●裁判員裁判は「正念場」 大林新検事総長が会見

(共同通信 2010/06/17 21:55) http://bit.ly/cFqn6T

 樋渡利秋氏の退官に伴い、東京高検検事長から第25代検事総長に就任した大林宏氏(63)が17日、東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で記者会見し、裁判員裁判の対応について「今年の夏以降は複雑、困難な事件が多数控えている。まさに正念場で(各地検は)火事場に近い状態になる。上級庁の指導や情報の共有化、人の応援などを進めたい」と述べた。

 さらに「裁判員が積極的に発言し、的を射た質問をしている。正直感心している」と評価。検察側の現状については「(若手検事の)経験不足もあるが、検事正も準備からかかわり、激論も交わされていると聞く。(検察の)実力を上げると評価している」と語った。

 大林氏は一橋大卒。1972年検事任官。法務事務次官、札幌高検検事長などを経て2008年7月から東京高検検事長を務めた。



●「裁判員制度よりよくして」 樋渡前検事総長が会見

(日経新聞 2010/6/17 20:58) http://bit.ly/9CYM4X

17日に退任した樋渡利秋・前検事総長は記者会見し、「終わってみれば短い期間だった。40年間やってきて今はほっとしている」と振り返った。

 樋渡氏は裁判員制度などの司法制度改革にもかかわり、2008年7月に検事総長に就任。民主党の小沢一郎・前幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件などを指揮した。

 同事件についても触れ、「検察は不偏不党、公平公正が伝統。(相手が)どのような人であれ、法に違反する疑いがある以上、捜査するのは当然だった」と振り返った。

 さらに、裁判員制度について「今までは順調に来ている。今後は見直しを進めてよりよい制度にしてほしい」と述べた。




●鳩山・小沢氏の捜査「当然」 樋渡検事総長が退官会見

(朝日新聞 2010年6月17日21時12分) http://bit.ly/dAz4xO

退官会見に臨む樋渡利秋検事総長=17日午後、東京・霞が関、松谷常弘撮影
 17日付で勇退した樋渡(ひわたり)利秋検事総長(64)が同日、東京・霞が関の最高検で退官会見を開いた。在任中に、鳩山由紀夫前首相と小沢一郎・前民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件の捜査を指揮。「検察の伝統は、不偏不党と公平公正。法の支配とは法の下の平等であり、疑いがあればどんな人でも捜査するのは当然のこと」と振り返った。

 樋渡氏は、裁判員制度を生み出した司法制度改革審議会(1999~2001年)の事務局長を務めた。その議論の中で、検察審査会の議決により起訴できる仕組みも生まれた。今年に入り、兵庫県明石市の歩道橋事故と、JR宝塚線(福知山線)脱線事故で、検察が不起訴とした容疑者が強制的に起訴された。

 「検察官が公訴権(容疑者を起訴する権利)を独占するのがいいのか。新しい公訴提起のあり方があってもいいのではないかと考えてほしい」と述べる一方で、「検察の姿勢が変わる必要はない」とも語り、従来の検察の「起訴する基準」が影響を受けることはないという考えを示した。

 この日、大林宏・新検事総長も会見した。