反小沢VS小沢一郎 あるのか 意外な結末
(日刊ゲンダイ2010/5/28)

「7奉行」が始めた「非小沢系」勉強会に115人

「反小沢115人が集結」――。

小沢幹事長と距離を置く「7奉行」のひとり、玄葉光一郎(46)が開いた勉強会に民主党議員115人が出席したことで、大手メディアが一斉に「小沢vs反小沢」の対立を騒ぎ立てている。一気に「小沢降ろし」になだれ込むのか。


玄葉議員が主催した勉強会は「国家財政を考える会」。国会議員115人のほか、代理の秘書65人が出席したという。党所属国会議員420人の4割以上が参加したことになる。
週1回のペースで会合を開き、消費税論議を進めていくという。消費税アップに否定的な小沢幹事長と真っ向から対立するものだ。
「この時期に勉強会を主催したのは、明らかに参院選後の政局を睨んだものです。

7月の参院選後、慌てて『ポスト鳩山』絡みで動いても簡単には人は集まらない。いまから布石を打って人数を確保しておこうということでしょう。

玄葉議員は『7奉行』のなかでは、珍しく先手を打って動ける男。松下政経塾出身。収賄で逮捕された元福島県知事・佐藤栄佐久の娘婿で、同じ福島出身の渡部恒三と親しい関係です。ウラには、渡部恒三がいるはず。
小沢幹事長も玄葉議員の動きは気になっているようです」(民主党事情通)
ただ、小沢周辺は「反小沢」の動きは広がらないと自信を強めている。「7奉行」が完全に力を失い始めたからだ。

◆「ポスト鳩山」は誰か
もともと7奉行は、小沢一郎に嫌われた渡部恒三が、自分の発言力を高めるために、小沢と距離を置く連中をテキトーに集めたのが始まり。
考え方も肌合いもバラバラだ。
「『反小沢』といっても、ホントに小沢を嫌っているのは、仙谷由人(64)、前原誠司(48)、枝野幸男(45)の3人だけ。7奉行の調整役だった樽床伸二(50)は、いまや『親小沢』です。しかも、反小沢の急先鋒の3人は、入閣し身動きが取れない。中間派の岡田克也(56)と野田佳彦(53)も、大臣、副大臣として政府にいる。いま自由に動けるのは玄葉ひとりだけ。これでは反小沢の動きは広がりません」(反小沢関係者)
しかも、反小沢の急先鋒の3人は、入閣し身動きが取れない。中間派の岡田克也(56)と野田佳彦(53)も、大臣、副大臣として政府にいる。いま自由に動けるのは玄葉ひとりだけ。これでは反小沢の動きは広がりません」(反小沢関係者)
しかも、115人が集まった勉強会には、小沢グループからも相当数が参加している。

小沢周辺は、場合によっては玄葉勉強会も抱き込むつもりだ。

「玄葉議員が勉強会を始めたのは、心酔している岡田外相を『ポスト鳩山』に担ぐためです。とにかく岡田克也を首相にしたい。岡田外相を首相にするためなら、小沢一郎とだって手を組む。そこが、反小沢の急先鋒の3人とは違う。ポイントは、玄葉議員と『親小沢』となった樽床議員が極めて親しいことです。玄葉―樽床ラインで、一気に『岡田首相・小沢幹事長』が誕生する可能性がある。その体制になれば、党内は総主流派。仙谷、前原、枝野の3人だけが、はぐれガラスになります」(民主党関係者)

115人集まった勉強会。大手メディアが「小沢vs反小沢」とハシャギ立てるほど単純ではない。