ケニアの雄大な夕日を見ながら、小説「沈まぬ太陽」を思い出した。ケニアは今年亡くなられた山崎豊子氏の大作の最初の舞台。キリマンジャロを見ながら死にたい、とかねてから山崎氏は思っていたそうで、旅行の際ケニアを案内してくれたのがJALの安全管理を組合から非難して、テヘラン、ナイロビに転勤(左遷)させられていた彼。その彼に聞いた話がヒントになって小説が誕生した。会社の安全管理を訴え、左遷されながらも会社を愛し、御巣鷹山の事故が起こってからは被害者の救済に全うし、会社の再生に命をささげた人物だ。ノンフィクションともいえる小説は、アフリカ編、御巣鷹山編、会長室編などの歴史的大作。彼との出会いがなければこの小説は生まれなかった。
私にもケニアで小さな出会いがあった。ホテルのバーで働くGraceと名乗るチャーミングな女性で、26歳。来月結婚して、子供も作って、ホテルで仕事をしながら10万円ほどためてオリジナル色のあるカフェを開いて、成功させたら、ユニークな料理のレストランを開きたいと。目がキラキラ輝いている。
私は祈って応援するしかないけど、成功して欲しい。
ダウンタウンにBank for Womenという看板も見つけた。この国、Graceのような女性が変えてくれるかも。それほど遠くない?
今年も一年いろいろな出会いがあった。
感謝、感謝の一年だ。
一期一会、人生の財産として一人、一つ、宝にしたい。
来年はどんな出会いがあるか楽しみ。