民主惨敗 政権しがみつき困難

(日刊ゲンダイ2010/7/12)

民主党政権に絶望した選挙民
---恐らく菅首相は退陣させられるだろうし、もう一度、9月衆院解散総選挙ということになるだろう---
まあ、見事なまでの民主党の惨敗だ。50議席さえ確保できず、改選数を10も割り込む44議席。参院で法案を成立させるのに必要な過半数に16議席も足りない。何のために鳩山・小沢コンビを取り換えたのか分からない最悪結果になってしまった。
致命的なのは“改選第1党”を自民党に取られてしまったことだ。これで民主党政権は八方ふさがりだから、党内に衝撃が走っている。
「とくに1人区は8勝21敗とひどい成績で、激戦区を全部落としてしまった。安泰といわれていた栃木や、仙谷官房長官の地元の徳島まで逆転負けです。小泉内閣時代の郵政選挙以来の久々の屈辱ですよ。菅首相や枝野幹事長は進退は考えていないと続投を宣言したが、それで済むかどうか。党内外からは“安倍の二の舞いになる”という声が強まっています。3年前の参院選で惨敗した安倍首相は居直り続投したが、辞めろの大合唱で病気になってしまって総理を放り出した。そんなミジメな見方を否定する求心力も政治力も今の官邸にはないだけに、民主党がグチャグチャになっていくのは避けようがありません」(民主党関係者)
鳩山・小沢ダブル辞任で“アク抜け”し、V字回復を果たした菅民主党が、三日天下で終わるなんて、一体だれが予想しただろうか。