夫に
「これは僕達の旅行ではなく、アサギさんの旅行だ」
と言われ、大ショックを受けた私。
でも、実は。
これとよく似たことを、私は少し前にも言われていたのだ。
それは今回の引っ越しのとき。
「今回の引越しは、僕らの引越しじゃなくてアサギさんの引越しだから」
そう、もしかしたらこのときから少し距離ができていたのかもしれない。
当時は「きっとすぐに慣れるよ」みたいな感じで流してしまった。
引越し後は、彼も新居がすぐに気に入ったみたいだったし、
違和感は取るに足らない物として、処理されてしまった。
引越しや年度末のバタバタに追われたのもあり、
結局向き合うこともせずNYまで来てしまった。
自分にとって必要な試練というのは、
ちゃんと向き合い、そこから学びきって消化するまで
何度でも繰り返し形を変えて、自分に訪れる。
まるで、それを具現化したかのような出来事だった。
でも、このときの私の正直な気持ちをいうと。
反省なんて1mmもなく、ひたすら彼に対して不満に思っていた。
そこにはやっぱり「私がお金出してるんだけど?」っていう
超ドケチ根性も、もう思いっきり含まれている。
だってもし男女が逆転してた場合は
夫にこんなこと言う妻なんていないと思ったし。
「女性が稼ぐと夫婦はうまくいかない」ってよく言うけど。
これって本当なのかも。女性が稼いで円満って、やっぱり難しいのかも。
そんなことを思い始めていた。
(↑コレ思いっきりNGな思考回路。「自分にできることは何か?」を一切考えず、
一般論で「無理」と言われていることを鵜呑みにし努力を放棄する)
憧れのNYで、
最高に素敵なホテルに泊まって、
毎日一番食べたいものを食べて・・・
ここまでしてあげてんのに、何が不満なわけ?って・・・思っていた。
・・・。
私はこの先、一体どうしたらいいんだろう。
本当は、自分自身も自分のビジネスも、
もっともっと成長させていきたい。
私には実現したい世界があって、少しでも世の中を変えて行きたくて、
そのためには、これっぽっちの影響力じゃ全然足りない。
法人化の準備だって進めているし、
次の展開のアイディアだって、いくらでも出てくる。
まだまだやりたいことも、やらなきゃいけないこともたくさんある。
・・・でも。
私が成長すればするほど、彼との距離はきっと離れていく。
自分の思考回路は、日々どんどんアップデートされていて、
すごいスピードで変化しているのを自分でも実感している。
でも彼は・・・私と出会った4年前から、何一つ変化していない。
思考も行動も、4年前から全く成長していないように見える。
私と彼の価値観がどんどんずれていくのを、実は日々感じていた。
だからこそ私は必死にもがいたんだ。
なんとか距離を縮めようと、環境から彼に影響を与えようと、
引越しや旅行という強攻策をとったのに。
全く意味がなかったことを、つきつけられてしまった。
私はもう号泣しながら彼に聞いた。
「じゃあ私、どうしたらいいの?
このままだと、私と貴司くんの価値観はどんどん合わなくなっていくよね。
それが嫌だから、色々必死で考えてるのに。
貴司くんが私に付いてきてくれないんだったら、
私が貴司くんに合わせるしかないよね?
私が今してることを全部諦めて、昔の生活に戻ったら良い?」
・・・私はこのとき、この先も夫と一緒にいたいのなら
仕事を辞めなければいけないのかもしれない、とすら思い始めていた。
あるいは、もし辞めたくないのなら・・・
もしかしたら、夫と離れる決断をしなければいけないのかも、とも。
以前メルマガに、
「愛と執着の違いってなんだろう」
って書いたことがある。
そう、あれは私。
あのときの私は、その答えを必死に求めていた。
私は夫と一緒にいたい。
でもそのためには、夫にも一緒に変化して行ってもらわないと難しい。
でも・・・そこまでして、一人の男性にこだわる必要ってあるんだろうか。
それは愛じゃなくて、もはや執着なんじゃないんだろうか・・・。
ずっと、そのモヤモヤが解決しなかった。
そして、肝心の彼の返答は。
「わからない・・・」
もう、どうしたらいいのか私にもわからなかった。
でもサヤさんと待ち合わせしているからもう出なきゃいけない。
泣いて落ちたメイクを直し、私は部屋を出た。
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