世界中のメディアが呆れている“猫の目首相”の日本の政治

(日刊ゲンダイ2010/6/5)
3日付の米紙ワシントン・ポストは「漂う日本―またもや新しい首相」と題する社説を掲載し、4年で4人の首相が退陣に追い込まれた日本の“猫の目政治”をくさしていた。
中国の環球時報にも、何度も繰り返される日本の短命政権は〈日本にとって面倒なだけでなく、中国を含む多くの国も迷惑〉と書かれてしまった。今や世界中が、この国の政治に驚き、呆れ果てているのだ。
在日50年、元米紙ロサンゼルス・タイムズ東京支局長のサム・ジェームソン氏も、日本の政治は「おかしい」と言う。
「米大統領の任期は最大8年。この期間を最後まで付き合ってくれた日本の首相は歴史上、ひとりもいません。日本人はホンネでは、強いリーダーを求めていないのではないか、と思えてきます」
日本のメディア、特に民主党政権への報道も、ジェームソン氏の目には異様に映っている。
「小沢幹事長の『政治とカネ』の事件では、小沢氏を犯人視する検察の匿名コメントが紙面にあふれ、政権を追い詰めました。米国では検察当局は顔を出して国民に堂々と説明し、記者も発言者の名前を必ず記事に載せます。日本のメディアは無責任極まりないと思う」
欧米では世論調査も毎月のようにやらない。やる場合も、第三者の調査期間に委ねる。メディア自身が調査すれば、客観性が損なわれ、情報操作も可能だからだ。
「何より、普天間問題という“ワンイシュー”だけで、政権に退陣を迫るような稚拙な報道はしません。日本のメディアは、もっと多角的な視野に立って、政権を評価すべきです」
菅新政権は今度こそ、世界に笑われないような政治を目指すべきだ。