鍋島展 ―献上のうつわ― | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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戸栗美術館にて、3月27日まで・・・つまるところ、本日まで開催されていた、

“鍋島展 ―献上のうつわ―” に滑り込みで行ってまいりました。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鍋島



さてさて、行ってはみたものの。

鍋島焼が何なのかすら、わからかった僕ですが。

(↑陶磁器に疎すぎる・・・)

自他共に認める古陶磁専門美術館・戸栗美術館の丁寧な解説のおかげで、

鍋島焼の観賞ポイントをモノにすることが出来ましたチョキ

今の僕には、鍋島焼と伊万里焼を見分けることなど、容易いこと。



そもそも鍋島焼とは、


 日本初の磁器焼造に成功した佐賀藩鍋島家が、藩直営のもとに創り出した磁器。

 将軍家や公家などへの献上を目的として作られているため、日本磁器の最高峰と謳われています。



ざっくばらんに言ってしまいますと、

同じ佐賀県で作られた磁器ではあるものの、

鍋島焼はセレブ用、伊万里焼は一般用と、性格は全然違います。


また見分け方にも、ポイントがあります。


①鍋島焼の方が、高台 (=皿の下の台になっている部分) が高い

②鍋島焼の裏は、つるつるすべすべ。伊万里焼は、ポツポツがある。

③鍋島焼は絵付けが丁寧で、ズレがない。伊万里焼は、よく見ると、ズレが結構ある。

④鍋島焼に使われている色は、伊万里焼のよりも少ない。


②と③は、あきらかに、セレブ用は、

一般用と比べて、こんなにも仕事の丁寧さが違うものなのかと気付かされます (笑)

④は、将軍が出した倹約令に由来するそうで、

将軍のお皿が豪華であってはならないため、金銀カラフルでは無くしたのだとか。

しかし、かえって品があって、鍋島焼の方が、イイ感じなのです。



今回の展示を通じて、鍋島焼の魅力に気付かされるとともに、

伊万里焼に対する僕の評価はグンと下がることになりました (笑)

あちらを立てれば、こちらが立たず…な美術展。

星星



ではでは、今回の出展作品を、いくつかご紹介いたしましょう。

まずは、 《染付 桃文 皿》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-染付 桃文 皿



白と青のコントラストが、観ていて気持ち良いです。

しばらく観ていると、無性にバーミヤンに行きたくなります (笑)



続いて、 《色絵 南天文 皿》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-色絵 南天文 皿



葉を三色で塗り分けているとことに、

優れたデザインセンスを感じました。

また、南天の実も、実に可愛らしいです。



《色絵 柴垣桜花波濤文》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-色絵 柴垣桜花波濤文



波に桜!

ありそうでなかった組み合わせです。

この皿は何と言っても、波の文様の細かさにポイントが。

画像では淡い青一色にしか見えませんが、

実は、これは、細かい線が一本一本描かれているのです。

驚愕必至。



こんな一風変わった鍋島も。

《青磁染付 七壺文 皿》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青磁染付 七壺文 皿



皿の中に壺!

皿なのか、壺なのか。 (たぶん皿)

それも、青磁があったり、白磁があったり、ひびが入っているのがあったり。

箇所によって皿の肌の質感が違っているのが面白かったです。



他にも、まだまだまだ紹介したい作品があるのですが。

(何せ、2時間も観てました!)

どうせ、本日までなので、割愛します (笑)




今回は、一つも美術展情報に繋がらなかったので、

せめて次回の戸栗美術館の美術展を紹介して、記事を終えたいと思います。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-次回





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