三話
念願だったアメリカに留学した娘。
ホームスティから、シェアハウスにかってにかえて、いったいどーなってるの?
親の心配をよそに、カリフォルニアからニューヨークまで、ゲルマン民族の大移動。
お金がない時は、血を売るから大丈夫と。
我が娘ながら凄過ぎる(笑)
連絡途絶えがちになった娘。
彼は、寂しさあまりからか娘から私に移行した。
彼から時折メールやら電話が私に入る。
ある日の彼からの電話
「なんか、身体がおかしいみたいで名古屋の病院で良いとこ知りませんか?」
知り合いに病院を聞いて彼に伝える。
山猿みたいに元気な子、その時はそんなには心配していなかった。
忘れもしない風が強く吹いた春の日の出来事。
彼から久しぶりの電話。
いつも通りの明るい声。
「元気すか?お久しぶりです。覚悟して聞いて下さい。僕、癌になっちゃったみたいなんです。
miriさん、気を落とさないで下さい。AND娘には内緒にして下さいね」
何のこと??私のハートは小刻みに震え出す。確実に何かが壊れていく。
空気が凍りつく。いつもと違う。
涙が止まらなくなる。
電話口でオメオメと泣いてる私を必死で励ます彼。
胚細胞肉腫。この病魔が彼を蝕みはじめたらしい。
すでにリンパ、お腹、首に転移している。第三ステージだからあと数年とも言われた。
病院で、医師は、彼と母にそう告げたらしい。泣き崩れる母を彼は、必死に励まし続けた。
彼の器の大きさは、地球よりずっとずっと大きいよ(涙)
ここまで読んで下さってありがとうございます。
四話に続きます。
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