郷原氏ツイートまとめ「郵便不正事件」(5/26~27)


今日の午後、大阪地裁で、郵便不正事件村木公判の証拠整理手続。検察官が証拠請求している検事調書を裁判所が採用するかどうかが注目されます。証拠にするためには、「特に信用できる情況的保障」での供述であることが必要ですが、そういう情況ではなかった疑いを示す事実が山ほど出ています。

今日の村木公判での裁判所の判断は可能な限り早く情報入手し、私のコメントをツイートします。

もし検事調書の大半が証拠請求却下となれば、自白もないわけですから、検察官には起訴事実を立証する証拠がない。つまり、論告求刑がまともにできない、ということになります。要するに、最終ラウンドの前にTKOという検察にとって致命的な事態になるということです。

詳細はまだ不明ですが、いずれにしても30通を超える検事調書が「特信性」なしと判断されたというのは極めて異例の事態です。@yasmaro証拠採用された9通の検面調書が、どのような証人の調書なのかが気になります


昨日の大阪地裁の検察官証拠請求却下決定は、裁判所が、江副浩正氏、佐藤栄佐久氏、細野祐二氏などが著書で訴えてきた特捜検察の取調べの問題に正面から向き合った画期的なものだったと思います。その大きな原動力となったのは、この裁判が社会的注目を集めたことです(続く)

これまで、特捜事件は捜査ばかり注目を集め、公判は社会的関心の対象外でしたが、今回の事件では、江川さんやナミねえさん達の活動で公判が社会的注目を集めたこと大きかったと思います。それに、何といっても、事実に反する自白を拒否して闘い続けた村木さんの強い意志です。

先ほど江川さんがテレ朝の「やじうま」で言われていたように、この機会に、特捜検察の検察独自捜査の取調べを全面可視化することが必要です。私も、「検察が危ない」の最終章でこのことを強く主張しています。この機会に、議論を一気に盛り上げていきたいものです。

問題の根本に、郵政不正事件の本質についての検察が誤解があると思います。上村公判供述では、多数の仕事に忙殺される中で「軽い気持」で嘘の証明書を作成ってしまったとのことですが、検察は、それを政治家の口利きでもないとやってもらえないような重大なことと考えたわけです

そこで、一つの便法として使われたのが、障害者向け低料第三種郵便だった。それは、年賀状の時期以外はほとんど施設も人員も余っている郵便事業会社側にも、それなりのメリットがあった。だからこそ、ろくにチェックもしないで不正を見過ごしていたのだと思います。

そう考えると、膨大な仕事の中でたいしたことと考えないで虚偽の証明書を作成したという上村供述にも合理性があります。正規料金(こっちが実態とかい離)と比較して数億円もの不正利益を得た悪質犯罪に政治家が絡んだというストーリーにもともと無理があったと思います。

「初歩的」というより、私が「検察が危ない」等の著書で述べているように、現在の特捜検察には経済社会の実態が理解できておらず、実態と違うストーリーを設定し、無理な取調べで結果を出そうとした。そこに「悪意」はあまりないのではないかと思います

特捜部の現場が最初からそういう思惑で捜査をしようとしたとは考えにくいのです。検察の上層部の方から、そういう方向に捜査を持っていくことを期待された可能性もあると思います。@ytsukki衆議院選挙直前でかつ民主党の石井議員に強引に結びつけて事件化しようとした検察の思惑


今回の裁判所の決定で指摘された特捜検察の取調べの問題は、決して大阪地検特捜部だけの問題ではありません。今回の事件の捜査の中心になっていた検事は、西松事件で東京特捜部に応援に行っていたという話もあります。「検察が危ない」でも詳しく書いた取調べの問題は、特捜検察に共通するものです。

今回の裁判所の決定は、特捜検察の捜査に対する裁判所の見方の大きな変化を象徴するものです。裁判所がそれを率直に判断することができる環境ができたのは、竹中さん、江川さんなど村木さんを支援する多くの人達の努力の成果だと思います。

もちろん「しょうがない」ということではありません。私が考えているような問題だとすると、今回の事件を担当した個人の問題というより、特捜検察の構造的な問題であり、その在り方を根本的に見直す必要があるということです。@ozyszm 「じゃあ、しょうがない」とはならないですよね

今回の決定の影響も大きいと思いますが、西松事件の大久保氏の事件は、私がかねてから指摘しているように、もともと事件自体がデタラメで、まともな判決が得られるようなものではないと思います。@kumagayasan 西松の公判への影響はあると思われますか?

まさに今回の問題を機に根本的な検察のコンプライアンスの立て直しを行うことが必要です。特捜検察の構造を含めた抜本的改革を検察が自主的に行うことはかなり難しいことは確かです。@oncook原因を解明して、対策とともにこれを明らかにするということは無理なことなのでしょうか

起訴権限は基本的検察が独占しています。唯一の例外が検察審査会の起訴相当議決による強制起訴です。検察が、その組織に属する検事を偽証で起訴することは考えられません。あるとすれば、告発⇒検審⇒起訴相当(2回)⇒強制起訴というケースだけでしょう。