【政権公約要旨】民主党    (産経ニュース 2010.6.17 21:33)  http://bit.ly/b7Lstt



【総論】

一、公共事業中心の経済政策でもなく、偏った市場原理主義に基づく経済政策でもない「第三の道」を選択。環境問題、少子高齢化などの解決策や観光分野などの積極策が生み出す需要で雇用を拡大し、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の好循環をつくり出す。

一、結党の原点に立ち返って、カネのかからない、クリーンな政治の実現に全力で取り組む。できる限り早期に企業団体献金の廃止、議員定数の削減を実現。

一、改革の目標は、「最小不幸社会」の実現。


【強い経済】

一、平成32(2020)年度までの平均で、名目成長率3%超、実質成長率2%超の経済成長。

一、政府と日銀が協力して早期にデフレを克服。

一、首相、閣僚のトップセールスによるインフラ輸出。

一、法人税制を見直し、中小企業向けの法人税率を18%から11%に引き下げ。

一、アジアをはじめ各国とのEPA・FTAの交渉を積極的に進める。


【行政刷新・強い財政】

一、地元への利益誘導の政治から、事業を刷新する政治へ。

一、国の総予算の全面的な組み替えを徹底。事業仕分けなどの手法で、不要な特別会計は廃止。

一、政治家、幹部職員が率先し、国家公務員の総人件費を2割削減。

一、新たな政策の財源は、既存予算の削減または収入増によって捻出(ねんしゆつ)することを原則とする。

一、平成23年度国債発行額は22年度を上回らないよう全力をあげる。

一、早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始。

一、平成27年度までに基礎的財政収支の赤字を22年度の2分の1以下にし、32年度までに基礎的財政収支の黒字化を達成。


【政治改革】

一、参院定数を40程度削減、衆院は比例定数を80削減。

一、国会議員歳費は日割りに。国会議員経費は2割削減。

一、審議活性化のため通常国会の会期を大幅延長し、実質的な通年国会に。

一、個人献金促進の税制改正にあわせて、企業・団体の献金・パーティー券購入を禁止。

一、「国会議員関係政治団体」の親族継承を法律で禁止。同団体の収支報告書の連結と総務省への一元的提出、外部監査・インターネット公表を義務付け。

一、衆参両院の選挙の一票の格差を是正。


【外交・安全保障】

一、総合安全保障、経済、文化などの分野の関係を強化して、日米同盟を深化させる。

一、米軍普天間飛行場移設問題は日米合意に基づき、沖縄の負担軽減に全力を尽くす。

一、緊密で対等な日米関係構築のため、日米地位協定の改定を提起。

一、「東アジア共同体」実現をめざし、中韓はじめアジア各国との信頼関係を構築。

一、アフガンなどの平和構築のため、自衛隊および文民の国際貢献活動のあり方を検討し、国連安保理常任理事国入りをめざす。

一、防衛大綱・中期防衛計画を年内に策定。中国の国防政策の透明化を求めつつ信頼関係を強化。


【子育て・教育】

一、財源を確保しつつ、既に支給している子ども手当を月額1万3千円から上積み。上積み分は、地域の実情に応じて保育所定員増や子ども医療費の負担軽減、給食の無料化などの「現物サービス」に代えられるようにする。

一、平成23年度から子ども手当に、国内居住要件を課す。


【社会保障】

一、年金制度一元化、月額7万円の最低保障年金実現のためにも、税制抜本改革を実施。

一、「消えた年金」に平成23年度まで集中的に取り組む。

一、後期高齢者医療制度は廃止し、平成25年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせる。


【雇用】

一、平成23年度中に求職者支援制度を法制化。


【農林水産業】

一、コメの戸別所得補償制度のモデル事業を検証しつつ、段階的に他品目、農業以外の分野に拡大。

一、口蹄(こうてい)疫感染拡大阻止に全力をあげ、経営再建対策を講じる。


【郵政改革】

一、郵政改革法案は次期国会で最優先課題として速やかな成立を図る。





●民主・参院選マニフェスト、全容明らかに


(読売新聞 2010年6月17日03時06分)  http://bit.ly/cazVKs


 民主党の「参院選マニフェスト」(公約)の全容が16日、明らかになった。

 菅首相が目指す「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現に向け、「消費税を含む税制抜本改革に関する協議を超党派で開始する」と明記した。

 原案では税制抜本改革の時期を「衆院選後」としていたが、最終的に時期に関する言及を見送った。衆院選を経ずに、早期に増税の方針を打ち出す可能性を示したものだ。

 参院選公約は、菅首相が17日、東京都内で記者会見し、正式発表する。

 公約は、財政健全化の必要性を前面に打ち出した。2011年度予算の国債発行額については、「10年度発行額を上回らないよう、全力をあげる」と明記。「政策の財源は既存予算の削減や収入増で捻出する」とも強調し、新たな国債発行に頼らない方針を掲げた。

 15年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を国内総生産(GDP)比で10年度の半分以下とする目標を掲げ、20年度までの基礎的財政収支の黒字化を目指すとしている。

 税制抜本改革の具体的な時期については、菅首相の意向で削除された。首相は参院選で勝てば、直ちに超党派協議を始め、消費税率引き上げの準備を加速させたい考えだ。

 民主党は、昨年の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、増税をせず、税金のムダ遣いをなくすことで政策の財源を捻出するとしていたが、参院選公約で大きく軌道修正を図った。

 子ども手当に関しては、中学生以下1人あたり月額2万6000円の満額支給は見送り、2010年度の1万3000円を「上積みする」と表記するにとどめた。上積み分は保育料軽減や給食無料化などにも充てる方針を示した。子ども手当をめぐっては、海外居住の養子などにも支給して批判を浴びたことから、11年度から子どもの「国内居住要件」を課すこととした。

 民主党は昨年の政権公約で、予算の組み替えを政治主導で実現することを明記したが、参院選公約では「政治主導」の文言は影を潜めた。