動物愛護 動物福祉に関するお話 (第18回) | 今日のしっぽ村

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東日本大震災を機に発足した犬猫保護団体。
2019年台風19号で被災した犬猫保護施設。

能登半島地震災害支援活動へのご支援をお願い申し上げます。

こんばんは。

今日はまたひときわ暑い一日でしたね🥵

いつも しっぽ村活動を応援くださいまして ありがとうございます。

しっぽ村地方も連日
夏が元気いっぱいの暑さがやって来ました☀️


さて本日は
「動物福祉 動物愛護に関するお話」
シリーズ第18回



皆さんにできる動物を保護する活動のひとつ
『TNR』のお話です。



↓前回も登場したこちらのボードは、

動物たちのために 何かわたしに出来ることはないかな?
と思っていらっしゃる方々に向けて描いたボードです。


今日は、こちらのボードの上から(赤い文字)3段目に書かれた文字をご覧ください😊





TNR:Trap/Neuter/Return

厳しい環境下で生きなければならない命を増やさないために不妊去勢手術をしてください。

と書かれています。



え❓‼️

TNRは、わたしがやっても良いの?

TNRは、動物保護団体がすることではないの?


そんな声が聞こえてきそうですね😉



確かに、

しっぽ村のようなTNRに取り組む動物保護団体や、個人で保護活動をされている方の中には、地域で暮らす飼い主のいない猫にまつわるトラブルなどの相談に応じ、

【不妊去勢手術のための一時捕獲】





【動物病院への搬送】




【手術後の猫さんを元いた場所に戻す】





という、TNR活動をお手伝いをしています。

ここで、敢えて 『お手伝い』と書いたのは


TNRとは、

外で暮らす飼い主のいない猫を今以上 増やさないために、不妊去勢手術(繁殖制限)を行い、一代限りの命となった猫を『地域猫』として見守っていくための一連の取り組みに含まれる活動であり、


不妊去勢手術を受けた後も、元の生活圏に戻った猫たちが


平和に 

穏やかに

一代限りの生を全うするには


(気持ち良さそうに 吹く風を楽しむ猫さん)



やはり


その地域に暮らす人々と猫が
共生していけるようにと

地域住民の皆さまが
主体的に取り組まれることが不可欠なのです。

そう、

動物保護団体が不妊去勢手術のお手伝いをするだけでは、猫が増えることはなくなっても、外で暮らす猫たちの生活環境は変わりません。


「不妊去勢手術をして元いた場所に猫を戻したら終わり。」

では、外で暮らす猫たちが ご飯や飲み水を求めてさまよい歩き病気や怪我をしたり、 庭や畑を汚す「やっかいもの」として嫌われる現状は、変わらないのです。





でも、

地域で暮らすわたしたちが主体的に取り組むって、いったいどうしたらいいの?


そう。それはとっても重要な質問です😊

わたしは、まずは「見る」「知る」からスタートすると良いと思います。


逆に 
一番 いけないと思うことは、


何だかどうにかしたほうが良いと思うけど、先送りにしたり、見ない振りをしたりすること。

つまり
「臭いものには蓋をする」ようなことです。

せっかくの気づきも 
これでは台無しになってしまいます😢


ご自身の生活エリアで、外で暮らす飼い主のいない猫はどんな風に暮らしているのか。

どのくらいの頭数がいるのかな?
どこでご飯を食べてるんだろう?
うんちやおしっこはどうしてるのかな?
猫たちの事で、困っている人はいるかな?

等など、猫たちの生活と人との接点にも目を向けて観察してみましょう。

あなたが地域で何らかの役割を担っているのであれば、そのネットワークを使って地域の方々から情報収集をしたり、意見交換をする機会を作っても良いですね。

↓こちらの『神奈川県飼い主のいない猫対策実践マニュアル』には、

猫の生態や






ノラ猫との付き合い方、TNRについてなどが書かれています。
別冊として『地域猫活動実践マニュアル』も付いていますので、ぜひ参考にされてくださいね☺️


https://www.pref.kanagawa.jp/documents/54654/nekogaidorainn.pdf

各自治体で参考にしながら使える資料も添付されています↓













さあ✨

地域で飼い主のいない猫を見守っていこう!と決めた時、
大切なことがひとつあります。


それは
あなたの暮らす地域には、猫が好きな人も
苦手な人も 生活を共にしているということ。


猫が苦手な人にも、飼い主のいない猫の存在を理解してもらい、そっと見守っていただくには


🌟繁殖制限(不妊去勢手術)をする。(←ここでしっぽ村もお手伝いが出来ます☺️)

🌟置きエサをせずご飯の時間を決める。(残り物は片付ける。)

🌟地域の環境衛生も考え、猫トイレは迷惑の掛からない場所に設置して定期的に清掃する。

🌟猫の苦手な人たちの意見にも耳を傾け、折り合いをつけながら活動を続ける。


といった約束事を徹底して実施することが大切です。


先程の神奈川県のマニュアルにも、報告書の例が添付されていました。








このように地域住民の方々に向けて定期的に報告をしていくことも大切ですね☺️



さて実際に取り組みを始めると、猫たちにエサやりをしている方に出会うかも知れません。


こちらは

熊本県内にある大きな公園に設置されていた
看板です。



「無責任なエサやり」とはおそらく

目の前にいる猫の

その先の生きる道のりや その先にある命を

考えることの無い 行動を言うのでしょう。


公園では、雨にうたれて 目と鼻がぐちゃぐちゃに汚れていた仔猫さんと出会いました。

ご飯をもらい栄養状態の良くなった猫たちは繁殖を繰り返します。
そして、このように病気や怪我と隣り合わせで生きなければならない命が またひとつ
生まれるのです。




「お腹を空かせている猫にせめてご飯だけでも食べさせてあげたい。」

飼い主のいない猫たちへの
優しい気持ちから生まれたその思いが、

実は
猫たちに苦しみを与えることになりかねないことをもしも 知る機会があったなら、


ノラ猫の不妊去勢手術には助成金があることや、手伝ってくれる動物保護団体などがあることを知る機会があったなら、

そして

同じように猫を愛し、彼らの命を見守っていこうと協力できる地域の仲間を見つけられたなら、

飼い主のいない猫たちの生きる道は

今よりも もっと
HAPPYになれるのでは
ないでしょうか🌈

もしもエサやりだけをされている方と出会ったら、その方の思いにも耳を傾け、猫たちの生きる道を一緒に考えていける仲間となれるよう、関わってみてください。


また、TNR活動をしていると、

なぜ元に戻すの?

という質問にも出会うでしょう。


確かに
いったん捕獲して手術を施した猫を全て、飼い猫として保護することが理想的なのですよね。

けれども

ひとつの家庭で、適正に飼育できる動物の数には限度があります。

その限度を超えるとお世話が十分に行き届かずに衛生状態が悪くなったり、そのために病気が蔓延します。

更に多頭飼育が経済的な負担を招き飼い主の生活が行き詰り、結果的に「多頭飼育崩壊」に陥ります。

(これはしっぽ村のような保護シェルターでもおなじです。
保護動物の収容可能数には限界があり、緊急を要する状況にある場合に限定して保護しているのが現状です。)

TNRは、地域で暮らす飼い主のいない猫たちの命を守る活動のはじまりです。

彼らが

その地域で暮らす人々と共生していけるように
はたらきかけ

可能であれば、その猫たちに生涯共に暮らしていける新しい家族を見つけることも 始めていきましょう✨

ただし
これは到底 一人で出来ることではありません。



あなたが猫たちのために
大きな一歩を踏み出す勇気を抱くとき

あなたと同じように 猫を愛し、彼らの命をあたたかく見守っていこうと協力できる地域の仲間との出会いが
きっとありますように🌈


もちろん、しっぽ村もお手伝いします😊






飼い主のいない犬や猫は
紛れもなく 
人間社会がつくりだしたものです。


「不幸な環境で生きる命」をつくりだした人間社会は、

「不幸な環境で生きる命」を作りださない努力をしなければいけないと思います。


いつだって

彼らの命は

私たち一人ひとりの心(意識)と 
その手に委ねられていることを
どうか忘れないでください。





清川しっぽ村


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