アフタースクールの会の卒業生・Y子さんのお宅では、家族の誕生日に必ずお赤飯を炊いてお祝いしているそうです。6月のある朝、お母さんがお赤飯を炊いていることに気付いたY子さんは「あれ?今日は誰の誕生日だったっけ?」と訊ねました。「今日はお母さんの誕生日なのよ〜」とお母さん。



 「えっ?!」それを聴いて、急に静かになったY子さん。どうにかしてお母さんを喜ばせたい…という思いで頭はいっぱいです。いつものように就労支援事業所に出掛ける前、自分のお財布を取り出して中の金額を確認している姿にお母さんは気付きました。「行ってきますー!」と自宅を出て直ぐの公園に咲いているお花を、じっと見つめている姿もお母さんは見逃しませんでした。


 そんなことがあった午後、Y子さんの通っている事業所から電話が入りました。「今日はお花を持ち帰ります」というのです。事業所では最近、切花のサブスクを始めたので、もしかしたらそのお花を持ち帰るのかしら?と思っていましたが…Y子さんが持ち帰ったのはなんと自分で買った切花でした!


 高校を卒業して十余年ですが、家族と暮らしているY子さんは、それまでひとりで買い物してくることはありませんでした。ですから、なんとなくひとりで買い物出来ないと思っていたのです。でも、やる時はやるY子さん!ちゃんと千円札を出して切花を買い、お釣りもレシートももらっていました!!


 「障害のある子はゆっくりだけど、大人になっても成長して行く」という言葉は何回も聴いていましたが、こんな形で成長を感じるとは…。何よりも素晴らしいプレゼントに、お母さんは涙を流しました。


 ちなみにその切花は仏花だったそうです😌