●社民が連立離脱決定 首相辞任論も、政局緊迫化


 社民党の臨時常任幹事会に出席した(右から)重野幹事長、福島党首ら幹部=30日午前11時すぎ、東京・永田町の党本部
 社民党は30日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐる福島瑞穂党首の閣僚罷免を受け、連立政権からの離脱を決めた。都内で開いた全国幹事長会議での議論を踏まえ、党常任幹事会で決定した。昨年9月にスタートした民主、社民、国民新3党の連立体制は8カ月余りで幕を下ろす。

 夏の参院選を控え、民主党内では福島氏を罷免し、社民党を連立離脱に追い込んだ鳩山由紀夫首相の辞任論が浮上。輿石東幹事長代行も、首相の進退問題に発展する可能性を否定せず、政局は緊迫した場面を迎えた。

 福島氏は幹事長会議終了後の記者会見で「沖縄に新たな基地をつくるという政治を社民党が遂行するのは、国民の信頼を裏切ることになる」と連立解消の理由を強調。一方で、参院選での民主党との選挙協力は可能との認識を示した。

 重野安正幹事長は、連立政権樹立の際に合意した政策に関し、実現に向けて民主、国民新両党と協議を継続していく考えを明らかにした。民主党との関係は当面、法案や政策ごとの「部分連合」になるとみられる。

 福島氏は社民党から政府入りしている辻元清美国土交通副大臣が辞任するとの見通しを表明。鳩山首相が退陣しても、連立解消の方針は変わらないとの考えを示した。

(共同通信 2010/05/30 19:23) http://bit.ly/auslbW




●辻元・国交副大臣「残念な思いで一杯」


 社民党の連立離脱で進退が注目されていた同党の辻元清美国土交通副大臣は、党の方針に従い、副大臣辞職の道を選んだ。


 辻元氏は30日、都内で記者団に、辞職の理由について、「国交副大臣のポストは社民党にいただいたポストだ。筋を通して返上するべきだと考えた」と語った。

 その一方、「予算カットや事業仕分け見直しなどの仕事が途中で、悔しいというか、残念な思いで一杯だ」と複雑な心境を明かした。

 辻元氏はテレビ出演などで知名度が高く、鳩山首相は29日、訪問先の韓国で同行記者団と懇談した際、「副大臣として、これからも頑張って欲しい」と続投に期待感を示していた。

 前原国土交通相も電話で何度も慰留したが実らず、辻元氏から辞職の意向を伝えられると、「残念だ」と繰り返したという。

(読売新聞 2010年5月30日19時24分)http://bit.ly/bKpmU7


●“今後は是々非々の立場で”

社民党の福島党首は、連立離脱を決めたことを受けて記者会見し、今後、鳩山政権に対しては、是々非々の立場で臨みたいという考えを示しました。

このなかで、福島党首は「連立政権のもとで、社民党は雇用や社会保障、子育て支援などの問題に取り組んできており、連立政権を離脱することはきわめて残念だ」と述べました。そのうえで、「この内閣が、普天間基地の辺野古への移設を決め、党首が署名を拒否して、罷免されたにもかかわらず、連立政権にとどまることは社民党に対する国民の信頼を裏切ることになる」と述べました。また、福島氏は、今後の鳩山政権への対応について「是々非々でやっていくことになる」と述べました。一方、重野幹事長は、参議院選挙での民主党などとの選挙協力に関連して、「連立政権を樹立する際につくった3党合意を実現することは、国民への公約であり、これをどうするか、政府や民主党などに確認する必要がある。その結果によって、選挙協力を検討する」と述べました。

(NHKニュース 5月30日 19時3分) http://bit.ly/bZkc87