きれいなお兄さんは好きですか。87 | BLの嵐´・∀・)`・3・) *'◇').゚ー゚)`∀´)妄想小説@櫻葉

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きれいなお兄さんは好きですか。87



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「雅紀さぁ・・・手、スゲェあったかいね。


ふふっ、帰るとき起こしてやるから眠いんなら横になってたら?



「・・・眠く、ないもん。」



ないもんってアンタ、あくび堪えてるせいで涙目になってますけど。



「ふーん。じゃあさ・・・


オレが雅紀にくっついてたいから、チャイム鳴るまでこうしててもイイ?」



「ひゃっ・・・!こ、こら・・・翔ちゃ・・・」



相も変わらず、眠いとか疲れたとかネガティブなことを言わない人だよな。


弱いとこ見せてくれるのも嬉しいのにさ。



背後から腹に手を回し抱きすくめると、眠気には勝てなかったのか、借りてきた猫みたくオレに身を委ねて大人しくなる。



「もお・・・甘えんぼさんなんだから・・・」



この状況じゃどう見ても甘えてるのは雅紀の方だけど、本人に自分がどう見えるのか自覚はないらしい。



「イイだろ甘えても。オレ、年下だし?」



無防備だし無頓着だし。


ホントにもう、オレが見ててやんないと危なっかしいところは変わんねぇんだから。



「ほら雅紀、膝枕の方がラクじゃない?」


「えっ・・・こ、ここで・・・今、するの?」



時々オレなんかより、よっぽど子どもみたいなクセしてさ?


自分より、ほんの少しだけいつも高い。


この体温に接していると、雅紀の存在を肌で感じられて心の底からホッとさせられる。



ようやく大人になったのに、相変わらず守られているのは自分なんだって。


思い知るのは悔しい反面、変わらないことが嬉しかったりもするから年の差ってやつは厄介だ。



「でも翔ちゃん・・・は、恥ずかしくない?


えっと、オレこの体勢はちょっ・・・あの・・・」



「・・・ダーメ。可愛いから離してやんない。


遠慮しないでもっとしっかり体重かけて?」



別に、嫌がる顔が見たくて困らせてる訳じゃないからな。


オレにもっと、貴方の体温に触れさせて?



「ふふ・・・顔真っ赤だね、雅紀。


心配しなくても外で襲ったりしねぇから。」



「・・・ほんと?」



うん・・・多分、だけど。



有無を言わさない笑顔で上から抑え込むと、観念したのか口をへの字にしながらも渋々身体を預けてくれた。



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『なァ・・・雅紀くん・・・恥ずいんだけど。』



ほんの数ヶ月前にも、この樹の下で似たような会話を交わしたこと。


雅紀は忘れてるかもしれないけど、オレは全部、一言一句漏らさずに覚えてる。



『いつまで抱きしめてンだよ・・・


ほら、変に思われるからもう離せって。』



隠しきれないほど膨れ上がった行き場のない恋心を持て余していたオレと、



『・・・そう?僕は恥ずかしくないけどね。


くふふ・・・可愛いから 離してあーげない。』



ずっとそうしてきたように。


弟分としてのオレを可愛がることに余念がなかった年上の貴方。



雅紀が自由なのも優しいのも、あれから別段変わってない。



でも、今はもう・・・



「翔ちゃん・・・やっぱりオレ恥ずかしいよ。


もう起きていい?そろそろチャイムも・・・」



オレに心を開いてくれてるのがただの親しみや情のせいだけじゃないことも、



「雅紀、そんなに恥ずかしいんならさ・・・


二人きりになれるとこ、行く?」



雅紀の壁の内側のすごく良い場所に自分が置いてもらえるようになったことも、



「やっぱり翔ちゃんは甘えんぼだね・・・」



「ははっ、ダメ?年下の特権だろ?



ふるふると首をふる貴方に、オレへの恋心が確かに芽吹き息づいていることも。



「・・・翔ちゃんだけの、特権だよ。」



分かるくらい、オレは大人になったんだよ。













つづく