今日は私の記念日です ☆四話☆ | miriの美味しいものDIALY♪

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日々の出来事を綴っています。
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四話

アメリカ留学から一年ぶりに帰国した娘。
私がニューヨークに訪ねた時に
娘には彼の病について話はしていた。
セントレアに到着するなり彼のもとへ直行。彼は、娘と再会することにより笑顔と元気を取り戻していた。

娘は、これから彼を支えていくという決意をしたようでした。
その後彼は病院と娘の下宿先を往復する日々が続きます。
精神は、全く明るく元気。
身体は、抗ガン剤治療でかなり弱っている。抗ガン剤は効かない。
スキンヘッドを帽子で隠してコンビニいく。どこにでもいる普通の若者に見える。
名古屋で生活することになった彼の母のため、アバートを探しまわる娘。
母が来るまで私達家族が彼を支えることに決めていた。

大丈夫って聞くな!
彼は娘に言う。
私達は彼に聞かない。
大丈夫?って。

痛い時は、貝になってひとり耐えてる。
静かな貝になって。

私はこのままでは嫌だと思った。
ただ日常を過ごして死に向っていくなんて堪え難い。
私は、自分にできる事を考えてみた。

今年の正月に突然思いついた。
沖縄旅行に行こうと!
違う空気を吸いに行こうって。
まだ彼が歩けるうちなら何とかなる!
海を見に行こうって。
長女、次女、私そして彼の四人で沖縄旅行を決行した。

青の洞窟を四人で潜った。
大陸的な長女は、ダイバーさんに
潜る直前
「癌ですからよろしくお願いしす!」
引きつる顔のインストラクター(笑)
さっすが我が娘。絶妙なタイミング。

国際通りを彼は歩いた。
「僕は多分もう沖縄にくる事はできないから最後に歩きたいんです」

二キロ近い距離を彼は歩ききった。

オリンピックのマラソンで金メダル取るよりカッコ良かった。
世界で1番カッコいいよ!

photo:01


無事に沖縄旅行から帰り
その後彼からのお礼メールを最後に
連絡が途絶えた。
彼と彼の家族は、私や娘達とも
連絡を取らなくなった。

今度は私達が、貝になろう。
静かな貝になって。
大丈夫って聞かないから。



ここまで読んで下さってありがとうございます。

五話に続きます。