環学連通信

環学連通信

各地の生物多様性に関心のある若者が中心となり環境保全学生連帯会議が発足しました。
日本中の水辺の再生を目指し日々活動中!

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九州大学にてカブトガニの研究に励む久保園さんに地元の学生に向けた講演を行っていただきました。





カブトガニの生態や研究について





また、海外での利用など、様々なことを教えてくださいました。
「カブトガニがいるのは豊かな海。だから漁師が多く、漁師にとっては網にかかる厄介者。」として扱われている現状と、カブトガニが住める環境作りの大切さや、豊かな海が及ぼす水産業への貢献などの可能性を熱弁されました。






また、今の高校生に向けたメッセージも。



勉強する意義や、夢のある話を聞かせてくださいました。
注意(はじめに必ずお読みください)
これは福岡県からきた小宮氏と、鳥取環境大学の見上氏、楠本氏による学生食堂での雑談をほとんどそのまま書き起こしたものです。あくまでも若者たちによる雑談ですので、専門的な解釈に誤りがあっても悪しからず……。

また、これは前の記事「環境と若者の声 鳥取編 その1」と「環境と若者の声 鳥取編 その2」の続きになります。そちらを先に読むことをお勧めします。

ここからもはや本当に雑談でしかありません。それでも良いという方は、どうぞ。

~~~続き


小宮 凄まじく個人的な話ですけど、自分居なくなった生き物が好きなんですよ(笑)それこそアゲマキとかヒメモクズガニとか、あれは14年前に消えたとか1990年代から個体群がなくなったとか、まあ海外のそういうのでも何でもいいんですけど、居なくなったって言われているのを探すのがとても好きで。それがまだ見つかる段階なんですよね。それが何というか、ロマン……ロマンっすね(笑)

見上 ロマンの欠片っていうね。まだその様々な分野においてぎりぎり後戻りできる、後戻りというか要素を拾って。次の時代にどんどん移り変わっていってるんですけど、前時代、いや前々時代ですね。経済の仕組みとか建築様式とか生き物の生態系とかってものが拾える段階なんで、それを思うと最近楽しくて楽しくて。例えば建築法ひとつとってもそうですけど、昔ながらの建築というのは今の建築法上建てられないってなってて。これを詳しく話すと1時間2時間長くなるので話しませんけど、でもまあ日本の風土にあった非常に良い建築様式というのがそれこそ高度経済成長期の効率化のためだけにできた法律によってどんどん禁止されていって、耐震性能とかを測る機械が無かったんで古い方の耐震性能実験ってのは全くされないまま、新しい方ばかりの耐震性を上げる検査とか行われるようになって、こっちのデータばかりが豊富なので、古い方は潰して行きましょうみたいになってるところがあって。そういう古い建築様式がまだ残ってる街並みを歩いてスケッチをするのが楽しくてしょうがない。失われゆくものへのロマンですよね。

小宮 分かりますね……めっちゃありますね(笑)

見上 ただの懐古主義じゃなくて失われゆくものたちというものが、非常に世の中の間違ったことによって消されていってるということが

小宮 理不尽なんすよね

見上 理不尽に消されていく者達に対するロマンってありますよね

小宮 めちゃくちゃわかります、そこ分かります!分かりみしかないです(笑)

見上 分かりみですよね(笑)

楠本 そういうのってあれやもんな。これはこれこれこういう理由でやらないといけないんだって、いくら力説しても皆それがいいと思い込んでるから「なんで?」としか返さない

見上 そう。

楠本 今住めてるからいい、今俺たち困ってないからいいみたいな感じでしか思いませんもんね。

見上 本当ミクロでした世の中の利益を考えない人達が管理的な立場にいるから中々それは動かない。

楠本 お前らの口にセメント流し込んだらセメントの味分かるだろうがって言いたい(笑)

一同 wwwwww

楠本 お前らの足元のヤスデの気持ちになったことあるのかって(笑)

見上 まさにね、今の法律だと、土の上にコンクリートの平面な場所じゃないと家建てれない。だからもうあれなんですよ。だから極論でいうと大阪も山全部削って谷間を埋めて綺麗な平地を作って全部ビルでも立てればいいじゃないかって言いたくなるほど、全くもってその土地を殺す建築をやって。

楠本 それ言っちゃったら「あ、イイね!」って言われかねない。いや絶対言う。

見上 そう、言われかねない

小宮 ヤバいっすね(汗)

見上 それでイイね!って言われたのがまさにスーパー堤防ですよ。

楠本 あぁ!そうだ(笑)全部でかくしちまえって。

見上 大きくしたら問題は無いでしょうって。あれをやったせいで多分、自然に対する畏怖ってのはますます薄れて、あの地域の防災ってのにどれだけの罪を残したかというね。漁村地域の津波に対する波への恐怖が薄れかかっていた現代で、あの悲惨な事件が起きた。ただ先人達が記録していた神社とかに逃げた人は生き残った。だからそういう、実際に神様はいないにしろさ、土地の神様とか海の神様みたいに人が語り継いできたものの中にそういう教訓ってのはいっぱいあった。まさにあれですよ、神殺しに近いですよあの堤防は。

楠本 ま、殺されたけどな。

見上 殺されたね。それでいて、畏怖を失った人間達にあれ以上の津波が来た時に何が出来るかってところまで考えてないんですよね。だからあの想定内の自然の脅威にしか耐えられないし、こちら側の意識も減っていく。だから本当は湿地とかを残した状態で、周りに住む人達の啓蒙ってのをあの巨大な堤防を作る予算を全て投じてでもやるべきだったと思うんですけど、まあ出来ないんですよね(苦笑)

小宮 12月の時(第1回環境保全学生連帯会議)にちらっと言った、一つの湾だけ堤防を作らなかった場所があるじゃないですか。この前稚魚研究会でそこの研究結果が出てて、そこの市民が買い取ってなんとか残った塩性湿地と海の間は行政が埋め立てちゃったから、海と塩性湿地の間に埋立地があるんですよ。そして塩性湿地と川(海)を繋ぐのはこんな塩ビパイプしかないと。それで必要ない堤防を取っ払う、いや小さな入口を作る交渉だけで1年かかってるそうなんですよ。まあそこが辛うじて残ったことで、他は全部堤防じゃないですか、だから残したところとそれ以外の所の比較がようやく出来るっていう。だから向こうは今後、海は死んでいくのかもしれませんけれど。でも1箇所残っただけでも「ほら見ろ」って後で言えるんで。

見上 まさにそこなんですよね。ほら見ろ!としか言えないっていうね(苦笑)

楠本 それが一番、自然にも保護する人にとっても見せつけられる側にとっても許容できる落としどころっていうね。

小宮 某国みたいに、保全のために巨大な水門を爆破できるみたいな気概は無いですからね(笑)

見上 凄いですよね。あそこまでいくと面白いですよね(笑)

楠本 自然壊すのも作るのも、スケールがでかい(笑)

見上 やることがでかい(笑)

楠本 一つの森を牛のために切り開いたと思えば、一つの森を人すら入れないようにするじゃん?w

小宮 極端すよねww

見上 その実験ができる土壌というか、人の寛容さってのはあるよね。あの国の成り立ちからもあるのかなって思うけど、ただ面白いよね。

楠本 バッファロー皆殺しにしたあと、バッファロー殺した奴皆殺しにして。数年で鳥皆殺しにしたかと思えば……まぁあれはもう戻らんけど。他のやつガンガン守ろうとするし。

見上 捕鯨をするために開国させた国にクジラを捕るなって言いに来たりね。

楠本 あれはどうにかしろよ(笑)

見上 〇リーに責任を取ってもらわないとね

楠本 あれはwww

見上 なんて話を普段学生食堂とかで

小宮 良いですね、本当(笑)全国に散らばってる生き物屋って話す宛が無かったみたいで、この前集まった時に数時間愚痴の応報でしたね(笑)

見上 だから愚痴をいう場所っていうのは凄く大切でね。愚痴をいうことで見えてくることもありますから。

小宮 この前はやばかったですね、過激な方向に行き過ぎて(笑)

見上 人の醜さ認めないと物事前に進めないみたいなところがあってね、全ての正義を追い求めるともうなにもかもが進まなくなっちゃうっていう。

小宮 外来種問題に愛護問題が絡んでくると厄介ですよね。

楠本 とりあえず俺はラスカルが悪いと思う。

小宮 ラスカルってアニメの中でも凶暴だったんすよね?

楠本 凶暴だから捨ててきなさいって言われるっていう

小宮 あのアニメを見てどうして皆飼おうと思ったん出すかね?

見上 ラスカルが可愛いからじゃない?
小宮 www

楠本 そもそもアニメからして逃がすっていう。アメリカですらですよ。

小宮 それをなんで日本人は飼おうと思ったんでしょう、疑問でしかないんですけど(笑)

見上 何も考えてないんですよ、多くの大衆ってのは。

楠本 緑の亀カワイイ!

小宮 小さい亀こんなでかくなった捨てよう、ですもん。

見上 可愛い!可愛くなくなった!捨てる。でもそこで学ばずにまた別の小さい亀を買ってくるでしょ、小さい可愛い!って。





企業部の先輩 なんの話をしよるんや?

見上 今はあれですね。田んぼの話から環境問題から、何かもうやってやれませんよね、みたいな話を。

企業部の先輩 田んぼの話からやけくその話か(笑)




後略

このあとは、四時限目の授業のため解散しました。


おわりに
ことの発端は、発足して1年弱が過ぎた環学連ですが、せっかく繋がりを作ったのにも関わらず具体的施策が停滞しており、精力的に活動している鳥取の皆様にアドバイスを頂こうと思い私が鳥取に赴いたのが始まりです。
初めは思いつきでしか無かった鳥取訪問ですが、見上氏と雑談を通して「同い年なのにこんなに凄い奴がいるのか」と改めて実感するとともに、心強い仲間がいることを再認識させられました。対談という程のものではありませんが、軽い雑談から明日への活力を貰えた気分でした。最初は要点をまとめて記事にしようと考えましたが、これはそのまま公開した方が伝わるのではないか、と思いこのような形式で公開させていただきました。
とはいえ、これはあくまでも少し真面目に環境に取り組む若者たちによる愚痴と雑談です。雑談なので多少……?の暴言はありましたが、それでもこの会話を聞いてもらいたいと思い、ほとんど修正せずに公開しています。
私や見上氏がそうであるように、人間環境や自然環境も含めた環境問題に関心がある若者なら、少なからず共感できる点があったのではないでしょうか?
おそらくこれを読んで不快に思ったり、批判をする方が出てきたりもするでしょう。
しかし、これは本音でもあります。環境問題という大きすぎる問題を前にして、手遅れじゃないかという疑念を押し殺しながら、それでも取り組んでいこうとする彼らの想いを私はこの雑談の中から感じました。
真面目に取り組みつつ、時には愚痴を言い合いながら、それでも私たちはより良き将来のために努力していきたいと思います。

「あの頃はよかった」ではなく「あの頃は大変だった」と笑える未来を目指して。

環学連有明海支部 小宮
注意(はじめに必ずお読みください)
これは福岡県からきた小宮氏と、鳥取環境大学の見上氏、楠本氏による学生食堂での雑談を、ほとんどそのまま書き起こしたものです。あくまでも若者たちによる雑談ですので、専門的な解釈に誤りがあっても悪しからず……。

また、これは前の記事「環境と若者の声 鳥取編 その1」の続きになります。そちらを先に読むことをお勧めします。

ここからさらに雑談度が増していきます。それでも良いという方は、どうぞ。
~~~続き

楠本 今のところ脱落者いないよね?

見上 今のところいない。コアメンバーの中でも、自分は他の活動もやるとかいう人もいるので、結局集中して取り組めるのはリーダーだけになるんですよね。ただ、その過程で僕が悲観的にならずにいれたってのは、それでもこの活動をしてると、それを見てくれている後輩がいてくれて「じゃあ、僕達が手伝いますよ!」って言って入ってきてくれるわけなんですよ。もちろん後輩たちにも課題点もあるし長所もある。でもそうやって次の世代が入ってきてくれた。僕達始めた時、同級生十人前後だったんですけど、その倍近く、20人弱の後輩達が入ってきてくれてるんですよ。割と1年生の参加率が高いというところでもって、なんとか心理的に。自分たちが考えてきたもの、置いてきたものが無駄じゃないったんだって出来るだけ前向きに考えないと嫌になってしまうんで。

小宮 話聞いてて壮絶だなぁって(汗)

見上 ただ僕達が出来ることって農業なので、要するに問題点は“人間”だけなわけなんですよ。だから人間をどうにか説得したり話をつけられれば、物事は上手くいくし、農業は割とそういうところがあるんです。ただ一転して漁業は、その人間の問題+自然なわけじゃないですか。時には猛威を振るうし時には穏やかすぎるくらい穏やかなあの自然がいるんで、そこら辺のせめぎあいを想像するとちょっと旋律すら覚えるっていう、それはありますね。

小宮 いやでも、結局、自然だ何だって言いますけど、漁業も人がゴタゴタし過ぎてますし、そこの整理は一切出来てないわけなので……頑張らねばならんのだろうなとは思いますが(苦笑)

見上 やっぱり、人なんですよね。結局人なんですよ。ただ自然環境、農村環境を専門にする人達は、環境なら環境、生物なら生物でしっかりと研究していかないと専門家とは言えないレベルでそれぞれの研究自体は進んでるわけですよね。だから専門家たちと一般の人々との距離もまた開きすぎてしまって、そこを縮めるのも僕とかあるいは小宮さんみたいな地域に出た新しく何かをしなければならないという人達の役割だなぁ、と思ってるんですけど僕もそこは辛いところです(笑)

小宮 凄いですね……。せっかく昨年有明海に来ていただいて、若者たちが実際に集まって面白い感じになるかなって思ったんですけど……、まぁ環学連自体は良くわからない抽象的なものになってしまっているので(汗)。
一次産業ってのは自然に根ざしてるじゃないですか。だから自然環境でも何でもいいんですけど、今後の若者や学生の立ち位置や方向性ってのがどう有るべきか。まぁ、先程のお話の通りなのですけど、ここ数ヶ月、迷想に入ってた様な感じですね(苦笑)

見上 たまに迷想(瞑想?)に入ります僕も(笑)家、帰りたく無いですもん。家帰ると色々な考えが巡り巡って、上手くいかないんじゃないかとか、色々考えすぎてダメなので、暇さえあれば人に相談するとか、フィールドに出るとか。やっぱり田んぼに出てる時が一番楽しいので(笑)多分そうでしょ?

小宮 そうですね!九月の頃、私22日間干潟に出てたんですよ。これ、精神的に相当きてたんすよね、ほとんど潮が引いてる日は出てたみたいな感じですね(笑)

見上 フィールドに出たら出たで、また新しい問題点を発見してしまうわけですよ。何でこここうなってんのか、とか。結局ね、どんどんどんどん心労が溜まっていくっていう。

小宮 私がフィールドに出て福岡県内を見て回った感じを言いますと、もう居なくなってたと思われていた生き物が何種類か出たんですよ。ただ、そういう場所というのは限られていて、場所によっては3~40種もいてその内20種が絶滅危惧種だって場所もあるんですけど、それって福岡県有明海側でそれって本当に数箇所しか無いんですよ。それ以外の場所ってのは五種類くらいしか居なかったりとか、多様性も生物量も失われてたりして、干潟に出れば出るほどそういう場所の差が明確に見えてきて、喜んでいいのか悲しむべきなのか(汗)何をすればいいのか分からないんですよね、干潟は特に。

見上 だからとりあえず現状を維持しないといけないんだけども、昨今の色んな社会的情勢とかによって壊されていく、壊されれば無くなるのは明白で、ただ残すために何をすればいいのか分らないってのが辛いところじゃないかなぁって見てて思ったんですけど。

小宮 とりあえず今は、4箇所くらいかなり絶滅危惧種も含めて生き物が集中してる場所があるんですよ。現状の社会では有明海再生は無理だろうって若干思っちゃってるで、今後何年か何十年後かまで、そこを残すことが今考えられる最大の有明海保全なのかなって思うんですよね。

見上 そこを残して残ったら問題定義できますので「ほら見ろ、20年間、30年間守ったらコイツらは居なくならなかったけど、そっちは居なくなったじゃないか!」って。

小宮 フフッw

見上 じゃあねぇ、多分30年後、そこだけ指定して保全区域にして他全部開発するとかね(笑)

楠本 あー、でもここが残ってないと、全部なくなったら「うるせぇ、その時言え!」って伝えてても言うと思う(笑)

一同 ハハハwww

楠本 そういう人多いっすよね、言ったのにって。

小宮 難しいっすねぇ。どの問題もやばいっすね(汗)

楠本 まあでも、この辺の田んぼも割と残ってる方だったり。

小宮 見て思いましたもん!柳川の田んぼって、生き物いないんですよ、広いんですけど。ヌマガエルとかは見ますけど、アイツらはザ・普通種(褒め言葉)みたいな種じゃないですか。あとジャンボタニシ、あれは沢山います。まず、ドジョウが少ないんですよ。ドジョウがいないのは田んぼと水路の繋がりがないってことなので……。水路だけで生活史を完結してる連中は割といるんですけど、そうじゃないのは少ないですね。あんな無数に水路があるのに勿体ないですよ。

楠本 岡山ではジャンボタニシいたんですけど、鳥取に来て1回もピンクの卵見てないです。

小宮 あぁ、入ってないんですね。素晴らしいじゃないですか!

楠本 そうですね、ジャンボタニシは割かし。ザリガニはもうどこでもいるんですけど(笑)

小宮 ジャンボタニシは除草目的で持ってきてるのに稲食っちゃうとかあるみたいですよ。

楠本 あれ除草目的で入れてるんですか!?

小宮 最初は食用で、そのあとは除草で。筑後川周辺って半農半漁の人が多いんですよ。漁協にいるとよく農家さんの話も聞けて。除草目的で入れたところで、雑草と稲の若葉があってどっち食うかってやっぱ稲らしいんですよね。

楠本 あー、そっちの方が柔らかいですし、栄養価も高いですし。

小宮 結局、あれは意味無いというか害になるくらいで皆さん嫌ってましたね。

楠本 めちゃくちゃ増えますしね。

小宮 増えますね、つぅかもう、田んぼの中に立っている電信柱とか、下の方ピンク色の卵がずらーと

楠本 田んぼの中に電信柱ってのは(笑)

小宮 あるんですよ、たまに(笑)

見上 耕作面積を増やすために、割と無茶な造成してるから

楠本 道すらも、ということか。フホホホwww

小宮 硬いところが無いんで沢山産みに(笑)

見上 これはもう仕方ないとしても景観的には最悪

楠本 えー……

見上 だから田んぼを好きって思う子供とかすら居なくなるよね、そうなると。

楠本 あそこは米を作る場所だとしか思わなくなる

見上 建築でもそう。道路は道路、車が通るためのもの。子供が遊ぶなら公園を作ればいいみたいな発想になるけれど。全部様々な要素を包括している場所だってのを忘れてる。道路を歩いてる子供がこの道がこの街が好きだって思うことから色んな様々な問題解決をするための人材が育つみたいな発想の仕方は日本にはないから。だからこれは本当に。僕は専門は都市計画とか造園ですけど、そもそもそっちで気付き始めた問題で、農業をやってみたらやはりここも問題だらけだったかという感じで。だから本当は都市計画も、というか行政がそこに気づかないといけない。行政にそういう人間が入らないとダメなんです。

楠本 多分、俺が思うのは、田んぼとか水路とかで遊んだ人達って基本そういうの(自然や生き物)に興味を持っちゃって。俺の祖父とかも岡山県北部の農村部で育って、生き物に興味を持って。三人兄弟皆そういう方向に進んで、一人は教師になって、一人は海の方にでて自然を守る仕事をしたり。そういうのを見て思うのは、自然に触れ合った人っていうのは割かし、畑の違う都市整備の方には行かないなって見てて思って。都市整備の人とも高校の頃に話してみて、岡山県のことしか分らないけど、岡山の南の方の都市部というかガンガン造成して高度経済成長期に生まれ育った人がなってるから、農村のことなんてわかんないし、水路なんてフェンスがなければダメだって意見が……まあ岡山県は予算がないんで水路にフェンスが付かないんですけど(笑)

見上 有名やんね(笑)

楠本 その話を聞きに行って、その人達ってこうなんだなぁって。やっぱその差が、世代を経る事に大きくなってる。本当に山に行く人達は山にしか行かないし、街で育った人達は全部街にしようとする。そういうのがあるんじゃないかなって。

見上 まさにね、江戸時代は中央官庁の役人が農村出身やったり商人出身やったり、そういう時代に遡れば遡るほどそういう問題は少なくなる。でもその時代に戻ることは出来ないから、今どうやってそこを解決して行くかって考えないかんねんけど、まぁ問題は山積みやね。

小宮 自分の知り合いの魚好きに「自分が初めてナマズを釣った思い出の川がある。せめてその川だけでも守りたい。だから俺は某県の政治家になるんだ」って今そっち側を目指してる人がいて。「政治家になるしか変えられねぇよ」って言われたんですけどね。聞いたのは何年か前で「そうなんですかぁ」って聞き流してたんですけど、実際に色々見てきて実感せざる負えなくなりましたね。

見上 そうなんですよ。まさに僕が高校時代に実感したのがそこで、ちょっと話は僕自身の前の経験になるんですけど。大阪でいえば農地が大量に余ってて、都心部には例えば地震とかが起こった際に迅速に供給されないといけない必要な食糧が何万トンもある。農業高校というところで農業を勉強してる人もいるし、農家は人が欲しい。なのに上手くいかないんですよ。必要とされ必要としているものが揃っているのに上手くいかない。これは人間の問題だなってことになって、高校の統廃合とか色々な問題があって、自身が生徒会長時代に高校の統廃合に対して出来る対策とか取り組みをする中で、意外と先生たちってそんなに学校に思い入れもなく働いてるんだなぁってところから「ちょっと待てよ、世の中全体こうかもしれない」って思って今の考え方に至るわけなんですよ。農地があって、農業を勉強してる人がいるのに、こっちの卒業生達は携帯会社へ就職していったりで、こっちの人達は新しい人間はいらないって言って、でも農業はもう無理だよ若者を呼ぼうって言いつつ耕作放棄地にして放置してるっていう。まあそういうところがあって、結局その繋がりが全部を包括的に考えて、いやそこはそうしたほうがいい、ここはこうしたほうがいいって大きな指示を出して、それぞれの問題を動かせるのは行政、それも行政トップの政治家しかいないなぁってのは薄々気づいてて、そっちに行くかもしれないなってのは頭の片隅に置きながら環境大学に入ろうってなったんです。切ないことでね……政治家じゃないと変えられないってのは。というか、それを変えてきた政治家がいなかったというのが切ないというか悔しいというか憤りを感じるんですけど。

楠本 逆方向に変えてる政治家しかいない。

見上 あるいはそういう風に変えようとしてきた人がいるかもしれないけど、成果が残っていないという現実だけが今あるっていうことは、その人達の努力が潰れてきた過去が無数にあったということやから、そこに敢えてこれから入っていくとぉ……ちょっと、これは大変やぞぉ……みたいなね(苦笑)政治家かなって最近は思ってますね。農家になっても変えれないし、おそらく農協に入っても変えられないんですよ。

楠本 そっから中央官庁には行けないしなぁ

見上 地方政治家ってのが一番動きやすいっていうか、まだ可能性がある仕事なんじゃないかなって。

小宮 豊岡市の例はもうご存知かと思うんですけど、この前実際に豊岡市長さんを柳川に呼んだんですよ。それは元々、市長が来るんだったら柳川市長も無視出来ないっていう考えで呼んだんですよ。それでやっぱり、市長が来ると、普段あまり関心がない柳川市でも豊岡市長と対談したり講演も聴きに来たりしたんですよ。ただ、土建業主体の街なのでなかなか厳しいんですよね。

見上 そうですよね、まさn

----------リアルゴールド問題再燃-----------
自販機の方 すみません、先程リアルゴールドを買われて薄かったということでご返金の方に来たんですけれど、申し訳ございませんでした。80円と90円の方になるんですけど。

楠本 すみませんw

自販機の人 すみません、申し訳ございませんでした

見上 こちらこそ(汗)

楠本 迅速w

売店のおばさん よかったね(笑)

一同 www

見上 申し訳ない……

楠本 1000円とかだったらw

一同 ワハハwww

見上 クレーマーの気分になった。恥ずかしいやら、申し訳ないやら、と思うだけまだ自分がまともなんだなって。

小宮 ハハハw

見上 最近はね「当たり前だろ、もっと寄越せよ馬鹿野郎!」っていう人達が多いから。

楠本 そういう人達を風刺してるもんな色々(笑)

見上 まさにね(笑)日本人自体が、大分性質が高度経済成期に変わっちゃったなってのがあって、変わった日本人に元の環境ってのを説いても難しいのかなぁっていう根本的問題にすら最近気づき始めててこれ闇深いなって思ってるんです。まさにね、さっきの話に戻りますけど政治家になりたくって政治家になるんじゃなくて、やりたいことが政治家でしかできないから政治家になる。だから、あなたはどんな職業につきたいのって質問が今一番困ってて。どのような事をやりたいのって聞かれると“日本の欠片集め”って言うようにしてるんですけど。まさにね、そのような事が前描いてらっしゃった投稿(その1で取り上げた小宮の投稿)で「もう、そこなんですよ!」って言う風な。

小宮 いやぁ、良かったです共感していただけて!

見上 まさにね、日本全国で活動してる人、ちょっと真剣に現実的に動いてる人ならあれみて痛いほど共感すると思うんですよ。

小宮 そうですよね、結局、その結論に。私もここ2ヶ月くらいやったあとに、行き着きましたもんね(汗)やっぱもう無理じゃねえか?生物屋じゃ無理じゃねえかっていう。ヤベガワモチの問題、私は一市民として、行政側にも生物多様性保全に理解ある方がいて。あと、もう一人いたんですよ。工事の現場監督の一人もこの場所の自然環境は壊さない方がいいって動いてくれて。工事者側も市民も行政も、あの一件は必要な役者が揃ってたんです。だから今回、たまたま工事者側にそういう方がいたから調整ができたのであって。しかもこれ福岡県の話しじゃないですか、福岡県以外の行政区の話だったりとか、有明海の他の地区のことだと、きっとこんなに上手く必要な役者が揃うことなんてないでしょうし、本当に今回上手くいったなと思いますけど、本来この調整ポジションに有るべき為政者ってのが……あぁ、そうなのかぁって思いましたよね。

見上 なかなかねぇ、本当に人間をどこにどう置くかっていうところから考えないと問題解決ができないっていう。でもそれぞれの担当の人達も今の公共工事だと、工事の案が議会で採決されるとそこに携わる業者のコンペから始まるんで、まぁ難しいですよね。昔は役所で図面を引いて工事業者は役所内の別部門で一環してやってたので、逆に昔ながらの役所体質であれば可能であったことも今できなくなりつつあるという所も考えないといけない。これも役所制度の問題なんですけど。担当部署の人間が3年ごとに入れ替わる、癒着を減らすためらしいんですけど3年ごとに環境行政の責任者を入れ替えて一環したプロセスで何かができるわけがないじゃないですか。

小宮 ホント、その時の担当者が良いか悪いかですもんね。

見上 そうですね。当たり外れが大きくて、しかもハズレを引いたら前の人達がやってたことチャラにしたりするんですよ。

楠本 で、自分がやりたいことをする

見上 そう。でもちょっと、その3年間の間で名前を売って自分が上の部署に行きたいから、出来るだけ短期で目立った成果を出そうとする。となるとどこどこの護岸を工事して耐水性を上げましたみたいなのが一番環境部門でやりやすい成果の出し方で、上からも評価しやすいんですよ。例えばヤベガワモチを保全したっていう成果を持ってきたっていう人達と、住宅地の洪水を防いだって人達、上からも後者を評価しやすいじゃないですか。じゃあヤベガワモチが何をするかってよくまだ分からないじゃないですか。でもそうやって多様性がどんどん削られていくんで、まさに役所の中に問題が多いんですよね。だからそこまで変えられるのも政治家レベルまで行かないとダメなのかなって、ホントに嫌々ながら気付いてるっていう段階ですけどね。

小宮 こっちの方の河川担当のトップも入れ替わってまして、前の方が環境に理解がある方だったそうで。というのも熊本?にいるときにどこかの川の希少生物をマジで絶滅させちゃったらしいんですよ。それで相当叩かれたらしくて。だからこっちに来てから、何か公共工事をする時は、専門家、生物学者の意見を聞くという制度を作って、人が変わってからも前からあったからやるだけみたいな形になってたらしいんですけど残ってて、今回はそれを最大限利用った形だったんですよ。あと、会議の直前に地元高校の生物部がそこで観察会を開いて新聞にも流れて、タイミングも最高だったみたいで再検討に動いたみたいなんですよね。

見上 まさにタイミングですよね。そういう人達が最近も悲観的にならずにいられる唯一のものが後輩ってのは言ったんですけど、自分たちが活動する中で、この制度あってよかったな!というのをどこか何代前まで遡ると、それを残して、志の全てを賭けてその制度1個を変えて消された人とかの存在とか、遡っていくと議会録とか見ると分かりやすいんですよ。そうやって、昔から色んな問題がある中でそれに取り組もうと一生懸命やってきてダメだった人たちがこう投げて、次の世代に渡して来たもので今があるんだなって思うと、苦労を知るじゃないですけどそういうものの上に今自分がなんとかやりくりしてるんだなと思うと、自分も何か次に残そうって時の活力になります。自分たちが残せたものが少なかった時にでもこの1個の要素をできるだけ次の世代で広めてくれっていう、そのような物語付けをやるしか自分たちの存在意義を見い出せなくなってて。

小宮 まあでも、暗いニュースしか無い世の中ですからね。

見上 もうね、それだけが唯一の救いですよね。

小宮 同じ闇ですよね、結局どの分野もっていう話で。良い苦労話が聞けました、良かったです(笑)

見上 いやいやいや、もうほぼ愚痴みたいになってしまいましたけど。なかなかこういうジャンルの違う人と一対一で、まあ楠本もいるけど

楠本 いるけど、俺はいるだけやから(笑)

小宮 ハハハww

見上 対談じゃないですけど、出来る機会って少ないですし。やっぱりこうやって再認識して明日への活力をなんとか

小宮 そうですね、気力をどうにか高めるしかないですもんね

見上 日本全国にまだこういう人達が点々といるってのが救いでね、一人でやってるともうダメですから、いよいよ。

小宮 日本全国の点々とした人達、結局こう上手くいってないというか、特に自然環境系は何をすればいいのか分らない状況に陥ってるのが多くて。それこそさっきいったフラストレーションが溜まってるような状況で。それを上手いこと何かしらの方向性を見出せたらいいなと思いつつ、自分何にも見出せてないので。本当この環学連をそういう立ち位置に出来たらいいなって思ったのに、結局すっごいフワフワした何かになってしまったので……そこをどうにか今回の鳥取で色んな人に話を聴きながらどうにか出来たらなって思ってやってきたのもあったんですけど、難しいですね(汗)

見上 環境学というもの自体がフワフワしてますからね。

小宮 そうですね、本当に。

見上 内の大学すら本当は開学する時に具体的な定義付けを一つして、環境なり経営なり含めるにしても、こういう人を育てる大学ですって言えば良かったのに「知の巨人を育てる」みたいなバカげたものを大学のモットーにしちゃったもんで、バラバラになってるんですよね。

小宮 知の巨人って何やねんっていう(笑)

見上 謎の怪物を創り出したという(笑)

楠本 知もないかも知れない。ただの巨人やから(笑)

見上 経営と環境学というせっかく二つの両輪があるのに、それを出来てるのがもはや部活単位でしかないとかそういうところに……

楠本 だって経営と環境が一緒に受けてる授業って、鳥取学と環境概論とキャリアデザインぐらいやろ

見上 それでそのキャリアデザインはあの体たらくで。うちの学校の校舎の作りから言って、経営と環境の人間が一緒に何かを話できる場所なんて全く。そりゃもう僕ら建築サイドの問題なので大学教授に行ってこの大学をどうにかしないと、経営と環境ってのはエクステリアですよね、建築面からどうにかして人の動きを変えないとそういう面白い学生出てこないよっていうのを研究室で言って、ちょっとその研究に一歩踏み出したところなんですけど。ただ、そうですよね。知の巨人の正体を探りたくてしょうがない。なんだそれはって。

楠本 俺は知の巨人の正体って卒業したらすぐ銀行に勤める奴だと思ってるから

小宮 wwwwww

見上 携帯ショップもなかなか知の巨人。環境大学卒の誰々が携帯ショップに合格しました万歳!ってやってるやんか(笑)

楠本 いや環境ですよ。鳥取の環境の事やるならまだ言いですけど、島根の銀行とかいってるんすよ。

見上 銀行家になって、例えば志あるプロジェクトにお金を下ろしてみたいな明治の中程ぐらいの世の中じゃないじゃないですか。

楠本 ちょっとお金をもらって歳になったら退職して。訳がわからない。

見上 ロマンが減った世の中だとは思いますよね。


その3へ続く