威張りくさるな「みんなの党」 自民と民主のヌエのくせに
(日刊ゲンダイ 2010/7/16)


たった10人しか当選しないのにまるで天下を取って自分が政局を動かすかのようにいい気になって増長している政治屋集団に警告

「鼻についてきたなあ」――参院のキャスチングボートを握ってウカれるみんなの党に対し、そんな声が増えている。
確かに、渡辺喜美代表と江田憲司幹事長はテレビに出ずっぱりで、負けた民主党政権の悪口を言い、参院選で10議席獲得した自分たちの手柄をこれでもかと自慢している。それが増上慢に映るのだ。まあ、鼻息が荒いのも分からないではないが、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という日本古来の言葉もある。ちょっとは謙虚さを見せないと、「威張りくさるなよ」と言いたくもなってくるのだ。「民主党だけでなく、自民党や公明党の幹部たちまで、みんなの党にはカチンときてますよ。たった10議席とっただけなのに、民主党に対しては、オレたちの考えを100%丸のみなら組んでやってもいいとデカい態度。と思えば、参院議長選びで自民党や公明党を差し置いて野党共闘を宣言し、それに公明党が従わないと、“腰が引けている、与党ボケだ”となじる。小政党なのに、天下を取ったごとく振る舞っているから嫌われるのです。たちあがれの与謝野馨さんが、“政治はシッポに犬が振り回されてはダメだ”とクギを刺したのも当然です」(政界関係者)
与党にも野党にもカミつき、斬新な勢力のごとく振る舞っている。それがまたテレビでチヤホヤされるからツケ上がっているが、本をただせば、大半は民主党や自民党からはじき出された者の寄せ集め所帯。ヌエみたいなものにすぎない。

「中身を見ても、民主、自民のいいとこ取りをしているだけです。国家公務員削減で役人を叩き、増税はしないで40%の法人税を20%に下げて、経済を成長させ、個人所得も5割増しにすると、聞こえがいいことばかりをスローガンにしている。そんな夢みたいな話で景気が上向いたら、歴代の政権は苦労していませんよ。それでも有権者が投票してしまったのは、菅首相が大ポカをしたからです。脱官僚で、国民生活第一の政治をやると言ってきた民主党政権が、急に消費税増税で法人税を下げるなんて言い出したものだから、ア然ボー然の支持者が、役人叩きと増税なしを掲げたみんなの党に乗り換えた。菅首相の大ポカに助けられて議席を増やしたにすぎない党なのです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
先の与謝野馨はみんなの党を「デマゴーグ(大衆扇動家)の典型みたいな政党」と称した。そう言われないためには、高く売りつけようとアッチコッチと取引する政治屋のようなことを考えず、発言を控え、頭を垂れているのが賢明だ。それが小政党が一日でも長く生き延びるコツというものである。