小沢事件の検察審査会・2度目の議決がひっくり返る可能性 (日刊ゲンダイ2010/5/18)

担当弁護士交代か
検察審査会(検審)の2度目の判断がひっくり返る可能性が出てきた――。民主党の小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が先週末の小沢に続き、きのう(17日)、元秘書の衆院議員・石川知裕被告(36)を任意聴取した。
小沢、石川ともに「共謀関係」を否定していることから、検察は月内にも、小沢を再び「不起訴」とする見通し。メディアの予想では、その後、検審が2度目の「起訴議決」を判断、東京地裁の指定弁護士による「強制起訴」というシナリオだ。しかし、ちょっと風向きが変わってきた。カギになるのが検審の補助弁護士の存在だ。
「小沢事件を扱う検審の審査員11人の半数が入れ替わったことに加え、審査員に法律解釈や事実関係の説明をする補助弁護士が前回と代わるかもしれないのです」(司法記者)
この補助弁護士のアドバイスが審査員の判断に影響を与えるのは言うまでもない。1度目の「起訴相当」の議決文作成を手伝ったのは、ヤメ検・ヤメ判弁護士の米澤敏雄氏(73)。米澤氏が再任されるのか、新たな弁護士が就くのかによって、審査員の判断が大きく変わる可能性があるのだ。
肝心の米澤氏は4月下旬の議決以降、都内の事務所に一度も姿を見せず“行方知れず"のまま。「忙しい方なので、いつ来るのか予定は分かりません」(事務所)と繰り返すばかりである。引き続き補助弁護士を引き受けるのかどうかは不透明なのだ。
「小沢氏を『絶対権力者』などと感情を前面に出した議決文を作成した。これには法曹界からも異論が出ています」(前出の司法記者)
そんな声を気にして、米澤弁護士が降りて新しい弁護士に代われば、「微罪の容疑からいって起訴議決にならずに終わるんじゃないか」とみられているのだ。