政界緊迫!小沢捜査・検察審査会、あす「判決」
(日刊ゲンダイ2010/4/19)
地検特捜部 即日起訴の禁じ手も

東京地検が小沢幹事長を不起訴にしたことが妥当だったかどうか――。検察審査会があす(20日)結論を出すという情報が広まり、政界が一気に緊迫している。もし、検察審査会が「起訴相当」や「不起訴不当」と判断した場合、大新聞・テレビがまた“小沢有罪説"で大騒ぎするのは確実だ。
小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐって、東京地検はなんとか小沢本人を立件しようと総力を挙げて捜査したが、結局、起訴することを断念。事件は3人の秘書、元秘書の立件だけで決着した。
ところが、不起訴に納得しない正体不明の「市民団体」が、検察審査会に審査を申し立てたため、審査会が審議を続けていた。ほったらかしにされる事件が多いなかで、小沢事件だけが不起訴決定から2カ月余りで超スピード審議だから不可解だが、その審議結果が20日に出されるとみられているのだ。
「審議は一般の有権者からクジで選ばれた11人の審査員によって行われます。ところが、小沢幹事長の案件を審議している審査会は、4月末に11人中6人の任期が切れてしまう。5月に入ると、また6人の新しいメンバーが加わってイチから審議することになります。そこで4月中に結論を出すとみられているのです。審議は通常、火曜日に行われるため、20日が大本命となっています」(司法事情通)
審議の結果、11人中8人以上が「刑事責任を問うべきだ」と判断すれば「起訴相当」、過半数が「もっと捜査を尽くすべきだ」と考えれば「不起訴不当」、いずれも満たさなければ「不起訴相当」となる。

◇何から何まで謀略めいた政治的動き
小沢幹事長の案件は、特捜部が威信をかけて念入りに捜査をしていることから、常識では「不起訴相当」になるケースだ。だが、審査員がマスコミ報道に左右されやすい一般人のため「起訴相当」や「不起訴不当」になる可能性もあるという。
ただ、審査会が「起訴相当」と判断しても、検察が「はい、分かりました」と起訴することは、メンツからまずない。再度「不起訴」とするのが通常だ。
審査会の結論に従わず、検察が起訴しなかった場合、審査は第2段階に移り、11人中8人が改めて「起訴すべきだ」と議決した時、初めて裁判所が指定した弁護士が強制的に起訴することになる。
ところが、もうひとつ、陰謀めいた話がある。東京地検は20日に「起訴相当」の結論が出たら、即座に「起訴」する可能性が高いというのだ。
「もし、裁判所に指定された弁護士が起訴することになったら、検察は捜査資料をすべて弁護士に渡さなければならない。見られたらマズイものでもあるのか、検察は捜査資料が弁護士に渡ることを極端に嫌がっているようなのです。だったら、20日に『起訴相当』の結果が出たら、たとえ裁判で有罪に出来ないことが分かっていても起訴してしまえ、という声が上がっているというのです」(捜査事情通)
もともと「小沢事件」は検察が世論を誘導しながら強引に捜査しても、起訴できなかったチンケな事件。なのに、参院選前にもう一度、政治問題化させて小沢失脚を狙うとしたら、まさに暗黒政治そのものだ。