行ってみて驚いた 東京地検[超厳戒]オープン会見
(日刊ゲンダイ2010/6/16)

事務官23人が記者たちを監視
雑誌やフリーの記者にも、会見の門戸を開いた東京地検。きのう(15日)オープン化後、初の「臨時会見」を開くと連絡してきた。対応は、小沢事件を指揮した佐久間達哉特捜部長。「大事件か」と、東京地検に駆けつけたが――。
会見の告知メールの配信は、受け付け開始25分前。
本紙がメールに気付いたのは、さらに受け付けの10分ほど前だった。文字通りの「臨時会見」だ。
慌てて霞が関の東京地検正面玄関に到着。受け付けを済ませ、いざ庁舎内へ。銀行のATM前にあるような誘導ロープで仕切られた幅1メートルの“特設通路”が、地下1階の会見場まで延びる。2、3メートルおきに職員が立ち、記者をずっと監視していた。その数、実に23人。ミョーに物々しい雰囲気だ。
「ロープ外には一歩も出ることが許されません。庁舎1階には、通路から10歩先にコンビニがあるのですが、『そこで、水を買ってもいいか』と職員に聞くと、『できません』とキッパリ。仕方なく通路に面した自販機で水を買おうとすると、職員がピッタリとマークしてくるのです」(会見に参加した雑誌記者)
厳戒態勢をくぐり抜け、会見場で待つこと数分。本日の主役の佐久間特捜部長が現れた。白い半そでのボタンダウンシャツ姿。思いのほか、ソフトな口調で事件の概要を語りだした。
「本日、東京国税局から告発を受け、東京・江東区の建築金物メーカーの社長を法人税法違反の事実により逮捕した」……
「大」のつく事件ではなかったが、記者からは、臨時会見を開いた理由など質問が相次いだ。しかし、佐久間部長は「答えは差し控えたい」と連発し、会場を後にした。
会見終了後、通路に立つ職員に「やたらと人数が多いですね」と聞いた。
「皆さんを“お出迎え”しなければいけませんから」
口元にニヤッと皮肉な笑みを浮かべながら、職員は答えた。記者会見を開くのに、こんな厳戒態勢は必要なのか。