喜八ログ:トロイの木馬
http://kihachin.net/klog/archives/2007/10/trojanhorse.html

以下は平沼赳夫衆議院議員(無所属)による「年次改革要望書」の解説です。非常に分かりやすいので引用させていただきます(「小泉政治「負の遺産」を越えるために」平沼赳夫、『別冊正論 Extra.7』26-27頁)。

「年次改革要望書」は、平成五年(一九九三)に当時の宮澤喜一首相とクリントン米大統領が会談し、日米の構造協議の一環として翌平成六年の村山富市内閣から毎年出されるようになった。これは、あらゆる分野にわたってアメリカが「日本に改革をしてもらいたい」という要望が記された文書である。邦訳は「要望書」という表現になっているが、英語原文は「イニシアティブ」で、アメリカの要求に対して「日本が優先的に解決すべき課題」というような強圧的意味合いが含まれている。

(『アメリカの言いなりでいいのか!?仕組まれた「構造改革」と汎アジア共同体構想』関岡英之、10-12頁)。

関岡 国益に反していることが自分でわかっている確信犯もいるのかもしれませんが、さまざまなルートでアメリカに取り込まれ、いつの間にか洗脳に近いかたちで、アメリカの国家戦略の片棒を担ぐように囲い込まれてしまう場合が多いのではないでしょうか。
 ある省庁の官僚から聞いた話ですが、以前アメリカ大使館の職員が「意見交換をしたい」と接触してきたので気軽に会い、アメリカの政策を率直に批判したらそれっきり二度と連絡が来なくなった、もしあの時当り障りのない話をしていたらその後どんな展開になっていただろうか、と言うんですね。おそらく二度、三度と会合を重ねるうちにアメリカに行ってみないかと誘われ、向こうで破格の待遇を受け、要人に紹介されたりして人脈も広がったりするうちに舞い上がり、自分は他の同僚たちと違ってワシントンから注目されている特別な価値ある存在なんだという自意識が過剰になる。そうしてアメリカ側にどんどん取り込まれながら、日本の組織内部でも出世していく。こうしたタイプの人は、官界だけでなく、政界にも、財界にも、学界にも、報道界にも結構いるのではないか。自覚的にせよ無自覚にせよ、「トロイの木馬」を演じている人たちが日本の各界の指導層にいるようなのです。
 これはまさに植民地統治の常道なんですね。白人に対して迎合的な、利に聡《さと》い現地人を抜擢《ばってき》して宗主国に留学させ、教育したあと母国に送り返して出世をバックアップし、間接統治の道具にするわけです。



アメリカ大使館
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-econ.html#kiseikaikaku

年次改革要望書(Wikipedia)http://bit.ly/c1zUM7
年次改革要望書(ねんじかいかくようぼうしょ)は、日本政府と米国政府が両国の経済発展のために改善が必要と考える相手国の規制や制度の問題点についてまとめた文書で、毎年日米両政府間で交換される。「成長のための日米経済パートナーシップ」の一環としてなされる「日米規制改革および競争政策イニシアティブ」に基づきまとめられる書類であり、正式には「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書」(The U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)という。なお、交換後は、それぞれの要望書について作業部会、上級会合の場で日米間で議論のち、日米共同の報告書をとりまとめることとなる。


外務省HP http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/pship_g.html#03
規制改革及び競争政策イニシアティブ(Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)
(1)1年目(2001年~2002年)の対話
•2001年10月14日に日米間で双方の要望書を交換。
(日本政府から米国政府に対する要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2001年11月5~7日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(2)2001年11月12・13日 エネルギー作業部会(東京)
(3)2001年11月28日   医療機器・医薬品作業部会(東京)
(4)2001年11月29・30日 情報技術作業部会(東京)
(5)2001年12月19・20日 電気通信作業部会(東京)

•2002年3月13・14日にワシントンにて上級会合を開催
日本側議長:大島外務審議官
米側議長:ハンツマンUSTR次席代表

•また、上記の上級会合の機会をとらえ、以下の作業部会が第二回会合を開催。
(1)2002年3月11・12日 分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)
(2)2002年3月12日 医療機器・医薬品作業部会(ワシントン)
(3)2002年3月14・15日 情報技術作業部会(ワシントン)

•その後、以下の作業部会についても第二回会合を開催。
(1)2002年5月20日 電気通信作業部会(ワシントン)
(2)2002年5月24日 エネルギー作業部会(ワシントン)

•2002年6月13日に東京にて第二回上級会合を開催。
•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む、進展を特定した文書による報告書を、6月25日の日米首脳会談(於:カナナスキス)の機会にとりまとめ、公表。
(1年目の対話に関する報告書(和文(PDF)(仮訳)/英文(PDF))

(2)2年目(2002年~2003年)の対話
•2002年10月23日に日米間で双方の要望書を交換。
(日本政府から米国政府に対する要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2002年11月18日   電気通信作業部会(東京)
(2)2002年11月19・20日 医療機器・医薬品作業部会(ワシントン)
(3)2002年11月20~22日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(4)2002年11月20・22日 エネルギー作業部会(東京)
(5)2002年12月4・5日 情報技術作業部会(東京)

•2003年2月27・28日にワシントンにて上級会合を開催
日本側議長:藤崎外務審議官
米側議長:ハンツマンUSTR次席代表

•また、上記の上級会合の機会をとらえ、以下の作業部会が第二回会合を開催。
(1)2002年2月24日  情報技術作業部会(ワシントン)
(2)2002年2月25日  電気通信作業部会(ワシントン)
(3)2002年2月26日  分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)

•その後、以下の作業部会についても第二回会合を開催。
2003年3月26日  エネルギー作業部会(TV会議)
2003年5月13日  医療機器・医療品作業部会(東京)

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む、進展を特定した文書による報告書を、5月23日の日米首脳会談(於:米国テキサス州クロフォード)の機会にとりまとめ、公表。
=(2年目の対話に関する報告書(和文(PDF)(仮訳)/英文(PDF))

(3)3年目(2003年~2004年)の対話
•2003年10月24日に日米間で双方の要望書を交換
(日本政府から米国政府に対する要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催(東京)。
(1)2003年10月27日~28日 医療機器・医薬品作業部会(概要)
(2)2003年11月4日 電気通信作業部会(概要)
(3)2003年11月6日~7日 分野横断作業部会(概要)
(4)2003年11月10日~11日 情報技術作業部会(概要)
(5)2003年11月10日~11日 エネルギー作業部会(概要)

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催(ワシントン)。
(1)2004年3月1日 情報技術作業部会(概要)
(2)2004年3月2日 電気通信作業部会(概要)
(3)2004年3月2日 エネルギー作業部会(概要)
(4)2004年3月2日~3日 医療機器・医薬品作業部会(概要)
(5)2004年3月3日 分野横断作業部会(概要)

•各作業部会の結果を踏まえ、2004年3月4日~5日にワシントンにて上級会合を開催(概要)。
日本側議長:藤崎外務審議官
米側議長(代理):ベロノーUSTR法務官

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む、進展を特定した文書による報告書を、6月8日の日米首脳会談(於:米国ジョージア州シーアイランド)の機会にとりまとめ、公表。
=(3年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF)/英文(PDF))

(4)4年目(2004年~2005年)の対話
•2004年10月14日に日米間で双方の要望書を交換
(日本政府から米国政府に対する要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))

◦要望背景(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
◦要望要約(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催(東京)。
(1)2004年12月2~3日 医療機器・医薬品作業部会
(2)2004年12月6~7日 エネルギー作業部会
(3)2004年12月7~8日 情報技術作業部会
(4)2004年12月8日~10日 分野横断作業部会
(5)2004年12月13日~14日 電気通信作業部会

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催(ワシントン)。
(1)2005年3月4日、9日 医療機器・医薬品作業部会
(2)2005年3月7~8日 情報技術作業部会
(3)2005年3月7~8日 電気通信作業部会
(4)2005年3月7日、9日 分野横断作業部会
(5)2005年3月14日 エネルギー作業部会

•各作業部会の結果を踏まえ、2005年3月10日にワシントンにて上級会合を開催。
日本側議長:薮中外務審議官
米側議長:シャイナー次席通商代表

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む進展を特定した文書による報告書を11月2日に公表。
=4年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF))(英文(PDF) )

(5)5年目(2005年~2006年)の対話
•2005年12月8日(米国時間7日)に日米間で双方の要望書を交換
(日本政府から米国政府に対する要望書)

◦要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
◦要望背景(PDF)
◦要望要約(PDF)
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2006年1月23・24日 情報技術作業部会(東京)
(2)2006年1月25・26日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(3)2006年1月31日・2月1日 電気通信作業部会(東京)
(4)2006年2月1日 医療機器・医薬品作業部会(東京)

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催。
(1)2006年3月27・28日 医療機器・医薬品作業部会(東京)
(2)2006年3月28日 情報技術作業部会(ワシントン)
(3)2006年3月29・30日 分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)
(4)2006年3月30日 電気通信作業部会(ワシントン)

•2006年3月31日にワシントンにて上級会合を開催
日本側議長:薮中外務審議官
米側議長:バティアUSTR次席代表

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む進展を特定した文書による報告書を、2006年6月29日の日米首脳会談(於:米国ワシントン)の機会にとりまとめ、公表。
=5年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF))(英文(PDF) )

(6)6年目(2006年~2007年)の対話
•2006年12月5日に日米間で双方の要望書を交換
(日本政府から米国政府に対する要望書)

◦要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
◦要望趣旨(PDF)
◦要望概要(PDF)
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2007年1月22日 電気通信作業部会(東京)
(2)2007年1月23・24・25日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(3)2007年1月26・29日 情報技術作業部会(東京)
(4)2007年2月8・9日 医療機器・医薬品作業部会(東京)

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催。
(1)2007年4月2・3日 分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)
(2)2007年4月3・4日 医療機器・医薬品作業部会(ワシントン)
(3)2007年4月4日 情報技術作業部会(ワシントン)
(4)2007年4月4日 電気通信作業部会(ワシントン)

•2007年4月5日にワシントンにて上級会合を開催
日本側議長:河野外務審議官
米側議長:バティアUSTR次席代表

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む進展を特定した文書による報告書を、2007年6月6日の日米首脳会談(於:独ハイリゲンダム)の機会にとりまとめ、公表。
=6年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF))(英文(PDF) )

(7)7年目(2007年~2008年)の対話
•2007年10月18日に日米間で双方の要望書を交換
日本政府から米国政府に対する要望書

◦要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
◦要望概要(和文(PDF)/英文(仮訳))
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2007年11月15日 医療機器・医薬品作業部会(東京)
(2)2007年12月3、10日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(3)2007年12月11日 電気通信作業部会(東京)
(4)2007年12月13、14日 情報技術作業部会(東京)

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催。
(1)2008年4月1日、2日 分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)
(2)2008年4月2日、4日 医療機器・医薬品作業部会(ワシントン)
(3)2008年4月3日 情報技術作業部会(ワシントン)
(4)2008年4月4日 電気通信作業部会(ワシントン)

•2008年5月19日にワシントンにて上級会合を開催
日本側議長:河野外務審議官
米側議長:ベロノーUSTR次席代表

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む進展を特定した文書による報告書を、2008年7月6日の日米首脳会談(於:北海道洞爺湖)の機会にとりまとめ、首脳会談の前日(5日)に公表。
=7年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF))(英文(PDF) )

(8)8年目(2008年~2009年)の対話
日本政府から米国政府に対する要望書
◦要望書(和文(PDF)/英文(仮訳)(PDF))
◦要望概要
(米国政府から日本政府に対する要望書(在京米国大使館の関連サイトへ))

•各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。
(1)2008年12月8、9、10、11日 分野横断的問題に関する作業部会(東京)
(2)2008年12月11、15日 情報技術作業部会(東京)
(3)2008年12月12日 電気通信作業部会(東京)
(4)2008年12月17、19日 医療機器・医薬品作業部会(東京)

•各作業部会(課長級)について、第二回会合を開催。
(1)2009年4月13日~16日 分野横断的問題に関する作業部会(ワシントン)
(2)2009年4月15日、17日 医療機器・医薬品作業部会(ワシントン)
(3)2009年4月13日、16日 情報技術作業部会(ワシントン)
(4)2009年4月10日 電気通信作業部会(ワシントン)

•2009年5月18日にワシントンにて上級会合を開催
 日本側議長:鈴木経済局長
 米側議長:ウェンディ・カトラー米国通商代表補

•これまでの作業部会及び上級会合での議論を経て、両政府が取る措置を含む進展を特定した文書による日米首脳への報告書を、2009年7月6日公表。
=8年目の対話に関する報告書(概要)(和文(PDF))(英文(PDF) )