2012年テレビゲームソフト売り上げTOP1000(ADV抜粋) | アドベンチャーゲーム研究処

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2012年テレビゲームソフト売り上げTOP1000(GEIMIN.NET)

ということで、今年もGEIMIN.NETさんでゲームソフト売り上げTOP1000が公開されたので
ADVのみ抜き出し何かしらのコメントをする例のアレを執り行います。

レイトン教授VS逆転裁判

3DS『レイトン教授VS逆転裁判』 初週:12万8856本(消化率42.22%) 年間累計:21万9454

絶対数が最も高かったのは『レイトン教授VS逆転裁判』だが、
周知の通り過剰出荷でAmazonなど店頭では既に2000円程度で取引されており、
作年末の時点でも安売りされていたことを考えると、
セール品として消化された割合はかなり高かったかと推察できる。
両シリーズの実績があったからこそ受注が取れているわけで、
このクロスオーバーはシリーズに悪影響があったんじゃないかなと
翌年発売された『超文明Aの遺産』の鈍い動きを見ていて思わんでもなし。

スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 (通常版)ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best

PSP『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』 初週:6万9000本(消化率75.60%) 年間累計:11万6650
PSP『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生(PSP the Best)』 年間販売数:3万8657本 累計:6万0078

昨年のADVでは最も成功したソフトであろう『スーパーダンガンロンパ2』だが、
数字としては初代『ダンガンロンパ』(累計11.5万本)とほぼ同等。
2013年はアニメ版が放送されるのでまだ伸びしろはあるものの、
前作の評価が直結する『2』ものなのでゲーム単体での需要の天井はここと思われ、
(PSP市場自体が斜陽だったのも考慮すべきだが)認知度は実売に結びつききっていない。
まあ逆に言えば門戸を開くためのアニメ化は十分アリとも言えるだろう。
むしろ、このスピード感で放送されるのはファインプレイなのかも。

リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産 特典:『リズム怪盗R』スペシャル・セレクションCD 付き

3DS『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』 初週:3万1598本(消化率71.13%) 年間累計:8万7233
3DS『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産(SEGA THE BEST)』 初週:1039本(消化率21.14%) 年間累計:5020

ジャンルとしてはADVではないが、売り方はADVだったので取り上げておこう。
3DSには新規作でも8.7万本を売る潜在需要があるんだから、
もっとADVを出そうと言うメーカーが出てきても良いんじゃないか。
みたいなことを書いても、どのメーカーも及び腰な現実は変わらない。

PSP『うたの☆プリンスさまっ♪Debut』 初週:6万1376本(消化率65.85%) 年間累計:8万3781
PSP『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat』 年間販売数:2万5199本 累計:12万8518
PSP『うたの☆プリンスさまっ♪MUSIC』 年間販売数:2万1195本 累計:8万2511

諸君、これが乙女ゲームのトップランナーだ。
まあ一発当たればボロいという意味では、美少女ゲームよりずっと優良なのかも。

PSP『僕は友達が少ない ぽーたぶる』 初週:5万6969本(消化率74.00%) 年間累計:7万6685
PSP『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない』 初週:5万3175本(消化率80.31%) 年間累計:7万3375
PSP『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 初週:7666本(消化率63.45%) 年間累計:9994
PSP『未来日記 13人目の日記所有者 RE:WRITE』 初週:2403本(消化率44.03%) 年間累計:4731

やっぱりこういうのはネタの鮮度で決まりますね。

ROBOTICS;NOTES (通常版)

PS3『ROBOTICS;NOTES』 初週:5万4753本(消化率86.73%) 年間累計:7万3998
XBOX360『ROBOTICS;NOTES』初週:1万4908本(消化率84.38%) 年間累計:1万6979

アニメと放送時期がズレ過ぎて恩恵はほぼなし。
際立つのは科学シリーズ躍進の切っ掛けとなったXBOX360市場で
出荷がかなり少なくセールスは初動に偏りまくっている点だが、
これは『Steins;Gate』当時にXBOX360で遊んでいたユーザーが
ほぼPS3版を選択したんだろうと想像すれば特に違和感はないか。


PSP『シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりん』 初週:2万4849本(消化率60.85%) 年間累計:4万0301
PSP『シュタインズ・ゲート』 年間販売数:4691本本(消化率60.85%) 累計:16万0617
PS3『シュタインズ・ゲート』 初週:3561本(消化率36.78%) 年間累計:1万2066
PS3『シュタインズ・ゲート ダブルパック』 初週:9223本(消化率77.38%) 年間累計:1万1661
PS3『シュタインズ・ゲート 比翼連理のだーりん』 初週:5397本(消化率59.69%) 年間累計:1万1312

移植(フルプライス)で8万本近くを売っている時点で
「ジャンル:シュタインズ・ゲート」が成立しているんじゃないでしょうか。
問題は上の数字からも解る通り科学ADVシリーズの次回作へバトンタッチできていない点で、
最新作の動向から見て『Steins;Gate』の客層も固定化が進んでいることを考えれば、
科学ADVシリーズの次回作の如何によってはちょっと苦しい展開になりそう。

タイムトラベラーズ

3DS『タイムトラベラーズ』 初週:9054本(消化率40.40%) 年間累計:2万2143
PSVita『タイムトラベラーズ』 初週:9332本(消化率57.67%) 年間累計:1万8957
PSP『タイムトラベラーズ』 初週:3155本(消化率23.85%) 年間累計:7547

PSP版が際立って酷いのは、やはり新ハードの特性を引き出したADVが求められたのであって
旧世代のハードで無理して遊びたいとは誰も思わなかった…という証明だろう。
ちなみ3DS・PSVita版はどちらも初回出荷分を売って終わりという感じ。
どっちにしてもCMの大量投入+製作期間の長さから考えるとペイできているかは疑問。
まあプロモーションの方向性や“内向き”だった内容から考えれば、
『428』購入者で、更にその制作者が好きな全国2~3万人向けの
狭い作品になってしまったのではと、この数字、広がりのない評判を見ると思わなくもない。

極限脱出ADV 善人シボウデス

3DS『極限脱出ADV 善人シボウデス』 初週:9307本(消化率53.16%) 年間累計:2万1618
PSVita『極限脱出ADV 善人シボウデス』 初週:6538本(消化率37.99%) 年間累計:1万3074

『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』も『Ever17』もない海外ではかなり評価された
『極限脱出ADV 善人シボウデス』だが、国内ではあまり評価も受けず数字も微妙。
ついでに、ADVブームが冷め始めた時期に発売された『極限脱出 9時間9人9の扉』は累計4.2万本。
『善人シボウデス』は2機種合算でも累計は3.4万本程度なので、
やはりこの約2年間でジャンルそのものに勢いがなくなっている感はある。
というか恐らくスマホに需要がかなり吸い上げられている、という見方にもなってくるのか。

探偵 神宮寺三郎 復讐の輪舞

3DS『探偵 神宮寺三郎 復讐の輪舞』 初週:6834本(消化率56.73%) 年間累計:1万2341

権利を持っているワークジャムの公式サイトが突如閉鎖され
先行きが危ぶまれる『探偵 神宮寺三郎』シリーズの最新作『復讐の輪舞』は、
3DSへプラットフォームを移動しても販売規模はDS最終作『赤い蝶』と同規模。
消化率(55%前後)・初週(0.6万本前後)・累計(1.2万本前後)がほぼ固定なので
アプリ・DSシリーズで掴んだ新規層は淘汰(“消え”てはいないが“削れた”)が進み、
熱心なファンが買い支えているシリーズと化しているのが伺える。
無理してシリーズを続けるセールス規模かというと微妙なところだし、
『復讐の輪舞』の出来から考えれば次回作への悪影響はありそうだが、
家庭用の探偵ADVでは他に類を見ない現役期間を誇る長寿シリーズであり、
内容として輝いていた時代も知っているだけに、何とか頑張ってもらいたい…。

3DS『レイトン教授と奇跡の仮面』 年間販売数:4万8130本 累計:40万9633

『奇跡の仮面』は夏頃から再度値崩れしていたので、
再出荷したんだろうなと思っていたが5万本近くとは。

PSVita『フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア]』 初週:3万0583本(消化率63.20%) 年間累計:4万2975

3DS『女の子と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。』 初週:1万8291本(消化率42.86%) 年間累計:2万9894

こういうのを取り上げていてこう言及するのは本末転倒だが、
真理として「売れている=良い作品」では必ずしもない。

DS『名探偵コナン 過去からの前奏曲』 初週:8312本(消化率27.36%) 年間累計:3万0312
PSP『名探偵コナン 過去からの前奏曲』 初週:4037本(消化率37.18%) 年間累計:1万3285

世の中、相性というものがある。

3DS『心霊カメラ~憑いてる手帳~』 初週:1万6351本(消化率74.24%) 年間累計:3万9406

意外と伸びた。何故か?ああ…3DS向けのホラーが少ないからか。

特殊報道部

PSP『コープスパーティー-THE ANTHOLOGY-サチコの恋愛遊戯 Hysteric Birthday 2U』 初週:7301本(消化率67.51%) 年間累計:1万1935

PSVita『特殊報道部』 初週:7425本(消化率51.90%) 年間累計:1万1681

PS向けのテキストホラー勢はこんな感じ。
『特殊報道部』は伸び悩んでいる感は否めないが累計としては『流行り神3』とほぼ同規模。
モデルチェンジで離れたファンと付いた新規層でプラマイゼロということか。
『コープスパーティ』はファンディスク+3作目とあって数字が露骨に下がった。
今年は本編の完結編『ブラッドドライブ』が出るので上方修正して終わってもらいたい。

PSP『探偵オペラ ミルキィホームズ2』 初週:7842本(消化率40.59%) 年間累計:1万1500

ギャグ路線のアニメが受けてスマッシュヒットした『探偵オペラ ミルキィホームズ』だが、
水物の宿命と言ってしまえばそれまでだが案の定『2』では失速。
消化率から逆算するとまだ初回分も履けていないことからも解るように
限定版を中心に値崩れ中なので、来年もチャート下位でお目にかかることになりそう。
作品としては私は、ゲームっぽいファンアイテムで結論づけているのでコメント回避。

PSP『バクダン★ハンダン』 初週:2377本(消化率44.77%) 年間累計:3730

稲船敬二ネタで力尽きた感しかない『バクダン★ハンダン』はこの数字。
一発芸みたいなものなのだから、発表から発売までのスパンは短めに設定すべきところを
かなり長い期間引っ張ってしまったのが最大の敗因か。そもそも企画の問題か。どっち。

XBOX360『ルートダブル Before Crime After Days』 初週:5450本(消化率84.18%) 年間累計:7513
XBOX360『ファントム-PHANTOM OF INFERNO-』 初週:3481本(消化率65.67%) 年間累計:4180

まだXBOX360市場に『シュタインズ・ゲート』の流れがあった頃発表され、
諸事情で延期を繰り返した結果2012年に発売を迎えた
美少女ゲームのサスペンスもの2本は両者ともに1万本も越えられず。
『ルートダブル』なんかは消化率としては高めなことを考えると
純粋に受注が取れないという状況もあったかと思われ、少しもったいない。
はっきり言って今のXBOX360市場にニッチソフトの受け皿になれるほどパイはないので
この手のソフトは(評価を受ければ)積極的にマルチ展開をするのも「アリ」かと。

逆転検事2 NEW Best Price!2000

DS『逆転検事2(NEW Best Price!2000)』 初週:4336本(消化率33.15%) 年間累計:3万6955

廉価版発売当時の店頭価格は3000~4000円の間くらいだったので
お得感は相当なものだった『逆転検事2』の廉価版は3.7万本。
かつては廉価版を10万本単位で販売していた『逆転』シリーズだが、
DS市場からライトユーザーが離れるのと呼応するように近年はセールスも落ちていっているので、
『逆転裁判5』はDSから入った客層を呼び戻せれるか…という点に注目したいところ。

DS『おさわり探偵小沢里奈 シーズン2 1/2(にとにぶんのいち)~里奈は見た!いや、見てない。~ぐっどぷらいす』 年間販売数:4638本 累計:7432

目で見て分かるなめこブーム。ちなみに発売は2008年で、当時の初週は「343本」。

PS3『うみねこのなく頃に散~真実と幻想の夜想曲~』 年間販売数:3608本 累計:1万5437

『うみねこのなく頃に散』は前編の『魔女と推理の輪舞』より約1万本ダウン。
後編という位置づけで出荷が絞られているのが現在の高値維持の原因か。
完全に忘却の彼方へ吹っ飛んでいったPSP向けの移植版は出るんだろうか…。

PS3『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』 年間販売数:1万6132本 累計:7万1109
PSVita『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』 年間販売数:1万1874本 累計:3万7399

夏草や兵どもが夢のあと。
特に値崩れが顕著だったPSVita版は殆どがワゴンセールで稼いだ数字だろう。
2機種合算でギリギリ10万本は超えているが、これはブランド価値を切り打ったと見て良い。
かつてのミリオンを狙うとか言ってた頃の強気なチュンソフトが懐かしい。

PS3『L.A.ノワール』 年間販売数:1万1461本 累計:9万9952

毎年恒例、度を越えた値崩れの結果越年でチャートインしてしまうアレ。
一昨年は『スローンとマクヘールの謎の物語2』、昨年は『ザックとオンブラ』だったが、
昨年よりDS向けのADVリリース数がガクッと下がった関係で過剰出荷するソフト自体が少なく
今年はロックスターゲームスの文脈で発売されたPS3『L.A.ノワール』がこの枠に入った形。
恐らく再来年辺りは『レイトン教授VS逆転裁判』がこの枠に入るかと思わるる。




【コメント】
熱い過去記事の使い回しですね。



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