もうひとつの機密費問題・カネを配らないから鳩山・小沢は叩かれるのか
(日刊ゲンダイ2010/5/18)

TV・新聞の政治部記者の厚顔無恥
カネの切れ目が縁の切れ目とは、よく言ったもの。朝から晩まで鳩山政権を叩き続ける大マスコミの政治部記者は、一体何が気に食わないのかと思ったら、今、話題になっている官房機密費が理由のようだ。
機密費をめぐっては、野中広務元官房長官が、講演会などで「総理に月100万円」「衆院国対委員長と参院幹事長に月500万円」などと発言。受け取った評論家の名前も挙げたことで騒ぎになっているが、問題は評論家じゃない。ここにメディアの政治部記者が含まれていることだ。
「自民党政権時代は、およそ一袋5万円が相場。車代、心付け、結婚祝い……。名目はいろいろだったが、記者たちはフツーに受け取っていた。
官邸クラブ在籍中に結婚した記者に首相秘書官が贈り物していた時代もあり、これらのカネには機密費が充てられたといいます。番記者が閣僚にくっついて外遊する際にも使われたし、編集委員や論説委員を招いた勉強会の講師代、会合費用にも支出された。恩恵を受けたテレビ・新聞の政治部記者は多いのです」(元自民党国会議員秘書)
しかし、政権交代後、平野官房長官が自民党ベッタリ記者にカネを渡すわけにもいかず、慣例を変えたというのだ。なるほど、それで政権バッシングが始まったわけか。平野貞夫元参院議員がこう言う。
「私も衆院議長の秘書だった60年代当時、官房副長官だった故・竹下登氏から受け取った官房機密費を政治部記者に使ったものです。料亭や銀座のクラブで飲み食いし、中にはオンナと寝る記者もいた。そういうことは、ずっと引き継がれてきたと言っていい。ところが小沢氏は昔から、こうしたカネを配らないから、記者たちに叩かれている。私はそう見ています」
カネをくれないから批判するなんて、現金すぎる。「政治とカネ」の問題を追及する資格があるのか。