こちらこそ問題だ!検察審査会 秘密情報が次々マスコミに流れている
(日刊ゲンダイ2010/6/2)

民主党副幹事長の辻恵衆院議員(61)が検察審査会に電話をかけた――と大騒ぎになっている。大手メディアが「圧力だ」「審査会の独立性を侵害している」とヒステリックに叫んでいるためだ。
しかし、国会議員が制度を調べるのは当たり前のこと。それよりも、検察審査会の問題は別にある。極秘情報が“ダダ漏れ”の状況にあることだ。
辻議員は31日の会見で「(電話をかけたことが)漏れることが問題」と話していたが、まったくその通り。検察審査会の情報管理が甘いためか、小沢事件では当初から審査情報が漏れまくっていた。
「表向き、検察審査会の評議内容は開催時期すら明かされない“完全極秘”の会議とされています。ところが小沢事件では、検察審査会が特捜部検事から意見聴取することや、議決時期まで事前に流れた。異常なことです」(司法ジャーナリスト)
検審情報は一体どこから漏れているのか。
「辻議員のケースでは、秘書が最初に問い合わせたのは、小沢事件の審査と関係のない第4審査会。その後、検審事務局の総務課長が対応し、辻事務所が制度論を尋ねた。これが真相です。検審事務局の職員は裁判所職員が兼ねているから、外部に情報を漏らせば当然、公務員の守秘義務違反に当たります。報道機関に誰が情報を流したのか、徹底的に調べて罪に問うべきでしょう」(前出のジャーナリスト)
東京検審事務局は「外部電話の有無も含めて一切答えていない」(総務課)と言うのみだ。
そもそも、検察審査会には問題が多い。とくに小沢事件を担当した検察審査会は、補助弁護士が小沢幹事長を銃刀法違反(共同所持)の共犯に問われた暴力団組長と一緒にするような説明をし、審査員は「小沢不起訴」の理由を説明した特捜部検事の説明に耳を貸そうともしなかったという。
問題ばかりの検審制度は、やっぱり「見直し」が必要じゃないのか。