秒エビ固め] 猪木寛至


4:616日 八幡市黒崎安用体育館

◯馬場正平 [85秒エビ固め] 猪木寛至


5:620日 別府市市民温泉プール

◯馬場正平 [919秒エビ固め] 猪木寛至


6:628日 大阪府立体育館

◯馬場正平 [1117秒エビ固め] 猪木寛至


1963年(昭和38年)

7:425日 豊岡市総合グラウンド

◯ジャイアント馬場 [123秒体固め] アントニオ猪木


8:719日 リキ・スポーツパレス

◯ジャイアント馬場 [1721秒体固め] アントニオ猪木

9:728日 静岡・三島大社境内

◯ジャイアント馬場 [三本勝負21] アントニオ猪木

1)馬場 [126秒体固め]

2)猪木 [218秒体固め]

3)馬場 [248秒体固め]


10:83日 大阪府岸和田市港市場

◯ジャイアント馬場 [三本勝負21] アントニオ猪木

1)馬場 [1027秒体固め]

2)猪木 [515秒体固め]

3)馬場 [122秒体固め]


11:89日 東京・足立区体育館

◯ジャイアント馬場 [1026秒体固め] アントニオ猪木


12:816日 リキ・スポーツパレス

◯ジャイアント馬場 [三本勝負20] アントニオ猪木

1)馬場 [1145秒体固め]

2)馬場 [48秒体固め]


13:94日 愛知・刈谷市営球場

◯ジャイアント馬場 [三本勝負21] アントニオ猪木

1)馬場 [126秒体固め]

2)猪木 [218秒体固め]

3)馬場 [248秒体固め]


14:923日 秋田・大曲市営競技場

◯ジャイアント馬場 [145秒体固め] アントニオ猪木


15:928日 福島市県営体育館

◯ジャイアント馬場 [1155秒体固め] アントニオ猪木


16:102日 栃木・足利市月見ヶ岡体育館

◯ジャイアント馬場 [1200秒体固め] アントニオ猪木



16戦 ジャイアント馬場16160