おそまつクン・赤松農相、口蹄疫被害「全額補償」のうさん臭さ (日刊ゲンダイ 2010/5/11)

GW外遊、現地入りは感染から3週間後
「政界のおそまつクン」こと赤松農相が久しぶりに脚光を浴びた。きのう(10日)、家畜感染症の口蹄疫が大問題になっている宮崎で会見し、牛や豚などの家畜を処分された農家に全額補償を実施するとブチ上げたのだ。
宮崎県内では、4月下旬からこれまでに67カ所の農家などで感染疑いが見つかり、処分対象は7万6000頭を超した。国内で過去最悪の被害になっている。
そんな中で飛び出した「全額補償」発言。一見、マトモな対応のように思えるが、本当にそうか。
「いまは家畜処分への補償は評価額の8割です。県が残りの2割を措置し、後から国が補うとしています。赤松農相は特別交付金で対応するとしていますが、被害が拡大しても全額補償を貫けるのか。一部には参院選を意識した行動ではないか、とのうがった見方も出ています。民主党は宮崎に新聞記者出身者を擁立しているが、自民候補相手との勝負は微妙ですからね」(農政関係者)
財源を度外視した、行き当たりばったりの対応でなく、この種の被害への恒久的な対策を打ち出すのが政府の仕事だろう。しかも、赤松農相が現地入りしたのは、感染が報告されてから3週間もたってからで、「現地入りが遅い」という批判も出ていた。それもそのはず。赤松はGW期間中、メキシコ、キューバ、コロンビアの3カ国を訪問していたのだ。
「口蹄疫が確認されたのは4月20日。農相が外遊に出かけたのは30日から。少なくともこの間に現地入りして、現状を把握すべきだった。全額補償を言い出したのは、そんな批判も背景にあるのではないか」(前出の関係者)
鳩山内閣の閣僚は、どこかネジが緩んでいる。