Academy 開講:クライアントと翻訳者の架け橋となる | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

ASCA Academy 2017年第1回目が開講。ヤンセンファーマ株式会社メディカルライティング部の堤氏にご登壇いただいた。タイトルは「クライアントが求める翻訳の品質とは」。新薬を必要としている患者さんたちに一日も早く薬剤を届けるために、翻訳者とクライアントが目的意識を共有し、共にゴールを達成するための講義である。現場最前線から申請資料翻訳のエッセンスをお話しいただいた。

 

ASCA Bulletinバックナンバーからアルパリエゾンの有馬先生のお言葉が冒頭に紹介された。
翻訳は単なる単語の置き換えでなく、メッセージをアウトプットすること
翻訳者は皆メディカルライターを目指すべき
翻訳には意訳も直訳もない
正しい翻訳とは、原文の意味が100%反映されていて、その目的にふさわしい単語や表現を用いて書かれている
翻訳者と製薬会社の双方が「文書の品質向上」という同じ目標を目指すことで、業界全体のボトムアップにつながる
など。いつも言われることではあるが、お客様から言われると改めて心に響く。

 

「会社の決まった表現、前版に合わせてほしい」とは何度もおっしゃっていた。
「推敲を実践してほしい」とも強調。
「わからないことが聞いてほしい」
「数字・単位は打ち直さずに、コピーペイストで」
など“当たり前”のことをおっしゃりつつも、
非臨床、臨床とも、事例を交えて細かく説明いただいた。


今回は課題も出ていたので、サンプル翻訳文に東京、大阪の受講生から、「私ならこう訳す」、「この表現はどうか」など、受講生の熱心さが伝わってきた。丁寧にご対応いただき頭が下がる。

 

翻訳者にしてみると、要求は厳しいし、その納期でそこまで?とつい思ってしまうことも多々、クレームにへこむことも。それでも今回のように、現場の声が聴けるとスイッチが入るはず。

今回の講義のためにどれだけの準備をいただいたかと思うと頭が下がりっぱなしである。

話してよかった、と思っていただける成果が出ればうれしい。
講義録もできるはずなので楽しみにしておいてほしい。

 

新しいASCAのロゴマークのメッセージは“架け橋”である。
翻訳者の皆とクライアントの架け橋となりたいと考えている。
そんな活動の1つが今日の講義だ。

来月は塩野義製薬の方、3月はライオンブリッジジャパンの方にお話しいただく。
強固な架け橋になっていきたい。