辺野古移転案・鳩山首相の高等戦術!? (日刊ゲンダイ2010/5/31)

落胆と反発が起きることを承知のうえで、鳩山首相はなぜ普天間の移転先を辺野古にしたのか。
もちろん、「既得権を失いたくない米国の意向」(軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏)が第一だが、別の見方も出ている。「究極の自民党潰し」というのだ。
「鳩山首相が、移転先を辺野古以外の国内にしたら、どこを選んでも地元と米国に反対され、マスコミからも“自民党時代の現行案の方が良かった”と批判される。しかし、現行案と同じ辺野古を選んだことで、とりあえず日米関係は維持されたうえに、自民党やマスコミは移転場所の辺野古については文句を言えなくなったのです」(民主党関係者)
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「といっても、鳩山首相だって、このまま辺野古に基地を建設できるとは思っていない。ここまで問題がこじれ、沖縄県あげての大騒動になったことで、工事もまったくできないでしょう。つまり、辺野古に基地ができることはなくなったのです。それは自民党の現行案も葬られたということ。自民党議員や土建業者の利権も消えるわけです。鳩山首相としては、しばらく時間稼ぎをして、八方ふさがりのどうにもならなくなったところで、国外案を持ち出す考えですよ」(前出の関係者)
うーん、そこまで考えているとしたら、高等戦術だが……。