アスカ有機農園のブログ

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アスカ有機農園でもお馴染みの右京区常磐のタローベーカリーさん
今日11月15日、開業10周年を迎えられました~!おめでとうございま~す!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ヾ(´▽`*)ゝ


今回はアスカ有機農園でもファンの多いタローベーカリーさんについてご紹介させて頂きます!(^^)
タローちゃんのパンへの思いをぜひ皆さんにお伝えしたいので、長文ですが『タローベーカリー物語』ぜひお付き合い下さい!





《安全なパンを作るきっかけ》

店主の鬼頭秀康さん(タローちゃん)は元々、大学新卒時に『世界のパンを作る』というキャッチフレーズに惹かれて中堅パ ンメーカーに就職、みっちり5年間パン製造の技術を学び、国産小麦や天然酵母を使ったパンの試作を担当するなど活躍されていましたが、ある日を境に粉を触るたびにひどい手荒れに悩まされるようになってしまったのです。


それはあまりにも突然だったので、自分ではてっきり小麦アレルギーを発症したのだと思ったそうです
そう言われてみれば身の回りに小麦アレルギーで仕方なく辞めていった同僚が数知れず、また現在残っている社員もほとんどが鼻を病んでいることにハタと気がつきました。パン職人としては致命的な症状ですが、彼は意を決して病院の検査を受け、その結果はなんと『アレルギーなし』という診断。
そこではじめて彼は輸入小麦に含まれるポストハーベスト、残留農薬を疑い始めたと言います。

そんな中、国産小麦への思いが膨らんだ鬼頭さんは名古屋のこだわりパンのお店に転職することになります。そしてわかったのは『国産小麦では手荒れが出ない』という事実でした。輸入小麦の残留農薬の危険性を身をもって体験した彼はそこではじめて『自分の焼くパンは国産小麦しかない』という決意をしたのです。


《アスカ有機農園との出会い》

アスカとタローちゃんの出会いは彼がお店を開業される2年前まで遡ります。
元来旅好きだった彼は大学時代の友人が住む京都を訪れた際、その魅力に惚れ込み『ここで安全なパン屋をしたい』という思いに駆られました。
パン屋の夢を持って京都に住むことになった訳ですが、まず収入を得るため賃貸不動産屋さんに就職されます。
その頃アスカのお店にもよく買い物に来てくれていて、当時アスカの店長・伊原が主催していた西院春日神社でのオーガニックマーケットで、豊田勇造さんやザ・ファミリーさん、くすきしんいちさんなどが出演するライブステージでもPA音響の設営など、ボランティアスタッフとして活動したりしてくれていました。


その頃彼は自分の目指すパンを求めて京阪神のこだわりパン屋さんをくまなく探し歩いていたそうです。
そんなある日、ふとアスカで買った醍醐のパンフルートさんのパンを食べた彼は『これだ!』と直感、すぐさまパンフルートの干川さんに『無給でいいから修行させて下さい!』と直談判し弟子入りしたのです!根っからの情熱家なん
ですね~♪でも実際には給料は下さったそうですが…!(笑)



アスカの米づくりに参加するタローちゃん(左端)


《タローベーカリーの誕生》

アスカで買ったパンフルートさんの全粒食パンを食べて、ホシノ酵母を使ったパンではじめて柔らかく美味しいと思える食パンに出会ったという彼は、その技術を学ぶため弟子入り。その秘密が濾し方と発酵熟成時間にある事を知ります。前日から仕込んで翌朝に分割するまで、当然その労働時間は長くなりますが、微生物相手なのでただ待つしかないのがツラいところではあります

パンフルートさんでの修行期間中には製造技術以外にも、京都で店をするのに必要な仕入れ先や機械の業者を教えてもらったそうです。そしてそこで出会った業者からたまたま年代物の窯があると聞いて早速見に行ったところ、それを契機に怒濤の流れでたまたま閉店したパン屋のあった現在の場所に開店することになったのです。
『たまたま』は偶然ではなく、必然の成せる業なんですね~(≧∇≦)

タローベーカリーの名前の由来は鬼頭さんが大好きな岡本太郎からきています。店頭に太陽の塔があるのもそのためなんですよ~♪


《最高のパートナー、寿美子さん》

奥さんの寿美子さんとは名古屋のこだわりパンのお店で出会い、京都での修行中、奥さんは老舗の中村軒で働いておられました。
現在、アスカ有機農園でも中村軒さんや次男の竜兵そばさんとお取引頂いていますので、ここでも不思議なご縁を感ぜすにはおれません。
奥さんは中村軒さんで餡の作り方や仕入れ先なども教えてもらわれて、開店から現在に至るまで素晴らしいお付き合いを続けておられます

そして何よりあの素晴らしく美味しい菓子パンや調理パンの具材をすべて奥さんが一人で、もちろん完全無添加で手作りされているのです。まさしく寿美子さんあって、はじめてタローちゃんのパンの完成ですよね~♪(≧∇≦)

寿美子さんは控えめながらとても芯の強い方で、情熱的なタローちゃんのように多弁ではありませんが、なんとなく全体の雰囲気から伝えたいことを感じ取ってもらえたら嬉しいと仰っていたのが印象的でした。





《素材、そしてこだわり》

タローベーカリーで使用する小麦粉はすべて国産。北海道産のハルユタカを主体に、全粒粉は秋田県産の無農薬ユキチカラを石臼で自家製粉して使用しています。
元々は栃木県の農家から仕入れておられましたが、3.11以後セシウムが検出され断念。素晴らしい農家だっただけにその無念の思いがタローちゃんを反原発へと駆り立てていく原動力ともなりました。
酵母は米こうじなどを原料とした日本人に合っていると感じるホシノ酵母、それ以外にも自家製レーズン酵母は開店時からの10年ものを使用。これはカンパーニュやブリオッシュに使用されています。また菓子パン等にはフランス製のドライイーストも使用されていますが、タローちゃんとしては基本、微生物であるイースト自体は悪者ではなく、製造過程で使うイーストフードなどの添加物こそが問題だと考えておられます。
『天然酵母』という言葉の響きだけで安全と判断するのは早計で、天然故に雑菌の繁殖リスクも高まり、現に天然酵母のパン屋さんの多くは品質管理に問題があると考えておられます。
また、それ以外の素材でも玄米食パンに使う玄米はアスカ有機農園から美山産の無農薬コシヒカリを納入させて頂いていますし、ナッツや卵、具材に至るまで徹底した吟味を日夜重ねておられます。




《タローちゃんの伝えたいこと》

原発問題やTPPなど、日本の安全な食べ物は今、かつてない分岐点にあると思います。
そんな中、タローちゃんは日本人一人一人が生活の優先順位を考えて欲しいと言います。食べ物なのか、お金なのか、老後の安心なのか、しっかり考えて欲しいと。生活者がぼんやりしていると政治が勝手に変な方向に向かってしまうという危機感を持っておられます。
食べ物が健康の基本であり、いくらお金があっても健康な心身が保たれなくては幸せにはなれない、それがタローちゃんがパンを焼く信念なのです。