[自民]事実上の一本化で議席死守 7.11参院選 首都決戦は大荒れ

(日刊ゲンダイ 2010/6/23)

[民主小川]当選圏から弾き出される? [みんなの党]松田は失速


あす(24日)公示の参院選は、菅内閣の命運を握る天王山。中でも注目は、「定数5」に10人超が乱立する首都決戦だ。各党のマニフェストが出そろう前は、自民党の共倒れやみんなの党の躍進がウワサされたが、菅首相の消費税10%発言もあり、情勢は激変している。
東京選挙区で伸び悩んでいるのが、自民党新人の東海由紀子(42)だ。元キャスターの看板と美貌が売り。3年前の参院選東京選挙区で当選した元女子アナの丸川珠代を連想させるが、評判はサッパリだ。
「頼みの綱は浮動票なのに、街頭での演説をチョボチョボしかやっていないから、顔と名前がまったく浸透していない。見るに見かねて周囲がアドバイスしても、『私のスタイルじゃない』とプイ。お高く止まっていて、いまだにハイヒールも脱ごうとしない。スニーカーを履きつぶすぐらいでないとダメですよ。それでいて、党本部には連日のように『公認候補なのに支援がない』とクレームをつけている。“第2の片山さつき”と陰口をたたかれています」(自民党関係者)
現職の中川雅治(63=元環境省事務次官)も、東大から大蔵省で頭を下げられないタイプ。庶民に親しまれるキャラクターではないが、「東海が望み薄なので、自民の組織票はみんな中川に流れている」(自民党事情通)という。事実上の一本化で、一気に当選圏内に入ってきた。
「東京選挙区は蓮舫(42)がダントツで、頭2つは抜けている。前回は92万票あまりで3位当選だったが、今回は200万票の勢い。前回トップだった中川も2番手は堅い。民主、自民のワンツーは決まりでしょう」(選挙事情通)
自民党の1議席死守で、崖っぷちに追い込まれたのが、民主党現職の小川敏夫(62)だ。
公明党新人の竹谷とし子(40)には組織がある。共産党現職の小池晃(50)はテレビでも顔が売れていて、50万~60万の基礎票にプラスアルファが期待できる。
民主党は、仙谷官房長官が東京で第一声をやり小川陣営をてこ入れするが、厳しい。政治評論家の有馬晴海氏が言う。
「小川さんは民主党の支持率に連動して当落線上をさまよっています。菅首相に代わって民主党人気が回復すると盛り返したが、菅首相が消費税10%を口にした途端に頭打ちになり、票がどんどん減っている」
ただ、一時は当選圏内に入っていた、みんなの党新人の松田公太(41)も失速している。
タリーズコーヒージャパンの創業者で、起業家希望の若者には人気だが、「首相交代の政局でみんなの党は埋没している。組織を持たない根無し草の弱さが出ている」(都政関係者)。
民主が東京で議席を減らすようだと、単独過半数はムリ。改選の54議席確保も難しくなり、菅首相退陣が現実味を帯びてくるのだ。